どうも、ひろきちです。今回は9月14日(月)の米国市場の振り返りです。結論から言うと、この日はAI(人工知能)業界のトップたちが「開発を減速すべきだ」と訴えたことをきっかけに半導体株が売られ、NYダウ・S&P500・ナスダック総合の3指数がそろって小幅安で取引を終えました。同時に中東情勢の緊迫化で原油価格が急伸し、米長期金利が2007年以来の水準となる5%に達するなど、材料が重なった1日でした。
NYダウ・S&P500・ナスダック総合は3指数そろって小幅安
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 52,421.20 | -152.09 | -0.29% |
| S&P500 | 7,619.98 | -36.80 | -0.48% |
| ナスダック総合 | 26,186.41 | -146.63 | -0.56% |
この表を見ると分かる通り、下落率はナスダック総合が最も大きく、半導体株の比重が高い指数ほど下げがきつかったことが読み取れます(出典:CNBC、Yahoo Finance)。取引時間中は下げ幅がもっと膨らむ場面もありましたが、引けにかけてやや値を戻す展開でした。恐怖指数と呼ばれるVIX(S&P500の値動きの荒さを示す指数)も8%程度上昇して15.84まで上がり、投資家がリスクに身構えていたことがうかがえます。3指数とも下落率自体は1%に届かず、見出しだけ見ると「小幅安」ですが、材料の重さを考えるとよく持ちこたえた1日だったとひろきちは感じています。
相場を動かした材料:AI「開発減速」論、原油急騰、長期金利5%、今週のFOMC
この日一番のニュースは、AI業界のリーダーたちが週末にかけて発信した「開発減速」論でした。大手AI企業のCEOが、最先端AIモデルの安全性への懸念から開発ペースを落とすべきだと訴える文章を公表し、他の主要AI企業のトップたちも同調する姿勢を示しました。さらに、あるAI企業のCEOが週末のインタビューで「年内のIPO(新規株式公開)は時期尚早だ」と語ったことも伝わり、AIセクター全体の先行き不透明感を強めました。半導体は「AIブームの一番の受益者」と見られてきただけに、ブームの前提が揺らいだことで売りが広がりました。
もう一つの大きな材料が原油価格の急騰です。サウジアラビアが攻撃を受けてパイプラインの一部を停止したことに加え、ホルムズ海峡付近での輸送にも支障が出ているとの報道があり、WTI原油は1バレル102ドル台まで2%台後半の上昇となりました(出典:Reuters系の報道各社)。原油高はインフレ再燃への懸念につながり、米10年国債利回り(長期金利の代表的な指標)は一時5.01%まで上昇し、2007年以来の高水準を付けました。終値ベースでも4.96%と高止まりしています。
長期金利の上昇は、9月15〜16日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC、米国の金融政策を決める会合)を強く意識したものです。市場では2023年以来となる利上げ(0.25%、政策金利を3.75〜4.00%へ引き上げ)が実施される確率が9割前後まで織り込まれており、原油高によるインフレ圧力がその後押しとなっています。ひろきち個人としては、利下げではなく利上げが話題になるとは正直驚きで、しばらくは「金利のある世界」への警戒を続けたほうがよさそうだと感じています。
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話題になった銘柄:半導体は総崩れ、”ハイパースケーラー”は逆行高
| 銘柄(ティッカー) | 騰落率 | 材料 |
|---|---|---|
| エヌビディア(NVDA) | -3.36% | AI開発減速論で半導体セクター全体が売られる中、代表銘柄として直撃を受けた |
| マイクロン・テクノロジー(MU) | -5.25% | メモリー半導体もAI向け需要期待が支えだっただけに、思惑の後退で急落 |
| インテル(INTC) | -5%前後 | 複数メディアが5%前後の下落を報じたが、正確な終値ベースの騰落率までは裏取りできず |
| アルファベット(GOOGL) | +3.06% | AI開発減速の打撃は半導体を「作る側」より「使う側」に及びにくいとの見方で買われた |
| アマゾン・ドット・コム(AMZN) | -1.6%前後 | 同じハイパースケーラーでもクラウド投資負担への懸念からやや軟調 |
この表からは、同じ「AI開発減速」というニュースでも、銘柄によって明暗がくっきり分かれたことが読み取れます。エヌビディアやマイクロン、インテルのような半導体メーカーは、AIモデルの開発ペースが落ちればデータセンター向け需要そのものが減りかねないため、直接的な打撃として売られました。一方でアルファベット(グーグルの親会社)やマイクロソフト、メタといった、AIを「使う側」のハイパースケーラー(大規模データセンターを持つ巨大IT企業)はむしろ買われました。アナリストの間では、開発減速の影響は半導体という「ピック・アンド・ショベル(道具を売る側)」により重くのしかかるという見方が出ています。一方で、大手金融機関のエコノミストからは「各社が競い合っている以上、どこか1社だけが自主的に開発を緩めるとは考えにくい」と、減速論そのものに懐疑的な声も出ており、市場の見方が一枚岩ではない点は押さえておきたいところです。個人的には、同じAI関連株でもポジションによって明暗が分かれる好例だと感じました。![]()
セクター別・ETFの動き:エネルギーは逆行高、半導体ETFは急落
セクター別では、原油高の恩恵を受けたエネルギーセクターが上昇した一方、半導体関連の比率が高いETFは大きく値を下げました。日本の個人投資家にも人気のETFで見ると、S&P500全体に連動するVOOやSPYは0.5%前後の下落にとどまったのに対し、ナスダック100連動のQQQはより大きめの下落となったとみられます。半導体株に集中投資するSMHやSOXXのようなETFを保有している方は、この日の下げ幅がより大きかった可能性が高い点に注意が必要です。逆に、エネルギーセクターに投資するXLEのようなETFは原油高の追い風を受けており、同じ「米国株」でもセクター次第で明暗が分かれた1日だったといえます。分散投資でVOOやVTIのようなインデックスETFを積み立てている方は、今回のような個別セクターの急変動があっても、日々の値動きに一喜一憂しすぎなくてよいというのが、あらためて感じたポイントです。
今日の日本株・注目点
昨日9月14日の東京市場では、すでにソフトバンクグループが急落するなど、今回のAI開発減速論の影響が先取りされる形で日経平均は518円安となりました(詳しくは日経平均まとめ記事をご覧ください)。今日の注目点を3つに整理すると、①9月16日未明(日本時間)に結果が判明するFOMCで2023年以来の利上げに動くかどうか、②原油高がこのまま続くのか、それとも中東情勢の落ち着きとともに一服するのか、③AI関連の値動きが半導体株を中心に日本株にも波及するかどうか、になりそうです。ドル円は154円台まで円安が進んだものの、日銀の金融引き締め観測や資金の国内回帰で下値も堅いとの声があり、この綱引きも注目されます。
今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!
English version is here → Sept. 14 English version
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
前回の9月11日の米国株まとめ記事もあわせてどうぞ。
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