どうも、ひろきちです。
今回は2026年9月10日(木)の米国市場を振り返ります。
結論から言うと、主要3指数はそろって4日続落となりました。米国とイランの紛争が長期化する中で原油価格が1バレル100ドルを超えて急伸し、インフレ懸念が再燃したことが重荷になった形です。一方で個別株を見ると、エヌビディア(NVDA)が下落する一方でアップル(AAPL)が上昇するなど、明暗が分かれる展開になりました。今日はその中身を掘り下げていきます。
主要3指数はそろって4日続落、ダウは316ドル安
まずは指数の動きを確認します。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 52,064.10 | -316.56 | -0.60% |
| S&P500 | 7,591.70 | -44.66 | -0.58% |
| ナスダック総合 | 26,081.72 | -171.62 | -0.65% |
この表を見ると分かる通り、下落率が一番大きかったのはナスダック総合で、ハイテク株への売りが目立った1日でした。NYダウも300ドルを超える下げとなり、4営業日連続の下落は投資家心理の弱さを示しています(出典:CNBC、TheStreet)。
背景にあるのは原油価格の急伸です。WTI原油は1バレル100ドルを突破し、ブレント原油も105ドルを超えました(出典:Yahoo Finance)。原油高は輸送コストや生産コストを押し上げ、物価上昇(インフレ)につながりやすいため、この日は株式市場にとってマイナス材料として受け止められました。
相場を動かした材料:PPI加速と長期金利の10年ぶり高水準
この日は米労働省が8月の卸売物価指数(PPI、企業間で取引される段階の物価を示す指標)を発表しました。前月比+0.4%と市場予想通りではあったものの、前年同月比では+5.4%となり、3か月ぶりの大きな伸びとなりました(出典:米労働省労働統計局)。上昇分の7割超がエネルギー価格の押し上げによるもので、ここでも原油高の影響が表れています。
もう一つの材料が金利です。米10年国債利回りは4.92%まで上昇し、10年ぶりの高水準となりました(出典:CNBC)。長期金利が上がると、株式、特にハイテク株のバリュエーション(企業価値の割高・割安を測る指標)には逆風になりやすく、この日のナスダック安の一因になったとみられます。市場の警戒感を示すVIX指数(変動率指数、通称「恐怖指数」)も17.47まで上昇し、前日比6.14%の上昇でした。約1か月にわたり14〜17のレンジで推移していたので、この日の上昇は投資家の不安の高まりを映しています。
為替市場では、長期金利の上昇を受けてドル買いが強まり、ドル円は一時154円67銭まで上昇したあと、153円85銭で取引を終えました(出典:財経新聞)。円安はドル建て資産を持つ日本の個人投資家にとって評価額の押し上げ要因になりますが、輸入物価の上昇というデメリットもある点は覚えておきたいところです。
話題になった銘柄:エヌビディア安とアップル高が交錯
エヌビディア(NVDA):AI投資への過熱感が重荷に
エヌビディアの株価はこの日2.21%下落しました。決算や新しい悪材料が出たわけではなく、AI関連の設備投資(大手ハイテク企業がAI用のデータセンターやチップに巨額投資をしていること)が本当に見合う投資なのか、という慎重論が根強く残っていることが背景です。加えて、GPU(画像処理用の半導体で、AI開発にも使われる)のレンタル価格が下落しているとの見方も出ており、需給面への懸念も株価の重荷になったとみられます(出典:Forbes、TIKR)。個人的には、エヌビディアの決算そのものは市場予想を上回り続けており、業績と株価心理にズレが生じている状態だと感じています。
iPhoneを手に入れるならこちら![]()
![]()
アップル(AAPL):折りたたみ型「iPhone Duo」発表の余韻で上昇
一方でアップルは1.60%高と、この日の主要銘柄の中で目立った上昇となりました。前日9日に発表したばかりの折りたたみ型スマートフォン「iPhone Duo」(価格1,999ドルから)への好意的な反応が続いた形です。シティグループはアップルに対して「Apple Watchやエアポッズ以来の新しいハードウェアカテゴリー」と評価し、目標株価365ドルの買い推奨を継続しました。ゴールドマン・サックスも、iPhone 18を2回に分けて発売する戦略が平均販売価格の押し上げにつながるとして前向きな見方を示しています(出典:Benzinga、Yahoo Finance)。市場全体が売られる中でアップルが逆行高となったのは、新製品への期待の強さを表していると言えそうです。
エネルギー株:原油高の恩恵でシェブロン(CVX)・エクソンモービル(XOM)が堅調
原油高が重荷になった株式市場の中で、数少ない堅調セクターとなったのがエネルギー株です。シェブロン(CVX)とエクソンモービル(XOM)は、原油高が続いた2026年の年初来でそれぞれ+44%、+40%前後の上昇を記録しています(出典:Yahoo Finance、247wallst.com)。なお、この日単体の終値・騰落率については情報源によって数値が一致せず、裏取りができなかったため本記事では割愛します。原油高が続く局面でどこまでエネルギー株の強さが続くか、注目したいところです。![]()
航空株:燃料費増加への警戒でアメリカン航空(AAL)に逆風
原油高の裏返しとして重荷を受けやすいのが航空株です。中でもアメリカン航空(AAL)は年初来で-12%と主要航空株の中で唯一のマイナスとなっており、チケット収入への依存度が高く燃料費の影響を受けやすい収益構造が響いています。対照的にデルタ航空(DAL)は年初来+16%と、石油精製事業やクレジットカード事業による収益の分散が明暗を分けました(出典:Yahoo Finance、247wallst.com)。この日単体の値動きは情報源が確認できなかったため記載していませんが、原油高が続く局面では航空株全体への逆風が意識されやすい点は押さえておきたいです。![]()
セクター別・ETFの動き:エネルギーが数少ない上昇セクターに
セクター別に見ると、この日はエネルギーを除くほとんどのセクターが下落しました。特にハイテクや一般消費財セクターの弱さが目立ち、ナスダック安の一因になっています。個人投資家に人気の高いETFで見ると、S&P500に連動するVOOやナスダック100に連動するQQQはいずれも指数と同水準の下落となった一方、エネルギーセクターに投資するXLEは相対的に底堅い動きとなりました。分散投資をしていれば、こうした「勝ち組セクター」と「負け組セクター」の値動きの違いが、ポートフォリオ全体の下げ幅を和らげてくれることが改めて分かる1日だったと思います。
今日の日本株・注目点
米国株安を受けて、今日の日本株にも慎重な地合いが波及しそうです。ただし、シカゴ日経平均先物は前日比プラス圏で取引を終えており、半導体株の指標であるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が底堅く推移したことが投資家心理の支えになったとみられます(出典:日本経済新聞)。今日押さえておきたいポイントは次の3つです。
①原油価格の動向:WTIが100ドル台で高止まりするようだと、インフレ再燃への警戒から日本株にも重荷となりやすい
②為替の動き:ドル円が154円近辺で推移するかどうかは輸出関連株の業績期待に直結する
③米長期金利の動き:4.92%まで上昇した10年債利回りがさらに上がるようだと、グロース株(成長株)中心に売られやすい地合いが続く可能性がある
前日9日の米国市場の様子は「【米国株まとめ】9月9日はNYダウ405ドル安で3日続落!メタが6.5%急騰、原油急伸とアップル新体制の初陣を解説」でまとめているので、あわせて読んでみてください。
今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!
English version is here → https://hirokichiiii.com/投資のいろは/us-market-2026-09-10-en/
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
いつも読んでいただきありがとうございます。下のバナーをポチッと応援クリックしていただけると、ひろきちの励みになります!



コメント