【銘柄分析】Amazon(AMZN)は買い時?株価235ドルと過去最高益決算、AI投資2,200億ドル増額の狙いを解説

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

2026年7月30日、Amazon(アマゾン)が発表した2026年4-6月期(第2四半期)決算が大きな話題になっています。売上高は四半期として初めて2,000億ドルを突破し、決算発表後の時間外取引で株価は一時9%超も急伸しました。一方でAI関連の設備投資(capex)を年間2,200億ドルまで引き上げるとも発表しており、「稼ぐ力は本物だが、投資しすぎでは?」という声も出ています。今回は【銘柄分析】シリーズとして、Amazonの株価・業績・今後の経営方針を整理し、ひろきちなりの見方をお伝えします。

どんな会社?

Amazonは1994年創業のアメリカの巨大企業で、事業は大きく3つのセグメントに分かれます。ひとつは日本でもおなじみの北米のオンラインストア事業、ふたつめが北米以外の国での「国際」事業、そして3つめが法人向けクラウドサービスのAWS(Amazon Web Services)です。加えて、通販サイト上の広告事業(Amazon Ads)も急成長しており、2026年4-6月期の広告収入は前年同期比26%増の約200億ドルに達しました。

下の図は2026年4-6月期の売上構成比です。金額ではまだ北米のオンラインストア事業が過半を占めますが、利益面ではAWSの存在感が圧倒的です。AWSの営業利益率は約4割に達しており、Amazon全体の営業利益の6割前後をAWSが稼ぎ出しています。
Amazon 2026年4-6月期 セグメント別売上構成比(北米・国際・AWS)

この図から分かる通り、Amazonは「薄利多売の通販会社」から「クラウドと広告で稼ぐ高収益企業」へと姿を変えつつあります。

株価と投資指標

まずは株価を数字で押さえておきましょう。

指標数値
株価(2026年7月30日終値)235.50ドル
決算発表後の時間外取引257.35ドル(+9.28%)
52週レンジ196.00ドル〜278.56ドル
時価総額約2兆5,300億ドル
PER(実績)約28.2倍
PER(予想)約26.3倍
PBR約5倍台
配当なし(無配)

PER(株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを示す指標)は実績で28倍前後。2026年に入ってからは1株278.56ドルの最高値をつける場面もありましたが、その後はAI投資への懸念からいったん調整し、196.00ドルまで売られる場面もありました。今回の決算を受けて株価は急反発しており、方向感が定まりにくい展開が続いています。なお、Amazonは創業以来、配当を出していません。稼いだ利益はすべて事業への再投資に回す方針です。

参考までに、2026年7月31日時点のドル円レートは1ドル=159円台です。仮に株価235.50ドルを円換算すると、1株あたり約3万7,600円という計算になります(為替レートは日々変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。

業績チェック

次に業績の推移を見てみましょう。
Amazonの業績推移(売上高・営業利益、FY2022〜FY2025)

2022年12月期に落ち込んだ営業利益は、2023年12月期以降V字回復し、2025年12月期には800億ドル(前年比17%増、営業利益率11.2%)まで拡大しました。売上高も右肩上がりで、2025年12月期は7,169億ドルに達しています。

そして最新の2026年4-6月期(第2四半期)は、この勢いにさらに弾みがついた内容でした。売上高は前年同期比20%増の2,006億ドルとなり、四半期として初めて2,000億ドルの大台を突破。営業利益は同43%増の275億ドルでした。最終利益(純利益)は626億ドルと4四半期連続で過去最高を更新しましたが、これはAI企業Anthropicへの出資評価益など534億ドルの非事業性の利益を含んだ数字である点には注意が必要です。1株あたり利益(EPS)は5.75ドルで、市場予想の1.82ドルを大きく上回りました。

けん引役はやはりAWSです。売上高は前年同期比37%増の422億ドルとなり、この伸び率は実に18四半期ぶりの高さでした。営業利益も166億ドルと前年の102億ドルから大きく拡大し、AWSの受注残高(バックログ)は4,960億ドルに積み上がっています。生成AIブームによるクラウド需要の強さが、数字にはっきり表れた決算だったと言えます。

(出典:Amazon.com, Inc. 2026年第2四半期決算発表資料

今後の経営方針

Amazonは2026年の設備投資(capex)を当初計画の2,000億ドルから2,200億ドルへ引き上げました。理由はメモリー半導体の価格高騰で、その大半はAWSのデータセンター増強に充てられます。CEOのアンディ・ジャシー氏は決算説明会で「この金額を投じても、2026年の需要すべてには対応しきれない。この状況は2027年も続くだろう」と述べており、AI向けの計算資源不足がそれだけ深刻だということが伝わってきます。ジャシー氏はまた、AWSが将来的に「1兆ドル規模のビジネス」になり得るとの見方も示しました。

一方で、この巨額投資の裏側で、Amazonのフリーキャッシュフロー(営業活動で得た現金から設備投資などを差し引いた手元資金)は直近でマイナスに転じています。稼いだ利益をそれ以上のペースで将来への投資に回している状態で、投資家の間でも評価が分かれるポイントです。

このほか、自動運転タクシー事業のZoox(ズークス)が連邦当局から新たな認可を取得するなど、次の成長の芽も着実に育っています。広告事業も四半期売上200億ドル規模に成長しており、Amazonは「通販+クラウド+広告」の3本柱で稼ぐ企業へと進化を続けています。

株価の展望:強気材料と弱気材料

最後に、今後の株価を考えるうえでの材料を整理します。

強気材料としては、①AWSが18四半期ぶりの高成長率を記録し、AI需要による受注残高も4,960億ドルまで積み上がっていること、②広告事業が前年比26%増と高い成長率を保ち、利益率の高い収益源に育っていること、③BofA証券やBMOキャピタルなど主要アナリストが決算後に目標株価を引き上げ、市場予想の平均株価目標は313ドル前後と、現在の株価から3割以上の上値余地を示していること、が挙げられます。

一方で弱気材料としては、①設備投資が2,200億ドルまで膨らみ、フリーキャッシュフローがマイナスに転じていること、②メモリー半導体などのコスト高が今後も収益を圧迫しかねないこと、③マイクロソフトのAzureやGoogleのGoogle Cloudとの競争が今後も激化していくこと、が懸念材料です。あるアナリストは「設備投資の引き上げは、他のハイテク大手の株価がそうだったように、Amazon株にも売り圧力につながりかねない」と指摘しています。

個人的には、AWSと広告という利益率の高い事業が伸びている点はポジティブに見ていますが、AI投資の規模がここまで大きくなると、投資回収のペースを見極めながら株価は上下に振れやすい展開が続くと思います。短期的な値動きに一喜一憂せず、AWSの成長率や広告事業の伸びといった「稼ぐ力」の推移を四半期ごとに確認していくのがよいのではないでしょうか。

まとめ

Amazonの2026年4-6月期決算は、売上高が初めて2,000億ドルを超え、AWSも18四半期ぶりの高成長という、文句なしの好決算でした。一方でAI関連の設備投資は年2,200億ドルまで膨らんでおり、稼ぐ力と投資負担のバランスをどう評価するかが今後のポイントになりそうです。

前回の銘柄分析:【銘柄分析】Alphabet(GOOGL)は買い時?株価347ドル、GeminiとNotebookLMの進化をライバル比較で解説

関連記事:【比較解説】VYM・VOO・VTIの違いとは?人気米国ETF3銘柄を徹底比較【2026年版】

English version is here → [Stock Analysis] Amazon (AMZN): Is It Still a Buy at $235? Record Earnings and a $220B AI Bet

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

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