貯金だけでは大損?インフレ時代に投資をしないリスクと対策

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

「投資は怖いから、お金は銀行に貯金しておけば安心」——そう思っている方、実はまだまだ多いのではないでしょうか。でも今の日本は、物価がじわじわ上がり続ける「インフレ時代」に入っています。今回は、貯金だけでお金を持ち続けることのリスクと、インフレに負けないための対策について、できるだけ分かりやすく解説していきます。

物価はじわじわ上昇中。2026年のインフレ実態

総務省統計局によると、2026年5月の全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は前年同月比1.5%の上昇となりました(総務省統計局「消費者物価指数」)。4月の1.4%からさらに上昇しており、輸送や住宅、衣類、家庭用品、娯楽など幅広い品目で値上がりが続いています。

1.5%と聞くと「そんなに大したことない」と感じるかもしれません。でも、これが毎年積み重なっていくと話は変わってきます。物価が年1.5%ずつ上がり続けると、今100円で買えるものが10年後には約116円出さないと買えなくなる計算です。給料や資産が増えないまま物価だけが上がれば、実質的にはお金の価値が目減りしているのと同じことなんですね。

銀行預金の金利は上がったとはいえ、インフレには追いつかない

「でも最近、銀行の金利も上がってきたよね?」と思う方もいるかもしれません。確かにその通りで、三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行のメガバンク3行は、2026年8月3日から普通預金金利を0.3%から0.4%に引き上げます(各行公表資料)。1年ものの定期預金も0.40%です。ネット銀行の中には、あおぞら銀行BANKの普通預金1.00%(上限100万円)のように、より高い金利を提示しているところもあります。

とはいえ、先ほどのインフレ率1.5%と比べると、メガバンクの普通預金0.4%では明らかに見劣りします。実際に計算してみましょう。100万円を10年間、金利0.4%の預金に預けっぱなしにした場合、名目上は約104万円に増えます。しかし物価上昇率を年1.5%で計算すると、実質的な購買力(今のお金の価値に換算した額)はおよそ89.7万円まで下がってしまいます。つまり、通帳の数字は増えているのに、実際に買えるモノやサービスの量は約10万円分も減ってしまうということです。これが「貯金だけでは大損」と言われる理由です。

家計の現預金比率は下がり始めている

こうした状況を受けてか、日本の家計もお金の置き場所を少しずつ見直し始めています。日本銀行の資金循環統計によると、家計金融資産に占める現金・預金の比率は長らく50%台前半で推移していましたが、2025年6月末に50%を割り込み、2026年3月末には47%まで低下しました(日本銀行「資金循環統計」)。株式や投資信託への資金シフトが進んでいることがうかがえます。もちろん生活防衛資金として一定の現金を手元に置いておくことは大切ですが、「余ったお金は全部貯金」という発想は、そろそろ見直す時期に来ているのかもしれません。

100万円を持ち続けるだけで、実質価値はここまで下がる

預金100万円を持ち続けた場合の実質価値の目減りを示すグラフ

先ほどの「10年で約10万円分目減り」を、もう少し長い期間で見てみましょう。100万円を金利0.4%の預金に預けたまま、物価上昇率を年1.5%と仮定して試算すると、通帳の残高(名目額)は年々増えていくのに、実質的な価値(今のお金に換算した購買力)はどんどん下がっていきます。上のグラフの通り、20年後には実質価値が約80万円、30年後には約72万円にまで下がる計算です。「元本保証だから安心」と思っていても、モノを買う力という意味では、確実に目減りしているわけですね。

インフレ時代の対策:新NISAをうまく活用しよう

「じゃあ何から始めればいいの?」という方に、まず検討してほしいのが新NISA(少額投資非課税制度)です。2026年時点の制度では、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計で年間360万円まで投資でき、生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)となっています(金融庁「NISAを利用する皆さまへ」)。運用益が非課税になるメリットは大きく、インフレに負けない資産形成の土台として非常に使いやすい制度です。

対策として意識したいポイントは次の3つです。

(1) 生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分程度)は現金・預金で確保しつつ、余剰資金は新NISAなどを使って少額からでも投資に回してみる。
(2) 毎月一定額をコツコツ積み立てる「積立投資」で、価格変動リスクを時間で分散する。
(3) 一つの銘柄や資産に集中させず、全世界株式やS&P500などの投資信託でリスクを分散する。

いきなり大きな金額を投資に回す必要はありません。「まずは月5,000円から」でも、10年、20年という時間をかければ、その差は着実に積み上がっていきます。

インフレが続く今の時代、「貯金だけ」で安心しきってしまうのは、実はそれ自体がリスクになりつつあります。かといって、貯金をゼロにして全部投資に回すのも極端です。生活防衛資金は現金で確保しつつ、余剰資金を少しずつ投資に振り向けていく。このバランス感覚が、これからの時代を生き抜くお金との付き合い方だと、ひろきちは思います。

積立投資が長期でどれだけ効いてくるかは、以前書いた複利効果を実感という記事でも詳しく書いているので、あわせて読んでみてください。また、そもそも「なぜ株式投資が長期で報われやすいのか」については株式市場これから30年以上 米国安泰の理由で解説しているので、こちらもぜひどうぞ。

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

English version is here → Saving Alone Could Cost You: The Hidden Risk of Not Investing in an Inflationary Era

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。上記のシミュレーションは一定の利回りを仮定した試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。

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