どうも、ひろきちです。
今回は2026年9月23日(水)の米国市場を振り返ります。
主要3指数はそろって下落し、NYダウは352ドル安で3日続落。長期金利の急上昇が重荷になった一方で、個別銘柄では量子コンピューティングや半導体メモリ関連が急伸するなど、明暗がくっきり分かれた一日でした。
3指数の動き:長期金利上昇で3指数そろって下落
まずは主要3指数の終値からです(出典:CNBC、TheStreet)。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 51,511.59 | -352.10 | -0.68% |
| S&P500 | 7,706.03 | -58ドル前後 | -0.75% |
| ナスダック総合 | 26,936.04 | -310ポイント前後 | -1.13% |
この表から分かる通り、下げ幅はナスダックが一番大きく、ハイテク株に売りが集まったことがうかがえます。S&P500の点数差は騰落率から逆算した概算値なので、その点はご了承ください。小型株の指数であるラッセル2000は-1.60%と、大型株よりも大きく下げました。前日の火曜日(9月22日)はナスダックが史上最高値(27,244)を更新するなど強い相場でしたが、一転して3日続落となった格好です。
相場を動かした材料:強すぎるPMIと長期金利5.1%超え
この日の主役は「金利」でした。米国の9月PMI(購買担当者景気指数、企業の景況感を示す指標)速報値が軒並み市場予想を大きく上回りました(出典:フィスコ)。
・製造業PMI:57.0(予想53.7、8月53.9)
・サービス業PMI:58.7(予想55.8)
・総合PMI:58.4(予想55.3、5年超ぶりの高水準)
好景気を示すデータのはずが、株式市場では「これだけ景気が強いなら、FRB(米連邦準備制度理事会)は利下げを急がず、むしろ追加の利上げも選択肢に入るのでは」という警戒感につながりました。実際、FRBのバー理事が追加利上げの必要性に言及したと伝わったほか、5年債入札の需要が振るわなかったこともあり、長期金利が軒並み急上昇。10年債利回りは5.135%まで上昇し、2007年7月以来の高水準となりました(出典:CNBC)。5年債利回りも一時5%を突破し、こちらも2007年以来初めてのことです(出典:TheStreet)。金利が急に上がると、将来の利益をお金の価値に換算する際の割引率が上がるため、特にハイテク株のような「将来の成長期待」で買われている銘柄が売られやすくなります。この日ナスダックの下げが目立ったのは、この理屈が働いたためだと考えられます。
金利上昇はドル買いにもつながり、ドル円は157円76銭から158円40銭まで上昇して引けました(出典:フィスコ)。円安が一段と進んだ形で、日本の輸出関連株やドル建て資産を持つ投資家にとっては見逃せない動きです。
話題になった銘柄:量子コンピューティングと半導体メモリが急伸
指数全体は軟調でしたが、個別銘柄では材料株がにぎわいました。5社をピックアップします。
IonQ(IONQ):量子コンピューティングの技術的ブレイクスルーで急伸
量子コンピューティング企業のIonQは前日比+4.79%の42.70ドルで終えました(終値ベース、出典:複数の米メディア報道)。同社は「リアルタイム量子誤り訂正デコーダー」という技術の実証実験に成功したと発表。従来は誤り訂正の計算負荷が大きすぎてボトルネックになっていましたが、汎用の1個のプロセッサーだけでこの処理を継続的にこなせることを示した点が評価されました。さらに、同社の量子システムがエヌビディアの量子研究施設に設置されるとの報道も好材料となりました。なお肝心のエヌビディア(NVDA)自体は225.51ドル(前日比-0.82%)とわずかに下落しており、市場全体の地合いの悪さの中でも提携先の話題性だけで個別に買われた形です。株価は寄り付き前に一時11%超上昇する場面もありましたが、終値にかけて上げ幅を縮めました。
Micron Technology(MU):メモリ不足懸念が追い風に
半導体メモリ大手のマイクロン・テクノロジーは前日比+5.00%の1,096.16ドルで終えました。きっかけは、競合インテルのタン最高経営責任者(CEO)が「メモリ価格がここまでに500%超上昇した」と発言し、AI需要による半導体メモリの供給不足が来年も続く可能性を示唆したことです。調査会社トレンドフォースによれば、サーバー向けDRAM(記憶用半導体)の契約価格は2025年後半に64%上昇し、2026年にはさらに上昇が続くとの見方も出ています。マイクロンは9月30日に決算発表を控えており、好需給を背景にした期待買いが先行した格好です。
Cracker Barrel(CBRL):決算の大幅上振れで買われる
レストランチェーンのクラッカー・バレルは決算発表を受けて急伸し、終値ベースで前日比5%台半ばの上昇となりました。市場予想の1株利益(アナリスト予想は1株10セント程度)に対し、実際は1株99セントと大幅に上振れ。売上高も市場予想を上回る8億4930万ドルとなりました。UBSはこの結果を受けて目標株価を37ドルから46ドルに引き上げ、経営再建の進捗を評価するコメントを出しています。
AppLovin(APP):アナリストの弱気メモで急落
広告テクノロジー企業のアップラビンは前日比-6.18%の314ドル前後まで下落しました。調査会社エッジウォーター・リサーチのアナリストが「同社の広告プラットフォーム『MAX』の市場シェア拡大がほぼ天井に達しつつある」と警告するリポートを出したことが直接の引き金です。同日には、AIモデルの表示について不正確な説明があったとして証券訴訟が新たに提起されたとの報道も重なり、売りに拍車をかけました。好調が続いてきた銘柄だけに、成長鈍化への警戒がより強く意識された値動きだったと言えそうです。
ディズニー(DIS):値上げ発表も終値は小幅安
ウォルト・ディズニーは、傘下の動画配信サービス「ディズニープラス」と「Hulu」の月額料金を最大13%値上げすると発表しました(主要プランは18.99ドルから21.49ドルへ)。朝方はこのニュースを受けて株価が一時プラス圏まで上昇する場面がありましたが、市場全体の地合いの悪さもあって上げ幅を維持できず、終値は103.86ドル(前日比-0.36%)とわずかながらマイナスで終えました。値上げは今回で6年連続となり、値上げそのものより「どこまで顧客が離れずについてくるか」に投資家の関心が向いた一日でした。
セクター別・ETFの動き:エネルギーだけがプラス
S&P500の11セクターのうち、この日プラスで終えたのはエネルギーセクター(+0.89%)のみでした(出典:TheStreet)。リビアの油田がパイプラインの弁閉鎖によって供給停止に追い込まれたとの報道で原油の需給引き締まり観測が強まり、エネルギー株の支えとなりました。逆に下落率が大きかったのは公益事業と一般消費財セクターで、いずれも1%超の下落となっています(出典:CNBC)。この表から、金利上昇局面では配当利回り目的で買われやすい公益株が特に売られやすいことが読み取れます。
日本の個人投資家に人気のETFで見ると、S&P500に連動するVOOやナスダック100に連動するQQQは指数と同水準の下落になったとみられます。一方、エネルギー株の比率が比較的高いSPYD・HDV・VYMのような高配当ETFは、エネルギーセクターの上昇が相対的な下支えになった可能性がありますが、この日個別の騰落率までは確認が取れていないため、ここでは方向感のみお伝えします。
今日の日本株・注目点
米国株安と長期金利上昇を受けて、24日の東京市場は反落含みのスタートが予想されています。前日終値6万6422円から、下値のめどとして6万5400円程度が意識されるとの見方が出ています(出典:時事通信)。中東情勢(米国とイランを巡る協議の行方)への警戒も引き続き重荷になりそうです。
① 米国の長期金利上昇と円安進行(158円台)を受け、輸出関連株にはプラス、内需・金利敏感株にはマイナスに働きやすい地合いが続きそうです。
② 半導体メモリの需給ひっ迫を背景にしたマイクロンの急伸を受け、東京市場でもキオクシアHDなど関連銘柄の動きに注目が集まりそうです。
③ 米国と中国の首脳会談(習近平国家主席の訪米)を控えており、米中関係を巡るヘッドラインにも振らされやすい一日になりそうです。
今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
English version is here → https://hirokichiiii.com/投資のいろは/us-market-2026-09-23-en/
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