【米国株まとめ】10月1日は3指数そろって小幅高!長期金利が2002年以来の高水準に ― アクセンチュア15.8%急伸、コルテバの83%安は分割が原因

投資のいろは

どうも、ひろきちです。10月に入って最初の記事は、10月1日(木)の米国市場の振り返りです。

NYダウ・S&P500・ナスダック総合の主要3指数はそろって小幅高となりましたが、裏側では長期金利が2002年以来の高水準まで跳ね上がる場面があり、一時は株価が大きく崩れる展開もありました。決算を発表した銘柄の明暗もくっきり分かれた1日だったので、順番に見ていきます。

NYダウ・S&P500・ナスダックの動き:3指数そろって小幅高で着地

まずは指数の動きからです。

指数終値前日比騰落率
NYダウ50,935.89+29.84+0.06%
S&P5007,668.82+17.28+0.23%
ナスダック総合26,871.60+17.73+0.07%

騰落率だけ見ると「ほぼ横ばい」という印象ですが、これは1日の値動きの結果だけを切り取ったもの。実際には日中、長期金利の急上昇をきっかけに主要3指数とも一時大きく値を崩す場面があり、終値にかけて買い戻されて何とかプラスで終えた、という1日でした(CNBC、Yahoo Financeなど複数ソースより)。10月=第4四半期入り初日としては、綱渡りのスタートになったと言えそうです。

相場を動かした材料:長期金利が2002年以来の高水準に

この日最大の主役は株価そのものより債券市場でした。米10年債利回りは取引時間中に一時5.3%台半ばまで上昇し、2002年以来の高水準をつけました。終値ベースでも前日比+4bp(ベーシスポイント。1bp=0.01%の意味)の5.33%で引けており、30年債利回りも5.67%と2002年7月以来の水準まで上昇しています(TheStreetより)。あるレポートでは、今回の金利上昇ペースを「1994年以来最悪の四半期」と表現していました。

金利が急上昇した明確な単独の材料は見当たらず、米国の財政悪化懸念やインフレの根強さへの警戒が複合的に効いているという見方が出ています。この金利上昇を受けて欧州株は米国株以上に売られ、ロンドンが▲1.7%、パリが▲1.6%、フランクフルトが▲1%とそろって下落しました(Yahoo Financeより)。

経済指標はおおむね良好でした。新規失業保険申請件数は19万7,000件と市場予想(20万件前後)を下回り、4週連続の減少となりました。9月のISM製造業景況指数は55.9と拡大の目安となる50を上回りましたが、仕入れ価格指数は77.9まで上昇しており、企業側のコスト負担が増している様子もうかがえます(Yahoo Financeより)。雇用は底堅いのに金利も高い、という株式市場にとっては悩ましい組み合わせの1日でした。

恐怖指数と呼ばれるVIX指数は16.35とほぼ横ばい。金(ゴールド)は1オンス4,208.60ドルで+0.52%、原油(WTI)は1バレル92.96ドルで+2.81%上昇しました。原油高の背景には、中国の大手製油会社が10月分の燃料輸出を一時停止したことに加え、中東情勢への警戒感が原油の地政学リスクプレミアムを押し上げたことがあるようです(Yahoo Financeより)。

為替はドル高・円安方向に振れました。ニューヨーク市場のドル円は157円23銭まで下落する場面を挟みつつ、終値は158円25銭まで切り返しています。米金利の先高観やドル買い材料が重なった一方、「円安是正の為替介入」への警戒感から円買いも入るなど、神経質な値動きとなりました(財経新聞より)。



話題になった銘柄:決算で明暗、コルテバの「83%安」のからくり

この日は決算発表が相次ぎ、株価の反応には大きな差が出ました。5社を取り上げます(騰落率は前日終値比、stockanalysis.comの終値データより)。

話題株の株価反応(10月1日終値、前日比)

この図からも、同じ「好決算を受けた上昇」でも銘柄によって上げ幅にはっきり差が出たことが分かります(コルテバは会社分割という特殊要因のため、比較から除いています)。

アクセンチュア(ACN):+15.78%で「過去最高の1日」に

ITコンサルティング大手のアクセンチュアは、2026年8月期第4四半期決算で売上高・EPS(1株あたり利益)とも市場予想を上回り、通期の新規受注も過去最高の845億ドルに達しました。株価は前日比+15.78%の212.30ドルで引け、CNBCは「過去最高の上昇日」と報じています。

これまで「AI(人工知能)サービスは話題ばかりで実際の収益にはなかなか結びつかない」という懐疑的な見方が投資家の間に根強くありました。今回の決算ではAI関連の受注・売上がはっきり加速していることが数字で示され、さらに2027年8月期の強気な業績見通しや自社株買い・増配方針も打ち出されたため、「AIの収益化がいよいよ本物になってきた」という受け止めが広がり、買いが集中したとみられます。

シノプシス(SNPS):+12.78%、AWSとの10億ドル超契約が材料

半導体設計ソフト大手のシノプシスは+12.78%の490.54ドルで終えました。アマゾン傘下のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)との間で、カスタム半導体のIP(設計資産)に関する10億ドル超・複数年契約を結んだと発表したことが好感されました。AIチップの設計がますます複雑になる中、設計ソフト企業への需要の強さが裏付けられた形で、投資家の見方を強気に傾けたと考えられます。

マイクロン・テクノロジー(MU):記録的決算でも+3.03%にとどまる

半導体メモリー大手のマイクロンは、2026年8月期第4四半期の売上高が54.23億ドル(市場予想504.5億ドルを上回る)、調整後EPSが33.42ドルと、ともに市場予想を大きく上回る記録的な決算でした。通期売上高も前年比256%増の1,332億ドルに達し、データセンター向けSSD(記憶装置)の売上高は前年同期の10倍近くに拡大しています。

これだけ強い決算にもかかわらず、株価の上昇は+3.03%にとどまりました。理由ははっきりしています。マイクロン株はこの1年ですでに5倍以上に上昇しており、好決算自体は「織り込み済み」だったこと。さらに2027年8月期第1四半期の売上総利益率見通しが86.25%と、今回発表した87%を下回る水準で示されたことや、設備投資計画が上半期だけで約115億ドルに拡大したことから、「この活況がいつまで続くのか」という慎重な見方も広がりました。良い決算でも、株価にすでに期待が乗りすぎていると反応が鈍くなる典型例と言えそうです。

コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(CTSH):+5.99%、アクセンチュア効果で連れ高

ITサービス大手のコグニザントは、自社の決算発表ではなく、同業のアクセンチュアの好決算を受けて+5.99%上昇しました。「AI投資による企業のIT支出回復はアクセンチュア1社だけの話ではなく業界全体に及ぶのでは」という期待が波及した格好です。同業のIBMやウィプロにも同様の買いが入ったと報じられています。

コルテバ(CTVA):株価は83.81%安も「暴落」ではない

農業関連大手のコルテバは前日比▲83.81%という衝撃的な下落率になりましたが、これは業績悪化による暴落ではありません。10月1日付けで種子・遺伝子技術事業を「Vylor(ヴァイラー)」として分離・独立させる会社分割が実行された結果です。9月24日時点の株主には自動的にVylor株が割り当てられており、経済的な価値はコルテバ株とVylor株の2つに分かれて引き継がれただけで、消えたわけではありません。下落率だけを見るとギョッとしますが、分割に伴う会計上の調整だと理解しておくとよいでしょう。



セクター別・ETFの動き

セクター別では、原油高を追い風にエネルギー株が上昇した一方、長期金利の急上昇を受けて銀行株は軟調でした。KBWナスダック銀行株指数は▲0.7%、シティグループ、PNCファイナンシャル、バンク・オブ・アメリカはそろって▲1.4〜1.9%下落しています(Yahoo Financeより)。通常、金利上昇は銀行の利ざや改善につながるとされますが、この日は急激な金利変動そのものへの警戒が優先された形です。小型株の指標であるラッセル2000指数も▲0.4%前後と軟調でした。

日本の個人投資家にもなじみの深い米国ETFでは、S&P500に連動するVOOが+0.21%、ナスダック100に連動するQQQが+0.31%、NYダウに連動するDIAが+0.01%と、いずれも対応する指数とほぼ同じ値動きでした(stockanalysis.comの終値データより)。高配当ETFのSPYD・HDV・VYMについては、今回裏取りできる終値データが確認できなかったため、具体的な騰落率は空欄とします。ただし銀行株が軟調だったことを踏まえると、金融セクターの比率が高いこれらのETFはS&P500全体よりやや伸び悩んだ可能性があります。



今日の日本株・注目点

今日のポイントを3つにまとめます。

①米国市場が小幅高で終えたことに加え、ドル円が158円台まで円安方向に振れたことは、輸出関連株を中心に日経平均の支援材料になりそうです。ただし長期金利の高止まりが続いている点には引き続き注意が必要です。

②今夜(日本時間深夜〜早朝)は9月の米雇用統計の発表が予定されています。市場予想は非農業部門雇用者数が9万人前後の増加、失業率は4.1%前後とされており(Bloombergより)、長期金利がさらに上振れするかどうかを占ううえでも重要な指標になりそうです。

③10月1日の取引終了後(日本時間今夜未明)には、ナイキが2027年5月期第1四半期決算を発表しました。EPSは市場予想を上回ったものの、売上高は前年比4%減で市場予想に届かず、通期の利益見通しも市場予想を大きく下回る水準が示されたため、時間外で株価は下落しています(stocktitanより)。今夜の本決算を受けた反応にも注目です。

なお、日経平均はここ数週間、NYダウが金利高や景気懸念で軟調な中でも独歩高が続いており、AI・半導体関連株への資金集中や海外短期筋の先物買いが支えとなっているとの指摘もあります(財経新聞より)。上昇のスピードが速いぶん、材料次第で反動が出やすい地合いである点も、頭の片隅に置いておきたいところです。

今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

前営業日(9月28日)の振り返りはこちら→【米国株まとめ】9月28日はナスダックが0.92%反落!イラン情勢の緊迫と長期金利19年ぶり高水準で全面安

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