【教訓】水谷隼さんの投資失敗から学ぶ、一般人こそ「長期投資」を選ぶべき理由

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

今回は、元卓球金メダリストの水谷隼さんが公開している投資の失敗談をもとに、なぜ一般の会社員や主婦・主夫にとって短期売買より長期投資の方が向いているのか、一緒に考えてみたいと思います。

水谷隼さんは9年間で8年連続マイナス、投資元本は約2億円

水谷隼さんは東京オリンピック卓球混合ダブルス金メダリストで、現在はタレント・投資家として活動しています。
BSテレ東の番組「マネーのまなび」(2026年6月1日放送)に出演した際、自身を「逆億り人」と称し、次のように語りました(出典:テレビ東京プラス)。

「お金は好きですよ。株もFXもやっています。
現役時代から始めて、今年でちょうど9年目。
1銘柄で1億円は余裕で負けています」「入れてる金額は全部合わせると2億くらい」

さらに衝撃的なのは、この9年間で年間を通してプラスになったことが一度もなく、8年連続でマイナスだという点です。
資産の半分はFX投資に回しているそうで、「ちょっとでも利益が出ると、その利益が出た分を投資してしまい、底が崩れてやられてしまう」と本人も認めています。

2024年の年間損失は「都内で家が買えるくらい」(出典:山陽新聞デジタル)、2025年はYouTube番組「新R25チャンネル」に出演した際、「今年投資をしていなかったら、一番良いレクサスLSが買えていた」「今は家とLS分くらいトータルで負けている」と明かしています。

10分の隙間時間で1500万円が消えた「なんとなく投資」

番組で紹介されたエピソードが象徴的です。ある日の午後、仕事終わりにできた10分の隙間時間で、水谷さんはその日10%ほど急騰していた銘柄を見つけ、「これは明日も上がるだろう」という安易な予測だけで1億円の買い注文を入れました。
しかし翌日、その銘柄はほぼストップ安まで急落し、1日で1500万円の資産が消えたといいます(出典:テレビ東京プラス)。

2026年6月15日にも、X(旧Twitter)でキオクシア・古河電工・ソフトバンクグループの3銘柄を「先週買った日に大暴落して損切りしたから当然持ってない」と投稿したところ、その3銘柄が公開当日に軒並み急騰していたことが分かり、ネット上で話題になりました(出典:livedoorニュース)。
過去には「マイナス1037万5669円」という決済損益のスクリーンショットを投稿したこともあります。

番組MCのパックンさんは「なんとなく投資は危険」と視聴者に警鐘を鳴らし、プロ投資家のDUKE.さんも「なんとなく買うというのは、準備段階から負けている」と指摘しています。
四六時中スマホで値動きを追い、マネージャーが「話しかけるタイミングを気にする」というほど相場に張り付く生活を送っていることも番組で明かされました。

「損切り→急騰」は水谷さんだけの不運ではない

損切りした直後に株価が急騰する。
これを「自分だけ運が悪い」と感じる投資家は多いのですが、行動経済学的にはある程度説明がつく現象です。

水谷さんの「利益が出るとすぐ投資してしまい底が崩れる」という発言は、利益を「もともと自分のものではないお金」のように感じて普段より大きなリスクを取ってしまう「ハウスマネー効果」に近いパターンだと思います。
また、株価が大きく下落する局面では、損失に対する心理的な苦痛が限界に達した投資家が一斉に売りに出やすく(プロスペクト理論でいう損失回避バイアス)、その売り圧力が一巡したタイミングが結果的に「底」に近くなりやすいと考えられています。

つまり「なんとなく買って、なんとなく損切りする」短期売買は、感情の波にそのまま売買タイミングを支配されてしまう危険と隣り合わせだということです。
プロの投資家でさえ苦労するタイミング読みを、片手間の短期売買で当て続けるのは、相当な胆力と経験がなければ難しいとひろきちは感じます。

一般人にこそ「長期投資」が向いている理由

水谷さんは知名度と収入があるからこそ大きな損失を出しても投資を続けられていますが、多くの会社員や主婦・主夫にとって、同じスタイルを真似するのはリスクが大きすぎます。
ひろきちが考える、一般人にこそ長期投資が向いている理由は次の3つです。

①感情に売買を左右されにくい仕組みにできる。新NISAのつみたて投資枠のように、毎月決まった金額を自動で買い付ける「積立投資」なら、値動きに一喜一憂して「なんとなく」売買してしまうリスクそのものを減らせます。

②時間を味方にするほど値動きの振れ幅が小さくなる。金融庁が公表しているデータによると、国内外の株式・債券に分散して積立投資をした場合、保有期間5年では年率マイナス8%〜プラス14%と大きく振れるのに対し、保有期間20年では年率2%〜8%の範囲に収れんしています(出典:金融庁)。

保有期間による年率収益率の違い(金融庁データ)

このグラフからも分かるとおり、保有期間が長くなるほど収益率の振れ幅は小さくなり、元本割れのリスクも下がる傾向にあります。
短期売買では「今日の10分」の判断が資産を大きく左右しますが、長期投資では日々の値動きに一喜一憂する必要がそもそもありません。

③相場に張り付かなくても本業や生活に集中できる。水谷さんのように「今話しているこの10分で、300万円負けている」と気にしながら仕事をするのは、一般人にとって現実的ではありません。
長期投資であれば、一度仕組みを作ってしまえば、あとは基本的にほったらかしで大丈夫です。

なお、世界最大級の年金基金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、短期的な値動きを追いかけるのではなく、国内外の株式・債券に分散した長期運用を基本方針としています。
詳しくは以前書いたGPIFの運用はどう変わった?安倍政権の大改革から2026年”国内回帰”論までもあわせてどうぞ。

今後、意識しておきたいポイント

水谷さんの失敗談から、一般人が投資と付き合う上で意識しておきたいポイントを整理すると、次の3点にまとめられると思います。

①「なんとなく買う・なんとなく売る」をやめ、買う理由と売る基準を先に決めておく
②短期の値動きを毎日追いかけるより、積立の仕組みを作って距離を置く
③損失回避バイアスやハウスマネー効果のような、誰にでもある心理のクセを知っておく

水谷さんの投稿は損失額のインパクトばかりが話題になりますが、失敗を包み隠さず公開する姿勢そのものは学びが多いと感じます。
一般人がそのまま真似るべきはスタイルではなく、そこから見えてくる「感情に流されると人は同じ失敗を繰り返す」という教訓の部分だと、ひろきちは思います。

投資信託の基本からおさらいしたい方は、投資信託とは何ぞやを解説も参考にしてみてください。

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

English version is here → [Lesson] What Jun Mizutani’s Investing Failures Teach Us: Why Long-Term Investing Suits Ordinary People Better

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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