どうも、ひろきちです。
今日は2026年8月26日(水)の米国株式市場を振り返ります。この日は「エヌビディアの決算発表」と「7月分のPCE(個人消費支出物価指数)」という、市場が最も注目していた二大イベントが重なった一日でした。結論から言うと、指数はそろって小幅安。決算通過待ちで様子見ムードが強まる、いかにも「材料出尽くし待ち」らしい値動きになりました。前回(8月24日の振り返り記事)でお伝えしたエヌビディアの7営業日続落からの続きになるので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
指数まとめ:ダウは4営業日ぶり反落、S&P500とナスダックはほぼ横ばい
まずは主要3指数の終値からです。
・ダウ平均:53,463.88(前日比-113.52、-0.21%)
・S&P500:7,676前後(前日比ほぼ横ばい、-0.01%程度)
・ナスダック総合:26,130.20(前日比-21.10、-0.08%)
下の図の通り、3指数ともにマイナス圏で着地しましたが、下落幅が目立ったのはダウで、S&P500とナスダックはごくわずかな下げにとどまりました。
前日25日は中東情勢の緊張緩和や原油安を追い風にダウが3営業日連続で上昇していただけに、この日はやや利益確定売りが出やすいタイミングでもありました。加えて、取引終了後に控えるエヌビディアの決算発表と、この日の朝に発表されたPCE統計という2つの大型材料を前に、多くの投資家が新規のポジションを取りにくい「様子見」に回ったことも上値を抑えた要因だと思います。
PCEは総合3.7%・コア3.3%で高止まり、しつこいインフレを再確認
この日の朝に発表された7月のPCE(個人消費支出物価指数。FRB=米連邦準備制度理事会が最も重視するインフレ指標です)は、前年同月比+3.7%と市場予想をわずかに上回りました。月次では+0.2%の上昇です。一方、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEは前年同月比+3.3%となり、前月の6月から横ばいで、市場予想とも一致する結果でした。
「総合は予想超え、コアは予想通り」という結果を受けて、市場では「利下げを急がなければならないほどの悪化ではないが、FRBが安心して利下げに動けるほど落ち着いてもいない」という、なんとも中途半端な受け止め方が広がりました。個人消費支出そのものは前月比+0.2%と伸びを維持したものの、物価変動を除いた実質ベースではほぼ横ばい。内訳を見ると、サービス消費は増加した一方でモノの消費は減少しており、消費者が「モノよりサービスにお金を使う」傾向がにじむ内容でした。個人的には、コアPCEが3%台前半で高止まりしている状況が続く限り、FRBは急いで動かないスタンスを崩さないのではないかと感じています。
主役はエヌビディア決算、売上962億ドルで予想を大きく上回る
26日の取引終了後、AI(人工知能)向け半導体最大手のエヌビディアが四半期決算を発表しました。売上高は962億ドルと、市場予想の919億ドル前後を大きく上回り、前年同期比では倍増に迫るペースです。EPS(1株当たり利益)も2.22ドルと、予想の2.08〜2.09ドルを上回りました。データセンター部門の売上高も890億ドルと予想の854億ドルを超え、次の四半期の売上高見通し(ガイダンス)も1,080億ドルと市場予想の1,039億ドルを上回る強気な内容を示しています。売上総利益率(グロスマージン)も75%と前年同期比で2.5ポイント改善しました。
ジェンスン・フアンCEOは「AIはついに転換点に到達した。実際に役立つ仕事をこなし、そのトークン(AIの処理単位)は生産的で利益を生んでいる」とコメントしており、AI需要の強さに自信を見せています。数字だけを見れば、文句のつけようがない「増収増益・ガイダンス上振れ」の内容でした。
好決算でも株価は時間外で下落、メモリー価格高騰への警戒がくすぶる
ところが、これだけの好決算にもかかわらず、時間外取引でのエヌビディア株の反応は下落でした。発表後、株価はおよそ1.5%程度下落する場面が見られました。
背景には、決算発表前からくすぶっていた懸念があります。前回の記事でも触れた通り、エヌビディアはメモリー価格の高騰を理由に、AI向け半導体を搭載したサーバーの価格を来年最大15%引き上げる方針を大口顧客に伝えたと報じられていました。今回の決算でグロスマージン自体は改善していたものの、投資家の一部は「メモリーコストの上昇が今後の利益率をどこまで圧迫するか」を警戒している様子がうかがえます。決算発表前の7営業日でエヌビディア株はすでに7%近く下落しており、好材料が出ても素直に買われにくい「催促相場」の状態になっていたことも、今回の反応に影響したと考えられます。
個人的には、AI関連の設備投資需要そのものは依然として強いものの、株価の期待値がかなり高いところまで積み上がっており、「良い決算=株価上昇」が単純には成立しにくくなっているフェーズに入ってきていると感じます。エヌビディアは時価総額でも世界トップクラスの企業になっているだけに、決算のたびにハードルが上がりやすい状況は今後も続きそうです。保有している方は一喜一憂せず、27日以降の値動きで市場がこの決算をどう消化していくかを、少し時間をかけて見極めるのが良さそうです。
今週の見通し:ジャクソンホールとウォーシュ議長講演に注目
今週は米国の金融政策とAI相場、両方の方向性を占ううえで重要なイベントが立て込んでいます。注目したいポイントを整理すると、次の3つです。
①エヌビディア決算を受けた27日以降の半導体株・AI関連株の値動き。好決算でも下落したことで、目先は利益確定売りが出やすい地合いが続く可能性があります。
②木曜日に開幕するジャクソンホール会議。金融政策の方向性を占う恒例のシンポジウムで、金曜日に予定されているウォーシュFRB議長の講演に、利下げペースなど今後の金融政策運営に関するヒントが出るか注目が集まっています。
③しつこいインフレ(PCE)と、それでも底堅い個人消費のバランス。インフレが高止まりする一方で消費が急速に冷え込んでいるわけでもなく、FRBの判断は一段と難しくなりそうです。
新NISAで米国株や米国ETFに積立投資をしている方にとっても見逃せない一週間になりそうなので、ひろきちも自分の保有銘柄をチェックしつつ、慌てず値動きを見守りたいと思います。
まとめ
2026年8月26日の米国市場は、ダウが4営業日ぶりに反落し、S&P500とナスダックもほぼ横ばいという、値動きの乏しい一日でした。しかし取引終了後に発表されたエヌビディアの決算は、売上・利益・ガイダンスのすべてで市場予想を上回る内容だったにもかかわらず、株価は時間外で下落するという、AI相場の期待値の高さを改めて感じさせる結果になりました。今週はジャクソンホール会議とウォーシュ議長の講演という大型イベントも控えており、相場の方向性を占ううえで重要な週になりそうです。相場が荒れやすい時こそ、普段からの分散投資と長期目線が効いてくる場面だと思うので、慌てず淡々と向き合っていきたいですね。
English version is here → https://hirokichiiii.com/投資のいろは/us-stock-2026-0826-en/
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
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