どうも、ひろきちです。
10月29日の米国市場で、眼科医療機器のグラウコス(ティッカー:GKOS)の株価が約33%も急騰しました。前日の10月28日に発表した2026年7〜9月期の決算が、市場の予想を大きく上回ったためです。聞き慣れない会社かもしれませんが、緑内障という目の病気の治療を変えようとしている注目企業です。今回は、どんな会社で、なぜここまで買われたのか、今後はどうなりそうかを整理します。
グラウコスはどんな会社?緑内障と角膜の病気に特化した医療会社
グラウコスは、アメリカのカリフォルニア州に本社を置く眼科の医療会社です。主な事業は、緑内障と角膜(黒目の表面)の病気の治療です。緑内障は、目の中の圧力が高くなって視野が欠けていく病気で、多くの人は目薬を毎日さすことで進行を抑えています。
会社が成長の柱としているのが、次の2つです。
①iDose TR(アイドーズ・ティーアール):目の中に小さな薬の入れ物を入れ、長期間にわたって薬を出し続ける治療です。毎日の目薬が不要になる可能性があり、「目薬のいらない治療」として期待されています。2024年に発売されました。
②Epioxa(エピオクサ):円錐角膜(角膜がとがって視力が落ちる病気)に対する、角膜のクロスリンキング(強度を高める)治療です。
会社は2025年のiDose TRの売上を約1億3600万ドルと説明しています。医療機器と薬の中間のような事業で、一度使ってもらえると継続的に売上が立ちやすいのが特徴です。
株価と投資指標:10月29日終値は約240ドル台、1日で約33%上昇
前日10月28日の終値は約181.43ドルでした。10月29日は寄り付きから買われ、終値は240ドル台に乗せました。なお、終値は媒体によって240.52ドルと242.48ドルに分かれており、本記事では「約240ドル台」と記します。
それまでの52週(1年間)の高値は191.62ドルでしたので、一気にその水準を超えたことになります。決算前の時価総額は約100億ドル台で、今回の上昇でさらに膨らみました。
アナリストの目標株価も引き上げられました(出典:Benzinga)。
・Needham:201ドル→251ドル(買い推奨を維持)
・BTIG:205ドル→234ドル(買い推奨を維持)
・Stifel:190ドル→225ドル(買い推奨を維持)
なお、会社はまだ赤字から抜け出したばかりのため、PER(株価が1株利益の何倍かを示す割安さの目安)で見ると割高に見えます。成長性を買う銘柄だと考えるのが自然です。
業績チェック:売上は58%増、初めての黒字化も
2026年7〜9月期の決算(出典:グラウコスの決算発表)は、次のとおりです。
・売上高:2億1100万ドル(前年同期比+58%)
・内訳:米国の緑内障事業1億1860万ドル(+47%)、角膜事業5900万ドル(+154%)、海外の緑内障事業3340万ドル(約+13%)
・粗利益率(売上から原価を引いた利益の割合):85.2%(前年同期は78.4%)
・純利益:200万ドル、1株あたり0.03ドル(前年同期は1620万ドルの赤字)
・調整後の1株利益:0.47ドル(市場予想は約0.10ドルの赤字)
・現金等:約3億3980万ドル
年間の売上は、2024年が3億8350万ドル、2025年が5億740万ドル(約+32%)でした。2026年の見通しは7億7500万ドル〜7億8500万ドルに引き上げられ、中央値は7億8000万ドルです。さらに会社は、2027年の売上を10億ドルとする「ごく暫定的な目標」を示しました。
なお、2025年はEpioxa移行に伴う約1億1290万ドルの減損損失(資産の価値を切り下げる会計処理、現金は出ていかない)などで、最終赤字が約1億8770万ドルありました。黒字化が決算で確認できたのは、今回が大きな転換点です。
もう1点、会社は借金なしと説明していますが、貸借対照表にはリース債務(約6690万ドル)があります。
今後の経営方針:iDose TRとEpioxaの2本柱で10億ドルを目指す
経営陣は、iDose TRとEpioxaを「変革をもたらす2つの成長ドライバー」と呼んでいます。2026年の売上見通しは、年初の6億〜6億2000万ドルから、今回の7億7500万〜7億8500万ドルまで大きく引き上げられました。わずか1年で期待の水準が大きく変わったことになります。
会社は「目薬に頼らない治療(ドロップレス)」のプラットフォームを広げる方針を示していますが、具体的な開発計画や時期は、今回の発表では詳しく語られていません。
営業利益は、GAAP(会計基準)ベースではまだ80万ドルとわずかです。販売費が前年から58%増の1億3090万ドルになっているように、販売網の拡大に費用をかけています。売上が伸びれば利益率も改善していく、というのがシナリオです。
株価の展望:強気材料と弱気材料
【強気材料】
①売上の伸びが速く、年間見通しの引き上げ幅が大きいこと(中央値で約9000万ドル上積み)。
②粗利益率が85%を超え、売上が増えるほど利益が出やすい構造であること。
③2027年に売上10億ドルという大きな目標があり、アナリストの目標株価も引き上げられていること。
【弱気材料】
①1日で約33%上昇したため、期待がすでに大きく織り込まれている可能性があります。
②GAAPの利益はまだ小さく、販売費の増加も続いています。黒字が定着するかはこれから確認が必要です。
③2027年の10億ドルは「ごく暫定的な目標」であり、達成が保証されたものではありません。医療の分野は競合や規制の影響も受けます。
個人的には、売上と利益の両方が予想を上回った点は非常に力強いと見ています。ただ、1日で3割も上がった直後は値動きも荒くなりやすいため、飛びつくのではなく、次の決算で利益率の改善が続くかを確認してからでも遅くないと思います。
まとめ
グラウコスは、緑内障と角膜の治療で急成長している眼科医療会社です。7〜9月期は売上が前年比+58%の2億1100万ドルとなり、初の純利益も確認されました。10月29日の株価は約33%上昇し、約240ドル台で取引を終えました。
成長への期待はとても大きい一方で、すでに高い期待が株価に反映されている面もあります。引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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