どうも、ひろきちです。
今日は9月17日(木)の東京株式市場を振り返ります。結論から言うと、日経平均株価は前日比213円25銭高の6万4136円25銭となり、2日続けての上昇でした。前日の米国市場では米連邦準備理事会(FRB)が約3年ぶりの利上げを決めてダウ平均が大きく下げていたので、正直「今日は下げるかも」と身構えていたのですが、蓋を開けてみると東京市場は堅調。ただし中身を見ると、全部の銘柄が一律に買われたわけではなく、防衛関連やゲーム関連といった「その日ならではの材料」を持つ銘柄が主役でした。今日もその理由を掘り下げていきます。
今日の指数の動き
まずは主要指数の終値をまとめておきます。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 64,136.25円 | +213.25円 | +0.33% |
| TOPIX | 4,094.19 | +32.47 | +0.79% |
| グロース250 | 789.35 | +18.05 | +2.34% |
| ドル円 | 155.62円 | +0.64円 | (円安) |
この表を見ると、日経平均・TOPIXという大型株中心の指数だけでなく、新興企業向けのグロース250も2%を超えて上昇しており、今日は規模を問わず幅広く買われた1日だったことが分かります。東証プライム市場では値上がり銘柄が1,289と全体の約8割を占め、値下がりは235銘柄にとどまりました。売買代金は7兆1,538億円、売買高は19億5,662万株と、前日(6兆7,075億円)に比べても商いは膨らんでいます(出典:日本経済新聞、共同通信)。
直近の値動きを振り返ると、9月10日に65,270円台まで買われたあと、9月14日・15日と2日続けて下げる場面があり、9月16日に439円高で反発、そして今日も213円高と、じりじり下値を切り上げながら6万4000円台を回復してきた格好です。取引時間中は上げ幅が一時700円を超える場面もありましたが、後半にかけてやや伸び悩み、終値では213円高に落ち着きました。
なぜ動いた?相場を動かした材料
今日の値動きを理解するカギは、大きく3つあります。
①前日(16日)まで開かれていた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBが0.25%の利上げを決定したことです。約3年ぶりの利上げで、しかも会見ではウォーシュFRB議長が追加の利上げを示唆するなど、市場が想定していた以上に「タカ派」な内容でした。これを受けて米長期金利(10年債利回り)は5%台に乗せ、NYダウは前日比631円21セント安の5万1461円90セントと3日続落。S&P500種株価指数も33.92ポイント安の7551.81、ナスダック総合指数も小幅に下げて取引を終えています(出典:ロイター、読売新聞)。
②為替市場では、この利上げを受けてドル高・円安が進み、ドル円は午後4時時点で1ドル=155円62銭前後まで円安が進みました。前日午後5時時点に比べて64銭のドル高・円安です(出典:株探)。一般的に円安は輸出企業の採算改善につながるため、自動車や機械など海外売上の比率が高い企業にとっては追い風になります。米国株安・金利上昇という一見ネガティブなニュースが、為替を通じて日本株の支えに転じた形です。
③国内では、人工知能(AI)・半導体関連株に利益確定の売りが出る一方で、それまで出遅れていたバリュー(割安)株や、その日ならではの好材料が出た銘柄に買いが広がりました。具体的には、三菱UFJ銀行が防衛関連企業向けの融資基準を近く設けるとの報道をきっかけに防衛関連株が軒並み急伸したほか、幕張メッセで東京ゲームショウ2026が開幕したことを受けてゲーム関連株にも買いが集まりました(出典:日本経済新聞、株探)。米国株安の流れに単純に連動するのではなく、国内発の個別材料が指数を押し上げた1日だったと言えます。
今日話題になった銘柄と、その理由
値動きの大きかった銘柄を5つ取り上げて、何が起きたのか、なぜそうなったのかを見ていきます。
| 銘柄(コード) | 終値 | 騰落率 | 注目された理由 |
|---|---|---|---|
| 三菱重工業(7011) | 3,887円 | +4.01% | 三菱UFJ銀行の防衛融資基準報道 |
| 任天堂(7974) | 8,475円 | +4.29% | 東京ゲームショウ2026開幕 |
| GENDA(9166) | 695円 | +6.1% | 8月売上高が前年比24%増 |
| 東京エレクトロン(8035) | 50,970円 | -1.39% | AI・半導体株に利益確定売り |
| ソフトバンクグループ(9984) | 6,247円 | +1.04% | 米半導体株高と国内AI警戒感が綱引き |
この表から、防衛・ゲームといった「国内発の材料」を持つ銘柄がプラス圏で目立つ一方、これまで相場をけん引してきたAI・半導体関連は利益確定売りに押されるという対照的な結果になっていることが分かります。
三菱重工業(7011):防衛融資の報道で急伸
三菱重工業は前日比4.01%高と大きく買われました。きっかけは17日付の日本経済新聞朝刊が「三菱UFJ銀行が防衛関連企業に融資するための基準を近く設ける」と報じたことです。融資基準が整えば防衛産業向けの資金調達がしやすくなり、他のメガバンクも追随するとの見方から、三菱重工業だけでなく防衛関連銘柄全般に買いが広がりました。三菱重工業についてはこのほか、AI開発企業のプリファード・ネットワークスへの出資や、防衛向け国産AIの共同開発といった材料も重なっており、防衛関連の中でも特に物色されやすい状況だったと言えます。政府の防衛予算拡大という大きな流れの中で、銀行の融資姿勢という「お金の出し手」側のニュースが株価を動かした点が興味深いところです。
任天堂(7974):東京ゲームショウ開幕で4%超高
任天堂は前日比4.29%高となりました。今日17日に千葉市の幕張メッセで世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ2026」が開幕し、新作タイトルや周辺機器への注目が高まったことが買い材料になりました。バンダイナムコホールディングスやスクウェア・エニックス・ホールディングスなどゲーム関連株にも同様に買いが入っており、業界全体でイベント効果が出た形です。任天堂株はこの数カ月、Switch本体やソフトの販売動向をめぐって値動きが荒い局面が続いていましたが、今日のようなイベント発の株価上昇は一時的な思惑で終わるのか、それとも実際の販売数字の裏付けにつながるのか、今後の決算や月次販売動向を確認していきたいところです。
GENDA(9166):月次売上の好調さを好感
アミューズメント施設運営などを手がけるGENDAは、前日比6.1%高と大きく反発しました。16日の取引終了後に発表した8月度の売上高(速報値)が前年同月比で24%増となったことが好感され、直近3営業日続けていた下落から一転しての大幅高となりました。任天堂や三菱重工業に比べると知名度はやや劣りますが、月次の売上開示という具体的な数字が株価を動かした分かりやすい例です。中小型株は大型株に比べて材料に対する値動きが大きくなりやすい傾向があり、今日のGENDAはその典型と言えるでしょう。
東京エレクトロン(8035):AI・半導体株に利益確定売り
半導体製造装置大手の東京エレクトロンは前日比1.39%安となりました。前日まで続いていた米長期金利の上昇や、FOMCでの利上げを受けた金利先高観が、高いバリュエーション(株価の割高感)で買われてきたAI・半導体関連株にとっては重荷となり、利益確定の売りが出やすい地合いでした。日経平均全体は上昇したものの、その中身では防衛やゲームといった値ごろ感のある銘柄に資金が向かい、直近まで買われ続けてきた半導体関連からは資金が抜けるという「物色の入れ替わり」が起きた1日だったと見ています。
ソフトバンクグループ(9984):綱引きの末に小幅高
ソフトバンクグループは前日比1.04%高で取引を終えました。朝方は前日の米国市場で半導体関連株が底堅く推移した流れを受けて買いが先行しましたが、日中は国内のAI・半導体株への警戒感から伸び悩む場面もあり、終値では小幅高にとどまっています。傘下に半導体設計大手アームを持つ同社は、米国のAI関連株の動向と国内のAI関連株への警戒感の両方に株価が振らされやすい銘柄で、今日はまさにその綱引きが表れた値動きでした。
個人投資家としてどう見るか
積立投資をコツコツ続けている人にとっては、今日1日の213円高に一喜一憂する必要はないというのが基本スタンスです。それよりも今日印象的だったのは、米国株安・利上げというマクロの逆風の中でも、国内発の個別材料(防衛融資報道、ゲームショウ開幕)を持つ銘柄がしっかり相場を支えたという点です。指数全体の方向だけを見ていると「今日は米国が下げたのに日本は上がったのはなぜ?」と疑問に思うかもしれませんが、中身を見ると「AI・半導体から、それまで出遅れていたバリュー株・イベント関連株への資金シフト」という分かりやすい構図がありました。短期で個別株を売買している人は、指数全体よりも自分の持っている銘柄がどのセクター・テーマに属しているかを意識したほうが、今の相場には合っていると思います。
明日以降の注目ポイント
①FOMCでの利上げを受けた米長期金利の動向。10年債利回りが5%台で高止まりするようだと、為替や高PER銘柄への影響が続く可能性があります。②防衛関連株の物色が三菱重工業以外の銘柄(川崎重工業、IHIなど)にも広がるかどうか。③東京ゲームショウの会期中(〜9月20日)、ゲーム関連株への関心がどこまで続くか。決算発表シーズンでもないタイミングだけに、イベント要因の値動きが息切れしないか注目しておきたいところです。
引き続き、無理せずコツコツと。明日もよろしくお願いします!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
前営業日の振り返りは9月16日の日次まとめ記事もあわせてご覧ください。
English version is here → https://hirokichiiii.com/投資のいろは/nikkei-daily-2026-09-17-en/
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