どうも、ひろきちです。今週の「今週の注目株」は、日本株から東宝(9602)、米国株からインテル(INTC)をピックアップしました。片や映画ヒット連発で株価が急伸中、片やAI特需で15年ぶりの増収率をたたき出して決算後に急伸と、どちらも今まさに話題性たっぷりの2銘柄です。それぞれの注目理由と株価動向、投資家目線でのポイントを深掘りしていきます。
東宝(9602):『名探偵コナン』『国宝』に続き、本日は『ちいかわ』が公開
東宝は映画配給最大手で、「TOHOシネマズ」の運営や、ゴジラをはじめとするIP・アニメ事業も手がけています。ここ最近は保有する映画コンテンツが立て続けにヒットしており、市場からの評価も高まっています。
直近では「名探偵コナン ハイウェイの堕天使」や「国宝」がメガヒットとなったほか、7月22日には「鬼滅の刃」最新作の劇場版も好スタートを切ったと報じられました。そして本日7月24日には、人気キャラクター「ちいかわ」を題材にした映画が公開され、公開3日間で興行収入30億円規模になるとの見方も出ています。株価はこうした映画ラインナップへの期待を織り込む形で、直近数営業日は上昇基調が続いています。
東宝の決算をチェック:数字だけ見ると減益、でも中身は良好
7月15日に発表された2027年2月期第1四半期(3~5月)決算は、営業収入887億4,200万円(前年同期比4.6%増)、営業利益138億6,900万円(同28.3%減)、最終利益81億9,600万円(同29.1%減)でした。パッと見は大幅減益に見えますが、実はこれ、事業の悪化ではなく会計上の要因(かいけいじょうのよういん、決算のルール変更による一時的な影響のこと)です。今年3月にTOHO Globalへ会社分割を行った影響で、海外事業の収益計上のタイミングが一部ずれ込んだことが主因で、会社側は「従来ベースでは増収増益」と説明しています。実際、市場もこの内容を好感し、決算発表翌日には株価が大幅反発しています。
事業別に見ると、映画事業は営業収入433億8,100万円(同7.7%増)、営業利益95億9,800万円(同6.1%増)と好調そのもの。一方でIP・アニメ事業は営業収入182億5,500万円(同3.9%減)、営業利益5億2,000万円(同91.8%減)と大幅減益に見えますが、こちらも前述の会計要因が主因で、ゲームや劇場グッズ、ゴジラの海外商品化権収入などは堅調とのことです。

この図から分かる通り、東宝の売上を牽引しているのは映画事業で、IP・アニメ事業は会計上の見た目ほど悪くないというのが実態です。通期予想は据え置かれており、営業収入3,450億円(前期比4.3%減)、営業利益620億円(同8.7%減)を見込んでいますが、夏興行以降のヒット作投入で上積みを狙う構えです(出典:東宝株式会社 2027年2月期第1四半期決算短信)。
株価は7月23日時点で1,397.5円前後(前日比+52.5円、+3.90%)まで戻しており(出典:株探)、今年の値幅を見ると4月の高値1,752円からいったん5月に1,191円まで調整したあと、映画ヒットや決算評価を材料に再び戻す展開です。加えて、東宝は2030年2月期末までに政策保有株式(他社の株を持ち合いで保有すること)の圧縮を進め、株主還元にも資金を回す方針を示しており、資本政策の面でも変化が出てきています。
投資家目線で見ると、良い点は主力の映画事業がヒット作連発で好調なこと、そして政策保有株縮減という株主還元強化の動きが出てきたことです。一方で留意点もあります。今回のように会社分割の影響で決算の数字が読みにくくなる場面が続く可能性があること、そして映画事業は当たり外れのある「水物」商売である以上、ヒット作が途切れれば業績のブレも大きくなりやすいことは頭に入れておきたいところです。
インテル(INTC):AI特需で15年ぶりの増収率、決算後に株価急伸
インテルはPC向けCPU(中央演算処理装置、パソコンの頭脳にあたる部品)で知られる老舗半導体メーカーです。近年はAI向け半導体の分野でエヌビディアなどに出遅れ、苦戦が続いていましたが、今回の決算でその流れに変化の兆しが見えてきました。
7月23日発表の2026年4-6月期決算は、売上高161億ドル(前年同期比25%増)と、この15年余りで最も高い増収率を記録しました。市場予想(売上高144億2,000万ドル、EPS0.21ドル)を大きく上回り、調整後EPSは0.42ドルと市場予想の2倍近い水準です(出典:CNBC、ブルームバーグ、ニューヨーク・タイムズなど各社報道)。
セグメント別では、PC向けのCCG(クライアント・コンピューティング・グループ)が89億ドル(同13%増)、データセンター・AI向けのDCAIが63億ドル(同59%増)、半導体の受託生産を手がけるファウンドリ事業が58億ドル(同31%増)と、いずれも増収でした。中でもDCAIの伸びが際立っており、AI関連データセンター向けの需要拡大がインテルの業績を押し上げている構図です。

この図からも、PC向けだけでなくデータセンター・AI向けとファウンドリ事業がバランス良く伸びていることが読み取れます。インテルのCFO(最高財務責任者)は決算説明で、顧客からの旺盛な需要を受けて2026年の設備投資見通しを従来の180億ドルから200億ドル超に引き上げると発言しており、2027年にはさらに投資額を積み増す方針も示しています。
インテルの株価動向と投資家目線でのポイント
株価は決算発表があった7月23日、アルファベットやテスラの決算を受けたハイテク株全般の売りが重しとなり、通常取引では100.23ドル(前日比-2.33%)で終えました。ところが決算内容の良さを受けて時間外取引では急伸し、一時109ドル超え(通常取引比で9%前後の上昇)、さらに110ドル台まで買われる場面もあったと報じられています(出典:TipRanks、Invezz、ブルームバーグ)。
投資家目線で見ると、良い点はAI・データセンター向け需要を取り込めていることが数字で裏付けられ、長年苦戦していた「復活」の兆しが見えてきたことです。一方で留意点として、アナリストの多くはまだ「中立(Hold)」評価にとどめており、通期ベースでは依然として最終赤字が続いていること、そして設備投資の拡大がしばらくキャッシュフローの重荷になる可能性がある点は押さえておきたいところです。
今週の注目ポイントまとめ
今回の2銘柄から見えてくるポイントは大きく3つです。①東宝は会計上の一時的な要因で決算の数字が分かりにくくなっているものの、映画事業の実力はむしろ好調であること。②インテルはAI向けデータセンター需要の取り込みに成功しつつあり、長期低迷からの転換点になり得ること。③どちらの銘柄も、目先の株価だけでなく決算の中身(会計要因かどうか、どの事業が伸びているか)まで確認することが大切だということです。今週の東宝の映画興行動向やインテルの株価の続伸有無は、来週以降も注目していきたいと思います。
今週も相場は材料豊富で目が離せません。引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
English version is here →[Weekly Stock Picks] Toho (9602) Jumps as “Chiikawa” Hits Theaters & Intel (INTC) Surges 9% on AI-Driven Earnings – One Stock Each From Japan and the U.S.
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
前回の「今週の注目株」では、フジクラ(5803)とネットフリックス(NFLX)を取り上げました。あわせてこちらもどうぞ→【今週の注目株】フジクラ(5803)がAI特需で急反発&ネットフリックス(NFLX)は決算後まさかの急落!日米2銘柄を深掘り。また、インテルの決算を支えるAI・データセンター需要については、【解説】AI時代の心臓部「データセンター」の重要性とは?日本・米国の注目株8社を徹底紹介でも詳しく解説しています。
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