どうも、ひろきちです。
10月20日の日本株市場は、日経平均が前日比841円安の6万4075円と大きく下がりました。そんな中で、日本製鉄(5401)は逆行して続伸しました。前日終値650.9円に対し、午前中には670.2円(前日比+19.3円、+2.96%)まで買われ、午後2時すぎにも665円台(+14.4円)で推移していました。
なぜ、市場全体が弱い日に日本製鉄が買われたのでしょうか。今回は、続伸の理由と、買収したUSスチールの現状、今後の株価の見方を整理します。
日本製鉄はどんな会社?国内最大手の鉄鋼メーカー
日本製鉄は、日本最大の鉄鋼メーカーです。自動車の車体に使う鋼板、建物や橋に使う鋼材など、私たちの生活を支える鉄をつくっています。
大きな転機は2025年6月、米国の鉄鋼大手USスチールを買収したことです。これで、日本だけでなく米国でも鉄をつくる会社になりました。2026年3月期の売上収益(売上高にあたるもの)は、このUSスチールが連結に加わったことで、前期比15.7%増の10兆632億円と過去最高になりました。(出典:決算短信、2026年5月13日発表)
株価と投資指標:10/19終値650.9円、逆風の中で続伸
10月19日の終値は650.9円でした。直近10営業日は629円から651円のあいだで動いており、約640円前後を行き来していました。
【画像:終値推移グラフ(n_line.png)をここに挿入】
グラフのとおり、10月上旬は630円台まで下がる場面もありましたが、中旬にかけて650円付近に戻していました。20日はそこから一段高い660円台に乗せた形です。なお、20日の終値は執筆時点で確認できていないため、最新の値は証券会社のページなどでご確認ください。
投資指標(日本経済新聞、10/19時点)は、PERが19.44倍、会社予想ベースのPERが16.60倍です。PERは株価が1株利益の何倍かを示す割安さの目安で、数字が小さいほど割安とされます。
業績チェック:最終利益は171億円から2,900億円の見通しへ
2026年3月期の業績は、売上収益こそ過去最高でしたが、利益は厳しい結果でした。事業利益(本業の儲けを示す利益)は5,141億円、親会社株主に帰属する最終利益は171億円と、前期より95.1%減りました。ただし会社の当初予想は700億円の赤字だったため、赤字は避けた形です。(出典:決算短信、日本経済新聞)
そして今期(2027年3月期)です。当初の会社予想は、売上収益11兆円、事業利益5,300億円、最終利益2,200億円でした。その後、8月4日の第1四半期決算で、最終利益の予想が2,200億円から2,900億円へと31.8%引き上げられました。4〜6月期の最終損益は752億円の黒字で、前年同期の1,958億円の赤字から回復しています。(出典:株探、2026年8月4日)
【画像:最終利益の推移グラフ(n_trend.png)をここに挿入】
前期の171億円から、今期は2,900億円の見通しです。大きな回復を見込んでいることが、このグラフから読み取れます。ただし、これは会社の予想であり、実際にそうなるかは今後の決算で確かめる必要があります。
今後の経営方針:USスチールの立て直しと大型投資
会社が今、力を入れているのは、USスチールの立て直しです。日経新聞によると、今期のUSスチールの利益貢献は1,000億円を見込んでいます。実力ベースの事業利益は、前期の56億円の赤字から1,000億円へ改善する計画で、このうち400億円は日本製鉄が主導するコスト改善によるものです。買収後は約100人の技術者を米国に派遣し、操業や品質の改善を進めています。(出典:日本経済新聞、2026年5月)
投資も続きます。米政権に対し、2028年までにUSスチールへ総額約110億ドルを投じると約束しており、電炉向けの鉄鋼原料設備にはすでに19億ドルを投じました。ただし、今井正社長は設備投資の効果が出るのは2〜3年後との見方を示しています。また、2027年4月には山陽特殊製鋼を吸収合併し、一体運営で効率を高める方針です。
株価の展望:強気材料と弱気材料
まず強気材料です。
(1)米国の鋼材価格が、前週に約4年半ぶりの高値を更新した。背景には高関税政策やAI関連のインフラ需要があるとされ、USスチールには追い風。
(2)米同業のクリーブランド・クリフスが19日に発表した7〜9月期決算が好調で、米国の鉄鋼市況の改善が確認された。
(3)USスチールのコスト改善が進めば、今期1,000億円という利益貢献への期待がさらに高まる。
次に弱気材料です。
(1)今井社長は、下期は市況が若干調整されるとみており、「楽観はできない」と警戒している。
(2)中東情勢の影響で、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、中東向けの輸出がほぼ止まっている。4〜6月期だけで約500億円の影響を想定していたが、通期予想には織り込まれていない。
(3)米国の高い鋼材価格は関税が支えている面が大きく、政策が変われば状況も変わりうる。投資の効果が出るまで2〜3年かかる点も、すぐには業績に表れにくい。
ひろきちの見解です。20日の続伸は、「米国の鋼材市況が良い」という追い風が、USスチールを持つ日本製鉄にとっては分かりやすい材料だったことが理由だと思います。6月末には、日経が「株価が3年ぶりの安値圏に入る可能性」「買収後も貢献には懐疑的な見方」と報じていたほどで、その頃から見ると見方がだいぶ変わりました。ただ、今期の好業績は、米国の関税と市況の高さという外部環境に支えられている面が大きく、会社自身も下期の調整を警戒しています。個人的には、11月5日に予定されている中間決算で、USスチールの利益がどこまで出ているかを確認してから判断したいと見ています。
まとめ:続伸の理由は米国市況とUSスチール期待
・10/20は日経平均が841円安の中、日本製鉄は続伸(前日終値650.9円、午前高値670.2円)。
・要因は、米国の鋼材価格の約4年半ぶりの高値と、米同業の好決算。
・今期の最終利益予想は、8月に2,200億円から2,900億円へ引き上げ済み。
・一方で、下期の市況調整や中東情勢など、不安材料も残る。
引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。(株価・数値は2026年10月20日時点で確認できた情報に基づきます。出典:日本製鉄の決算短信、日本経済新聞、株探、フィスコ配信記事、Yahoo!ファイナンス)
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