どうも、ひろきちです。
今回はテスラ(TSLA)が2026年7月22日(日本時間23日)に発表した2026年第2四半期(4〜6月期)決算をまとめます。売上高は過去最高を更新した一方で、決算発表後に株価は14%を超える急落となりました。何が好調で、何が嫌気されたのか、そして今後のロボタクシーやオプティマスの動向まで、数字を中心にわかりやすく整理していきます。
売上高は過去最高の282億ドル!納車台数も25%増と絶好調
まず良かった点からです。2026年Q2の売上高は282億ドル(約4兆6,000億円)で、前年同期比26%増となり、四半期として過去最高を記録しました。市場予想(約264億ドル)も18億ドルほど上回る好結果でした。

上のグラフの通り、売上高は前年同期の224億ドルから282億ドルへと大きく伸びています。
好調の一番の要因は納車台数です。Q2の納車台数は480,126台で、前年同期比25%増、市場予想を約74,000台も上回りました。これはテスラの歴代Q2で最高の納車実績であり、しかも2年ぶりのプラス成長という点も注目です。生産台数も45万台を超え、エネルギー貯蔵システム(蓄電池)の導入量は13.5GWhに達しました。日本を含む11の市場で、四半期として過去最高の納車台数を記録しています。
なのに営業利益は57%減…なぜ稼げなかったのか
一方で、利益面は市場予想を大きく下回りました。GAAPベースの営業利益は前年同期比57%減の3億9,800万ドルで、営業利益率は1.4%(前年比-3ポイント)まで落ち込みました。GAAPベースの純利益は前年同期比5%減の11億1,000万ドル(EPS0.32ドル)でした。

市場が特に注目する調整後EPS(非GAAPベースの1株あたり利益、税金や特殊要因を除いた収益力を表す指標)は0.33ドルで、市場予想の0.53ドルを大きく下回り、前年同期比でも18%の減益でした。自動車事業の粗利益率は16.9%(規制クレジット(環境規制をクリアした他社に売却できる排出枠のようなもの)を除くと16.3%)で、この規制クレジットによる収入も1億4,600万ドルと、前年同期の4億3,900万ドルから大きく減っています。
背景にあるのは、AI・ロボタクシー・新型車プロジェクトへの先行投資です。研究開発費は前年同期比49%増の23億7,100万ドルに達しており、これが利益を押し下げる大きな要因になっています。
設備投資は前年同期比142%増、フリーキャッシュフローは赤字転落
投資の規模感がよくわかるのが設備投資(CapEx、工場や設備への投資額)の数字です。

Q2の設備投資は58億ドルで、前年同期の24億ドルから142%も増加しました。この結果、フリーキャッシュフロー(本業で稼いだお金から設備投資などを差し引いた、実際に自由に使えるお金)は11億ドルの赤字となり、2年以上ぶりのマイナス転落となりました。CFO(最高財務責任者)のヴァイバブ・タネジャ氏は決算説明会で「今年の設備投資額は250億ドル以上になると引き続き予想しており、2026年後半にはさらに増加する見通しだ」と述べています。つまり、この投資フェーズはまだ序盤ということになります。
サイバーキャブ量産開始とロボタクシー7都市展開
こうした投資の中身も見ておきましょう。今回の決算で特に強調されたのが、サイバーキャブ(テスラの自動運転専用車)とロボタクシー事業です。ギガファクトリー・テキサスでサイバーキャブの量産が始まり、ロボタクシーはアメリカの7都市に展開が拡大しました。イーロン・マスクCEOは決算説明会で、走行マイル数が週10%を超えるペースで急速に拡大していくとの見通しを示し、今後さらに新しい都市への展開も進める方針です。
オプティマスはこれから量産スタート、道のりは長い
もうひとつの柱が人型ロボット「オプティマス」です。決算資料によると、テスラは第一世代の生産ラインの設置を進めており、「まもなく生産を開始する」段階にあります。ただし、当初生産されるロボットは顧客向けに販売されるのではなく、社内での学習データの収集や機能開発のために使われる予定です。マスク氏は「オプティマスは、テスラがこれまで作った中で最も量産が難しい製品になるだろう。ロボットのあらゆる部分が新しく、既存のサプライチェーンが存在しないからだ」と述べており、量産までの道のりはまだ長いことをうかがわせます。
株価はなぜ14%も急落したのか、今後の3つの注目ポイント
決算発表を受けて、テスラの株価は時間外取引で下落した後、翌7月23日の取引で14.56%安の319.69ドルまで急落し、約3カ月ぶりの安値となりました。売上高・納車台数という「稼ぐ力」は過去最高だったにもかかわらず、これだけ株価が売られた理由は主に4つです。調整後EPSの大幅な予想割れ、自動車事業の粗利益率の伸び悩み、フリーキャッシュフローの赤字転落、そしてAI・ロボタクシー・オプティマスへの投資がいつ回収できるのかという投資家の不透明感です。
ここからの動向として、ひろきちが注目しているポイントは次の3つです。
①設備投資の拡大ペース:CFOは通期で250億ドル超のCapExを見込んでおり、2026年後半はさらに増える見通しです。利益率への下押し圧力がしばらく続く可能性があります。
②ロボタクシーの拡大スピード:週10%超という走行マイル数の伸びが実際に続くか、そして展開都市が増えるほど収益にどうつながっていくかが焦点です。
③オプティマスの量産開始:「これまでで最も難しい量産」とマスク氏自身が語る通り、生産ラインの立ち上げが計画通り進むかが今後数四半期の重要な観察ポイントになります。
イーロン・マスク氏のSpaceXやxAIを含めたより大きな戦略については、以前の記事「イーロン・マスク、次の一手は?時価総額2兆ドルのSpaceX×xAIとテスラ決算から読む2026年後半の動向」でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
短期的な株価の変動に一喜一憂するより、AI・ロボタクシー・オプティマスという投資テーマが実際に収益化していくかを、今後の決算でじっくり確認していきたいと思います。引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
English version is here → Tesla Q2 2026 Earnings (English)
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
(出典:Tesla Investor Relations、Electrek、Bloomberg、TradingKey ほか各社決算発表資料・報道をもとに作成)
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