【銘柄分析】シライ電子工業(6658)の今後は?営業利益を約2.1倍に上方修正・配当28円の株価インパクトを解説

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

10月20日の日本株市場は、日経平均が前日比841円安の6万4075円と大きく下がる荒れた一日でした。そんな中、小型株のシライ電子工業(6658)が前場から買い気配になり、目を引きました。前日の10月19日に、今期の業績予想の大幅な引き上げと増配、そして赤字事業からの撤退を同時に発表したからです。

今回は「何が良くて、何がまだ弱いのか」を、初心者の方にも分かるように整理します。

シライ電子工業はどんな会社?プリント配線板が主力

シライ電子工業は、プリント配線板を主力とする電子部品メーカーです。プリント配線板とは、電子部品をのせて電気の通り道をつくる緑色などの板のことで、家電やさまざまな電子機器の中に入っています。

2026年3月期は、ホームアプライアンス(家電)向けが好調でした。一方で、原材料やエネルギーの値上がりが利益を圧迫しました。売上高は約291億円、営業利益は約20億円です。時価総額は約65億円(検索時点の掲載値)と小さく、東証スタンダード市場の小型株になります。

【画像:業績推移グラフ(s_perf.png)をここに挿入】

上のグラフを見ると、売上高は290億円前後で横ばいが続く一方、営業利益は2023年3月期の28億円をピークに少しずつ下がっています。「売上は変わらないのに利益が痩せている」のが、これまでの課題でした。(出典:決算短信、IRBANKの集計)

株価と投資指標:10/19終値442円、10/20は買い気配

10月19日の終値は442円(前日比5円安)でした。直近の10営業日は441円から462円の狭い範囲で動いており、ほとんど動きのない銘柄でした。年初来の高値は2月27日の845円、安値は6月11日の415円です。

10月20日は前場(10時35分時点)で買い気配となり、取引が成立しないまま買い注文が優勢という状態でした。なお、夜間取引(PTS)では19日の晩に522円の値がついていましたが、出来高が少なく、あくまで参考値です。20日の終値はこの記事の執筆時点で確認できていないため、最新の値は証券会社などでご確認ください。

【画像:終値推移グラフ(s_line.png)をここに挿入】

グラフのとおり、発表前は442円前後で静かに推移していました。つまり、今回の材料が出るまで、市場はほとんど期待していなかったことが分かります。

投資指標も確認しておきます。

・予想PER:約10.8倍(修正前の会社予想ベース。PERは株価が1株利益の何倍かを示す割安さの目安)
・PBR:約0.6倍(10/19終値442円÷2026年3月期末の1株純資産731円、ひろきち試算。PBRは株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標で、1倍を下回ると資産価値より安く売られている状態を指します)
・配当利回り:約6.3%(今期の予想配当28円÷442円、ひろきち試算)

何が発表された?営業利益は約2.1倍、配当は28円へ

10月19日に発表された、2027年3月期(今期)の業績予想の修正内容は次のとおりです。(出典:同社の発表、IRニュース)

・売上高:290億円→320億円
・営業利益:8.5億円→18億円(約2.1倍)
・経常利益:8億円→16億円
・純利益:6億円→10億円
・期末配当:20円→28円(年間配当も28円に)

【画像:予想修正の比較グラフ(s_cmp.png)をここに挿入】

修正の理由は主に2つです。1つは販売価格の改定が進んだこと、もう1つは世界規模でまとめて買う「グローバル購買」で調達コストの上昇を抑えられたことです。もともと見込んでいた利益率の低下を、ある程度おさえられる見通しになりました。

ここで大事な注意点があります。修正後でも、営業利益18億円は前期(20.3億円)より約11%少ない水準です。つまり「減益幅が小さくなった」のであって、「増益に転じた」わけではありません。配当28円も、前期の35円より少ない金額です。ここを見落とすと、期待が先走ってしまいます。

今後の経営方針:SPET事業から撤退、本業に集中

同時に、SPET事業からの撤退も発表されました。SPETは、熱に強く透明なフレキシブル基板(曲げられる基板)で、アンテナやヒーター、ディスプレイなどでの採用を想定していた事業です。

ところが販売量が想定を大きく下回り、2026年3月期は売上高3,900万円に対して営業損失2,900万円と、3期連続の赤字でした。2026年12月末に受注を止め、2027年3月末に製造を終える予定です。会社は業績への影響を「軽微」と説明しています。

金額としては小さいものの、赤字が続く事業を見切って、主力のプリント配線板に集中する姿勢がはっきりしました。小さな会社にとっては、こうした整理は大切な一歩だと思います。

株価の展望:強気材料と弱気材料

まず強気材料です。

(1)営業利益予想が約2.1倍になり、会社が見通しを自ら引き上げた。値上げの浸透という、前向きな理由がある。
(2)増配で配当予想が28円になり、10/19終値ベースでは利回りが6%を超える。
(3)PBRが約0.6倍と、資産に比べて低く評価されている状態だった。赤字事業の整理も評価されやすい。

次に弱気材料です。

(1)修正後も営業利益は前期比で約11%の減益見込みで、利益の水準そのものは戻っていない。
(2)資源・エネルギー価格の高騰、原材料やOEM製品の供給制約、納期の長期化は、会社自身が引き続き懸念材料としている。
(3)時価総額が小さく、出来高も少ない銘柄。売買が薄いため、上がるときも下がるときも値が飛びやすい。

ひろきちの見解です。今回の発表は、悪い数字が少し良くなったという内容で、長く続いた「期待されていない状態」には確かに追い風だと思います。ただ、1日の値動きだけで判断せず、次の決算発表で、値上げの効果が数字にしっかり出ているかを確認したいところです。小型株で値が飛びやすいので、買うとしても、無理のない金額で慎重に考えるのがよさそうです。個人的には、短期の値動きよりも「利益が安定して戻ってくるか」を見ていきたいと思っています。

まとめ:減益幅の縮小と整理を、どう評価するか

・10/19に今期の営業利益予想を8.5億円から18億円へ、年間配当を28円へ引き上げた。
・赤字のSPET事業から撤退し、主力のプリント配線板に集中する。
・ただし修正後でも営業利益は前期比で約11%減。増益ではない。
・PBR約0.6倍と割安感はあるが、小型株で値動きが荒くなりやすい点に注意。

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。(株価・数値は2026年10月20日時点で確認できた情報に基づきます。出典:シライ電子工業の決算短信・適時開示、フィスコ配信記事、Yahoo!ファイナンス)

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