【銘柄分析】セキュアヴェイル(3042)は年初来高値の781円!サイバー関連の急騰と業績の実力を解説

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

10月に入り、サイバーセキュリティ関連株が連日で買われています。その中でセキュアヴェイル(3042)は、10月13日に681円(+17.21%)、14日に781円(+100円、+14.68%)と大きく上昇し、年初来高値を更新しました。夏には200円台だった株価が、なぜここまで動いたのか。会社の実力と合わせて、初心者の方にも分かるように整理します。

セキュアヴェイルはどんな会社?ネットワークを24時間見守る

セキュアヴェイルは2001年に設立された、情報セキュリティの会社です。企業のネットワークの設計・構築から、運用監視、ログ分析(機器の記録を調べて異常を見つけること)までを手がけています。連結の社員数は116名(2026年3月末)の小さな会社です。

中核サービスは「NetStare(ネットステア)」です。24時間365日体制で、お客様のネットワークを監視し、機器の故障、通信障害、サイバー攻撃などを早く見つけます。会社の公式サイトでは、Microsoft 365向けなどの「AI-SOC」、ランサムウェア(身代金を要求するウイルス)の検知、EDR(パソコンなどの端末を監視して攻撃を見つける仕組み)といったサービスも紹介されています。

グループには、監視ソフト「LogStare」を開発する子会社LogStare(2020年8月設立)と、情報セキュリティ人材の育成・派遣を行うキャリアヴェイルもあります。毎月の契約で収入が積み上がる「ストック型」のサービスが多いのが、この会社の特徴です。

株価と投資指標:781円、わずか1週間で約2.3倍に

10月14日(15:30時点)の株価は781円で、前日比+100円(+14.68%)でした。年初来高値を更新しています。年初来安値は270円(6月10日)で、そこからは約2.9倍です。

動きを順に追うと、次のとおりです。

・10月6日:414円(前日比+80円、+23.95%)。急騰が始まった日です。前日の終値は334円でした。
・10月9日:581円
・10月13日:681円(+17.21%)、ストップ高(値幅の上限まで買われること)で終了
・10月14日:781円(+14.68%)

10月6日の急騰前から、わずか1週間ほどで約2.3倍になりました。

主な投資指標は次のとおりです(Yahoo!ファイナンス、10月14日時点)。

・時価総額:約60億円(6,006百万円)
・PER(株価が1株あたり利益の何倍かを示す、割安さの目安):会社予想ベースで63.24倍
・PBR(株価が1株あたり純資産の何倍かを示す目安):5.04倍
・予想配当:年3円(今の株価で計算すると利回りは約0.4%)

PERが60倍を超えており、数字だけを見ると期待がかなり先に織り込まれた水準です。

なぜ急騰した?会社の新材料ではなく「サイバー関連」の買い

今回の上昇の背景は、会社の新しい発表ではなく、サイバーセキュリティ関連株への資金の集中だと見られます。

・日本経済新聞は、9月以降、世界で延べ3億人超の個人情報の漏えいが公表されたと報じています。
・JPCERT/CCは10月8日、国内の組織で不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次いでいると注意を呼びかけました。
・株探では「サイバーセキュリティ」が人気テーマの1位になりました。10月13日にストップ高水準まで買われた15銘柄のうち、11銘柄がサイバー関連だったという分析もあります。

一方で、同じ分析記事は、10月13日にセキュアヴェイルが新しい大型案件や業績修正を発表したわけではないとも指摘しています。つまり、事件が増えて「対策が必要だ」という期待が買われている段階で、業績が追いつくかはこれからです。

業績チェック:営業利益は黒字化したが、規模はまだ小さい

過去5年の業績です(単位:億円、3月期。決算短信より)。

決算期売上高営業利益
2022年3月期9.57-0.92
2023年3月期10.29-0.34
2024年3月期10.98-0.32
2025年3月期11.490.35
2026年3月期12.791.12

この表から、売上高は5年間で約1.3倍にゆっくり増え、営業利益は3年続いた赤字を抜けて黒字に定着したことが分かります。売上の規模は年12億円台で、時価総額の約60億円と比べると、売上の約5倍の値がついている計算です。

2026年3月期の実績は次のとおりです。

・売上高:12.79億円(前期比+11.4%)
・営業利益:1.12億円(+220.9%)
・経常利益:1.15億円
・純利益:1.05億円(+146.9%)、1株あたり利益13.75円

会社は5月に利益予想を上方修正しました。理由は、開発費をすでに償却したソフトウェア製品(LogStare)の売上が増えて子会社の収益が改善したことです。償却済みというのは、かかった開発費を費用として処理し終えたという意味で、売れた分がそのまま利益に残りやすくなります。財務は健全で、自己資本比率(会社の財務の安定度の目安)は約8割あります。

ただし、直近の動きは良くありません。2027年3月期の第1四半期(4〜6月、8月14日発表)は、売上高が約2.61億円(前年同期比-17.5%)、営業損益は約0.53億円の赤字(前年同期は約0.40億円の黒字)でした。大型のソフトウェア案件がなくなったことと、先行投資の費用が増えたことが理由です。それでも通期予想は据え置かれています。

今後の経営方針:ストック型を積み上げ、通期は増収増益の計画

2027年3月期の会社予想は、売上高14.38億円(+12.4%)、営業利益1.38億円(+23.2%)、経常利益1.38億円、純利益0.95億円(-9.5%)、1株あたり利益12.4円です。純利益が減る予想なのは、前期に税金の負担が軽くなった影響があるためと見られます。

配当は、2026年3月期が5円(前期は2円)でしたが、2027年3月期の予想は3円です。

開示資料から読み取れる方向性は、自治体、公共、医療などの分野向けのストック型サービスの提供、新しいパートナーとの提携、新サービスの開発です。LogStareの開発力を活かして、クラウド向けの自社製品や運用基盤にも継続して投資する方針です。第1四半期の赤字は、こうした先行投資が表に出たものです。通期の黒字を達成するには、下期の巻き返しが必要になります。

株価の展望:強気材料と弱気材料

まず強気材料です。

① サイバー攻撃や情報漏えいは今後も増えやすく、監視サービスの需要は長く続きやすい。国もサイバー対策を重視しています。

② 赤字を脱して営業利益が1億円を超え、財務も安定している。

③ ストック型の契約が多く、AI-SOCなどの新サービスを広げる余地がある。

次に弱気材料です。

① 株価が業績を大きく先行している。PER63倍、PBR5倍は、売上12億円台の会社としては期待が高い水準です。

② 直近の第1四半期は赤字で、純利益は今期減益の予想。配当も5円から3円に下がる見込みです。

③ テーマ株は熱が冷めると下がりやすい。10月13日には、同じサイバー関連でも一時ストップ高まで買われたのに終値は高値から押し戻された銘柄が複数あり、時価総額が小さいと値動きも荒くなります。

個人的には、赤字を抜けて着実に改善している良い会社だと思います。ただ、今の株価は事件ニュースへの期待で動いた面が大きく、業績で裏づける段階にはまだ来ていません。私なら、ここで追いかけるのは慎重になり、11月13日の次回決算で、第1四半期の赤字がどこまで取り戻せるかを確認したいと考えます。最終判断はご自身でお願いします。

まとめ

・10/14の株価は781円(+14.68%)。10/6の急騰前の334円から約2.3倍、時価総額は約60億円
・上昇の理由は会社固有の新材料ではなく、サイバーセキュリティ関連株への資金集中
・2026年3月期は営業利益1.12億円で黒字が定着。ただし第1四半期は赤字、今期の純利益は減益予想
・PER63倍と期待が先行しており、次回決算(11/13)での業績確認がカギ

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

前回の銘柄分析:【銘柄分析】カウリス(153A)は一時ストップ高の3,155円!営業利益率34.7%の実力と今後の株価を解説

関連記事:【銘柄分析】サイバーセキュリティクラウド(4493)は一時ストップ高の4,400円!1週間で約6割上昇した理由と今後を解説

【出典】セキュアヴェイル 決算短信(2026年3月期、2027年3月期第1四半期)、同社公式サイト、松井証券、Yahoo!ファイナンス、株探、日本経済新聞、各種報道。株価・指標は2026年10月14日の15:30時点。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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