【銘柄分析】Bending Spoons(BSP)が1日で約4割高!バークシャーが追加出資した理由と株価の見通しを解説

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

2026年10月14日(現地)の米国株式市場は、NYダウ・S&P500・ナスダックの主要3指数がそろって下落しました。そんな中、逆行高で目立ったのがイタリア発のソフトウェア企業Bending Spoons(BSP)です。ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが追加出資を発表し、株価は一時、前日終値から約4割も跳ね上がりました。今回は、この会社がどんな会社なのか、なぜ買われたのかを、できるだけ分かりやすく整理してみます。

Bending Spoonsってどんな会社?アプリや老舗サービスを買って伸ばす企業

Bending Spoons(ベンディング・スプーンズ)は、イタリア・ミラノに本社を置くソフトウェア企業です。2026年7月1日にナスダックへ上場しました。

特徴的なのは、自社でゼロからサービスを作るだけでなく、すでにユーザーがいるサービスを買収して立て直す「買収と改善」のモデルを得意としている点です。これまでにAOL、Vimeo、Evernote、WeTransfer、Eventbrite、Brightcove、Airtableなど、名前を聞いたことのあるサービスを傘下に収めています。2026年9月には、オンラインホワイトボードのMiroを企業価値13億5,500万ドルで買収することにも合意しています。

売上の大半は月額課金などのサブスクリプション(定期課金)で、2025年は売上の93%を占めました。月間のアクティブユーザーは5億人超、毎月お金を払っている顧客は900万人超(2026年3月時点)と、規模はかなり大きい会社です。

つまり「買った会社の無駄を削り、収益化を磨いて、毎月の課金収入を積み上げていく」会社だと考えると分かりやすいと思います。

株価と投資指標:IPO価格29ドルから、1日で約4割高

まず株価の流れです。IPO(新規上場)の価格は1株29.00ドルで、約16億8,000万ドルを調達しました。上場初日の終値は40.50ドルで、約4割の上昇でした。

その後は調整し、10月13日(火)の終値は37.86ドルとされています。上場初日の終値よりは安い水準でした。

そして10月14日(水)、バークシャーの追加出資が伝わると株価は急伸しました。報道ベースでは、日中に53ドル台を付ける場面があり(ベンジンガは前日比40.2%高の53.10ドルと報じています)、当日の値幅は49.21〜58.56ドル、上場来の高値は58.94ドルです。※本記事を書いている時点では、10月14日の正式な終値を確認できていません。数値はいずれも取引時間中のものです。実際の終値は、証券会社の画面などでご確認ください。

出来高は約1,960万株(午前10時台の時点)で、平均の230万株を大きく上回りました。それだけ注目が集まったということです。

投資指標も押さえておきます。PER(株価が1株あたり利益の何倍かを示す、割安さの目安)は、株価上昇後で130倍超とされています。株価売上高倍率は16倍超、フリーキャッシュフロー(会社が自由に使えるお金)に対する株価の倍率は約73倍です(いずれもMotley Fool調べ)。かなり高い評価がついている、ということは覚えておきたいところです。

なお、時価総額は情報源によって差があります。Motley Foolは一般に売買される株式ベースで約240億ドル、別の報道では約330億ドルとしています。数え方の違いによるものとみられます。

業績チェック:売上は急拡大。ただし成長の多くは買収によるもの

業績は、同社の目論見書(SECに提出された書類)をもとに見てみます。

2025年の売上高は約13億1,000万ドルで、2023年の約3億8,700万ドルから大きく伸びました。2026年1〜3月期の売上は約6億ドルで、前年同期の約2億5,900万ドルから132%の増加です(情報源により数字に少し幅があります。ここでは約6億ドルと書いておきます)。

営業利益は2025年に2億7,800万ドルとなり、前年の1億2,700万ドルから倍増以上になりました。会社が示す調整後の営業利益率は47%です。一方で、会計上の純利益は2025年はほぼゼロ(マイナス約0.1百万ドル)でした。買収に伴う費用などが重いためとみられます。会社が使う「調整後」の純利益は3億7,600万ドルと、見え方がかなり違います。

また、売上が急に増えているのは買収の効果が大きいことには注意が必要です。ある分析では、2025年の自力での成長(オーガニック成長)は13%程度で、全体の伸び(約95%)の大半は買収によるものでした。

この数字から読み取れるのは、「売上と営業利益の伸びは力強いが、買収を止めると成長は鈍る可能性がある」という点です。

一方、直近12か月のフリーキャッシュフローは4億5,300万ドルあり、純利益より約8割多い水準です。実際に手元に入るお金は、会計上の利益より厚いと言えます。

バークシャーの追加出資とは?今後の経営方針

今回の材料はここです。バークシャー・ハサウェイは、Bending Spoonsが発行する新株1,000万株を、1株33ドルで引き受けることで合意しました。調達額は約3億3,000万ドルです。2026年7月のIPOで6億ドルを投じていましたが、今回の追加で持ち株比率は約4%に高まります。

ひろきちが注目したのは、この33ドルという価格です。前日終値(37.86ドル)より約13%安い価格で、非公開の第三者割当(市場を通さず特定の相手に売る方法)の形をとっています。バークシャーにとっては割安に買える一方、既存の株主から見ると、新株が出る分だけ1株あたりの価値が薄まる面もあります。それでも市場は「バフェット氏の会社が追加で買い増した」という信頼のサインを強く評価した形です。共同創業者のフランチェスコ・パタルネッロ氏は、今回の投資は「チームとプラットフォームへの信頼の表れ」と述べています。なお、この取引の完了にはいくつかの条件があり、2026年第4四半期の完了を見込むとされています。

経営方針としては、今後も買収と改善を軸に成長を続ける見通しです。CEOは2026年に調整後EBITDA(利息・税金・償却前の利益)で約14億ドルを目指す、という趣旨の発言をしているとの報道もありますが、一次資料で確認できていないため、参考程度にとどめます。

株価の展望:強気材料と弱気材料

ここからは、株価の見通しを整理します。強気材料と弱気材料を、両方書いておきます。

【強気材料】

① 信頼できる投資家の後押し:バークシャーが短期間に2度目の出資を決めたことは、買い手が増える材料になりやすいです。

② 現金を生み出す力:フリーキャッシュフローが4億5,300万ドルあり、純利益よりも厚い点は安心材料です。

③ 成長期待:アナリストの予想では、今後5年間で利益が年平均約55%伸びるとされています(S&P Global Market Intelligence調べ)。

【弱気材料】

① 割高感:PER130倍超、売上の16倍超という評価は、すでに期待がかなり織り込まれていることを意味します。Motley Foolも「割安とは言えない」としています。

② 買収頼みの成長:自力の成長は13%程度で、買収が続かなければ伸びが鈍る可能性があります。買収した会社の統合に失敗するリスクもあります。

③ 新株発行による希薄化と、短期の過熱:新株が出る分、1株あたりの価値は薄まります。1日で約4割上がった反動で、値動きが荒くなる可能性もあります。

そのうえで、ひろきちの見解です。個人的には、バークシャーの出資は確かに心強い材料ですが、「バフェット氏が買ったから大丈夫」と考えるのは危険だと思っています。バークシャーが買った価格は33ドルで、今の株価はそれより高い水準です。同じ値段で買えるわけではない、という点は冷静に見ておきたいところです。上場から日が浅く、決算の実績もまだ少ないため、次の決算で成長の中身(自力の成長か、買収か)を確認してから判断しても遅くないと見ています。

まとめ:逆行高の主役は「信頼」。ただし割高感には注意

Bending Spoons(BSP)は、主要3指数が下げる中、バークシャーの追加出資を受けて逆行高となりました。買収と改善でサブスク収益を積み上げる力は魅力ですが、割高な評価と買収頼みの成長という弱点もあります。値動きの大きい局面なので、無理のない範囲で、情報を確認しながら見ていきたいですね。

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

出典:Motley Fool「Why Bending Spoons Stock Popped Today」(2026/10/14)、Benzinga・Yahoo!ファイナンス・Bloomberg・Reuters等の報道(2026/10/14)、Bending Spoons目論見書(SEC提出書類)・6-K(2026/10/14)

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