【銘柄分析】コールズ(KSS)の今後は?格上げで株価約10%高、関税払い戻しで膨らんだ利益を解説

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

10月22日の米国市場では、米国の百貨店チェーン、コールズ(Kohl’s、KSS)の株価が約10%上昇しました。きっかけは、アナリスト(投資の専門家)のGordon Haskettが投資判断を「Hold(中立)」から「Buy(買い)」に引き上げたことです。コールズは今年5月に12ドル前後でしたので、そこから約2倍になっています。業績の中身はどうなのか、数字で確認しました。

コールズはどんな会社?米国の中価格帯百貨店

コールズは、衣料品、靴、家庭用品、美容用品などを幅広く扱う米国の大手百貨店です。郊外のショッピングモールや路面に大型店を構え、自社ブランドと有名ブランドの両方を販売しています。化粧品専門店Sephoraの売り場を店内に設けていることでも知られています。

日本でいえば、総合スーパーと百貨店の中間のイメージです。ただし、近年は買い物がネット通販に移り、百貨店全体の売上が伸び悩んでいます。コールズも例外ではなく、売上は減少が続いています。会社はその立て直し(ターンアラウンド)に取り組んでいる最中です。

株価と投資指標:10月22日に約10〜12%高の約25ドル

10月22日、KSSは取引時間中に約10.6%上昇しました(TipRanks)。別の報道では12.4%高の24.91ドルとの数字もあり、報道の時点によって差があります。ここでは「約25ドル前後、終値は未確認」とご理解ください。

TipRanksによると、年初来では約23%高、過去12か月では約37%高です。5月15日の終値が11.93ドル(ドイツの金融メディアgoldesel報道)でしたので、その時点からは約2倍になった計算です(ひろきちの試算)。

投資指標は、今期の会社予想(調整後1株利益1.80〜2.40ドル)で割ると、PERは約10〜14倍になります(株価約25ドルで試算)。配当は四半期0.125ドルで年0.50ドル、利回りは約2%です(これも試算)。いずれも終値ではなく取引中の株価で計算した目安です。

業績チェック:売上は減少、でも利益は関税の払い戻しで改善

直近の決算は、8月26日に発表された2026年度第2四半期(5〜7月期)です。出典は会社のIR資料です。

・純売上高:3,318百万ドル(前年同期3,347百万ドル、-0.9%)
・既存店売上高:-0.9%
・粗利益率:43.0%(前年39.9%から3.05ポイント上昇)
・営業利益:261百万ドル(前年279百万ドル)
・純利益:151百万ドル(前年153百万ドル)、1株利益1.28ドル
・調整後1株利益(一時的な損益を除いた利益):1.28ドル(前年0.56ドル)

図にすると次のとおりです。

コールズの2026年度第2四半期と前年同期の業績比較グラフ

この図から、売上も利益も前年とほぼ横ばいで、大きな成長ではないことが読み取れます。

注意したいのは、粗利益率が上がった理由です。会社は約1.5億ドルの関税の払い戻しを受け、このうち約1億ドルが粗利益に反映されたと説明しています。つまり、利益の改善の一部は、本業というより一時的な要因です。

なお、2025年度(2026年1月期)の通期は、純売上高が前年から4.0%減、既存店売上高が3.1%減でした。調整後1株利益は1.62ドルです。

今後の経営方針:通期見通しを引き上げ、自社株買いを再開

会社は8月に通期の見通しを引き上げました。

・純売上高、既存店売上高:-1.5%〜横ばい(3月時点は-2%〜横ばい)
・調整後営業利益率:3.5〜4.0%
・調整後1株利益:1.80〜2.40ドル(3月時点は1.00〜1.60ドル)
・設備投資:350〜400百万ドル

自社株買いも、2026年中に最大1億ドルで再開します。借入にも変化があり、長期債務は1,325百万ドルで前年より195百万ドル減りました。CEOのマイケル・ベンダー氏は「実行している取り組みが正しい方向に向かっていると確信している」と述べています。

TipRanksによると、今回格上げしたCharles Grom氏も、「立て直しはまだ初期段階」としながら、来店客数が年初の高い1桁増から6月に中程度の1桁増に落ち着いている点を評価しています。目標株価は27ドルです。

株価の展望:強気材料と弱気材料

まず強気材料です。

①通期の1株利益見通しが引き上げられ、利益の水準が3月時点より大きく上がった。
②自社株買いの再開と債務の削減で、財務面の改善が進んでいる。
③アナリストの格上げが出た。Gordon Haskettの目標株価は27ドル。

次に弱気材料です。

①売上は前年割れが続いている。第2四半期の売上は、アナリストの予想(約34億ドル)にも届かなかった。
②利益の改善の一部は関税の払い戻しという一時的な要因で、来期以降も続くとは限らない。
③アナリスト全体の評価は「Hold」(買い2、中立5、売り4)で、平均目標株価は18ドル。現在の株価はそれを大きく上回る。UBSは目標株価9ドルの「Sell」としている。

個人的には、約2倍に上がった後ですので、期待が先に織り込まれている面があると見ています。注目しているのは、関税払い戻しなどを除いた売上が、本当に下げ止まるかどうかです。次の決算では、既存店売上高がプラスに転じるかを確認したいと思います。もちろん上がるか下がるかは誰にも分かりませんので、断定はしません。

円換算の金額は為替によって変わりますので、ご自身で最新のレートを確認してください。

まとめ:格上げで急騰、ただし売上の回復はこれから

コールズは、アナリストの格上げをきっかけに約10%上昇しました。通期見通しは引き上げられましたが、売上はまだ減っており、利益には一時的な要因も含まれています。強気と弱気の両方を踏まえて、冷静に見ていきたい銘柄です。

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

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出典:Kohl’s 2026年度第2四半期 決算資料、TipRanks、goldesel

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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