【米国株まとめ】9月28日はNYダウ347ドル安!イラン情勢緊迫と長期金利19年ぶり高水準でハイテク株が軟調

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どうも、ひろきちです。

9月28日(月)の米国株式市場は3指数そろって反落しました。NYダウは347ドル安、ナスダック総合は0.92%安と、ハイテク株を中心に売りがかさむ一日でした。背景にあるのはイラン情勢の緊迫化と、長期金利の急上昇です。一方で決算関連の材料が出た個別銘柄は値動きが大きく分かれたので、今日はそのあたりを中心に振り返ります。

3指数そろって反落、長期金利は19年ぶりの高水準に

まずは主要3指数の終値です。

指数終値前日比騰落率
NYダウ51,481.51-347.11-0.67%
S&P5007,683.69-59.72-0.77%
ナスダック総合26,820.38-248.34-0.92%

3指数とも下落し、下落率で見るとハイテク株の比率が高いナスダック総合が一番弱い結果になりました。ラッセル2000(中小型株指数)も2,817.91と0.69%安で、大型株から中小型株まで幅広く売られた印象です。

この日一番の注目材料は、長期金利の急上昇でした。米10年債利回りは5.24%(前日比+0.06pt)まで上昇し、2007年以来およそ19年ぶりの高水準に達しました。30年債利回りも5.56%まで上昇しています。金利が上がると将来の利益をお金に換算したときの価値(専門的には割引現在価値と言います)が目減りするため、特にこれから成長する分の期待が株価に多く織り込まれているハイテク・グロース株は売られやすくなりました。今回ナスダックの下げ幅が大きかったのは、まさにこの理屈通りの動きだと思います。

恐怖指数と呼ばれるVIX(S&P500のオプション価格から算出される変動率指数)は16.07と前日比+8.07%上昇しました。まだ「パニック」と呼べる水準ではありませんが、投資家の警戒感が一段強まったことがうかえます。

相場を動かした材料:イラン情勢と原油の乱高下

長期金利上昇のきっかけになったのが、中東情勢です。トランプ大統領がイラン側から出ていたホルムズ海峡再開に関する提案を拒否したと報じられ、原油価格が一時96.53ドルまで急騰しました。ところがその後、中東メディアが「イランが核問題で具体的な進展を見せれば、米国は制裁緩和や凍結資金の解除に応じる用意がある」と報じたことで買いの勢いが一気に弱まり、WTI原油(ニューヨーク先物)は結局92.80ドル(前日比-0.50ドル、-0.54%)と反落して終えています(出典:財経新聞、Reuters)。

一時は上昇していた原油が一日のうちに下落へ転じたことからも分かるように、イラン情勢は「悪化した」「改善した」のニュースが交互に出て振れ幅が大きくなっています。原油価格が上がるとインフレへの警戒が強まり、それが長期金利の上昇要因になる、という連鎖が今の相場の基本パターンだと理解しておくとニュースが追いやすいと思います。

なお金(ゴールド)は4,155.40ドルと前日比-13.00ドル(-0.31%)とほぼ横ばいでした。有事の資産とされる金が大きく動かなかったのは、株や原油ほど地政学リスクを織り込みに行かなかったということなのかもしれません。

FRB(米連邦準備制度理事会)のリサ・クック副議長は、AI主導の設備投資の拡大がインフレ要因になり得ると発言したと報じられています。利下げペースに慎重な見方を強める材料として、市場は多少意識したようです。

話題になった銘柄:決算・M&A・臨床試験でまちまちの反応

指数の動きだけでなく、個別銘柄の値動きが目立った一日でした。話題になった6銘柄の騰落率を並べたのが下の図です。

コディアック・サイエンシズが150%を超える急騰と極端な結果になった一方、モンゴDBは20%前後の急落と、明暗がはっきり分かります。

銘柄騰落率材料
コディアック・サイエンシズ(KOD)+150%超加齢黄斑変性治療薬の第3相試験で良好な結果
エヌビディア(NVDA)+1.7%程度自社株買い枠を1,500億ドル積み増し
パラマウント・スカイダンス(PSKY)+3.8%44.4億ドルの社債発行を発表
ロブロックス(RBLX)-7.8%程度ジェフリーズがアンダーパフォームに格下げ
ボーイング(BA)-6.2%737MAX10型機の認証延期
モンゴDB(MDB)-20%前後CEOがMetaへ電撃転身

一つずつ、何が起きて、なぜそう動いたのかを見ていきます。

まずエヌビディア(NVDA)です。取締役会が自社株買いの枠を1,500億ドル積み増し、総額2,350億ドルという過去最大級の規模になったと発表しました(出典:Yahoo Finance、24/7 Wall St.)。同時にAIエージェントの誤作動を防ぐ安全プラットフォームも発表しており、「稼いだキャッシュを株主還元と安全対策の両方に回せる余裕がある」との好材料視で、半導体セクター全体が軟調な中でも1.7%程度の上昇となりました。

次にモンゴDB(MDB)です。CEOのCJ・デサイ氏が、Metaが新設したエンタープライズ向けAI部門のトップに就任するために電撃退任すると発表され、株価は20%前後の急落となりました(出典:Bloomberg、CNBC)。デヴ・イッティチェリア氏が暫定CEOに就任しますが、AI戦略を主導してきたトップが競合にもなりうるMetaに移るという経営の連続性への不安が、業績とは関係なく一気に噴き出した格好です。

コディアック・サイエンシズ(KOD)は、加齢黄斑変性(高齢者に多い、目の中心部の網膜が傷んで見えにくくなる病気)の治療薬候補「Zenkuda」とKSI-501の第3相DAYBREAK試験で良好なトップライン結果(速報値)が出たと発表し、150%を超える急騰となりました。UBSは買い推奨(目標株価80ドル)とした一方、ゴールドマン・サックスは中立(同36ドル)にとどめ、評価が真っ二つに割れているのも興味深い点です。

ボーイング(BA)は、米連邦航空局(FAA)がソフトウェアの問題を理由に737MAX10型機の認証を延期すると発表したことを受けて6.2%下落しました(出典:Bloomberg、CNBC)。新型機の納入計画が後ろ倒しになるリスクが意識された形で、認証遅延がたびたび起きているボーイングだけに「またか」と感じた投資家も多かったのではないかと思います。

ロブロックス(RBLX)は、証券会社ジェフリーズが「今後12カ月のブッキング(予約売上高)成長見通しが市場予想より楽観的すぎる」としてアンダーパフォームに格下げし(目標株価38ドル)、7.8%程度下落しました。ユーザー離脱やコスト増による利益率の圧迫が懸念材料に挙げられています。

このほか、パラマウント・スカイダンス(PSKY)は44.4億ドル規模の社債発行を発表して3.8%高、宇宙関連ではスペースXの新型ロケット「Starship」が初めて地球軌道への到達に成功したと報じられ、関連銘柄に買いが入りました。読者の皆さんが保有していることも多いS&P500連動のVOOやVTI、ナスダック100連動のQQQといった主要ETFも、この日はおおむね指数と同水準で下落しています。



セクター別の動き:8セクター中8セクターが下落

この日はS&P500の主要8セクターすべてが下落するという、かなり幅広い下げになりました(出典:Investrade)。下落が目立ったのは、金・銀の急落を受けた貴金属鉱業、ボーイング安が響いた防衛・航空、ロブロックス安のゲーミング・ソフトウェア、そして化学(BASF傘下企業による買収提案が「あまりに低い」として拒否されたことが材料)の各セクターです。

一方で、スペースXの打ち上げ成功を受けた宇宙関連、モルガン・スタンレーが再保険関連企業を格上げした保険、買い推奨を継続された一部外食チェーンは上昇しており、全面安の中でも個別の好材料に反応する銘柄があったことが分かります。

今日の日本株・注目点

最後に、今日の日本株を見るうえでのポイントを3つ整理しておきます。

①シカゴ日経平均先物は、大阪取引ユ水準で取引を終えました。米国株が軟調だった割には底堅く、為替や需給の面で下支えする材料があったのではないかと見ています。

②米国と同様、長期金利とイラン情勢の動向は日本株にとっても引き続き注目材料です。原油価格が再び上昇に転じるようだと、インフレ懸念を通じて日本の金融株や輸入コストの重い企業にも影響が及ぶ可能性があります。

③今晩(日本時間)は9月の米消費者信頼感指数とJOLTS求人件数(労働省が発表する、企業の求人数を示す指標)の発表が予定されています。さらに週後半にかけて、30日にGDP改定値とPCE(個人消費支出)物価指数、10月1日にISM製造業景況指数、10月2日には9月の雇用統計と、重要指標が立て続けに控えています。特にPCE物価指数はFRBが物価目標の判断に使う指標なので、内容次第では長期金利がさらに動く可能性があると考えています。

エヌビディアの自社株買いのような各企業の資本政策については、以前まとめた米国AI企業まとめ!エヌビディア4.7兆ドルの実力の記事もあわせて読んでいただくと、業界全体の位置づけが分かりやすいかと思います。前回9月24日の米国株まとめはこちらの記事からどうぞ。

今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものはありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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