どうも、ひろきちです。
今日(2026年9月3日)の東京株式市場を振り返ります。日経平均株価は前日比111円16銭安の64,214円48銭で取引を終えました。指数だけ見ると小幅安ですが、中身はかなり波乱含みの一日でした。日銀の高田創審議委員がタカ派(金融引き締めに前向き)な発言をしたことで為替が円高方向に急に動き、輸出関連株の重しになった一方、金利上昇を追い風にする銀行株や、米バークシャー・ハサウェイの投資意欲が話題になった商社株は逆行高となりました。結論から言うと、「日経平均は下げたけど、中身は銀行・商社が主役の一日」でした。
今日の指数の動き
前日(9月2日)はイラン空爆を契機に日経平均が1,889円安と大きく下落しています。前日の相場についてはこちらの記事でもまとめています。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 64,214.48円 | -111.16円 | -0.17% |
| TOPIX | 4,112.19 | +30.59 | +0.75% |
| グロース250 | 776.09 | -1.39 | -0.18% |
| ドル円 | 157.30円 | -2.40円 | (円高) |
この表を見ると分かる通り、日経平均が下げた一方でTOPIX(東証株価指数)はプラスで終えています。同じ東京市場なのに方向感が分かれたのは、日経平均が値がさの半導体関連株や輸出関連株の値動きに影響されやすいのに対し、TOPIXは銀行株や商社株など「時価総額は大きいけれど日経平均への寄与度は低い」銘柄群の動きを強く反映するためです。東証グロース市場250指数は前日比1.39ポイント安の776.09ポイントとほぼ横ばいで終えました(ただし後述するティアフォーのように、個別では大きく買われた銘柄もありました)。
![]()
なぜ動いた?相場を動かした材料
今日の相場を動かした材料は大きく3つありました。
①日銀の高田創審議委員が9月2日に札幌市内で講演し、「一定のペースにとらわれず機動的に対応する」として、連続的な利上げも「あり得る」との考えを示しました。これがタカ派的(金融を引き締める方向)と受け止められ、為替市場でドル売り・円買いが進みました。ドル円は15時台に157円30銭前後まで下落し、前日比では2円40銭の円高(-1.50%)。NY時間に入るとさらに円買いが強まり、一時158円台まで進んだと報じられています。円高は輸出企業の採算を悪化させるため、自動車や電機など輸出関連株の重しになりました。
②一方で、円高は金融政策の正常化(利上げ)への期待の裏返しでもあります。金利が上がれば銀行の貸出利ざやが改善するため、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株には買いが入りました。この「銀行株買い・輸出株売り」のねじれが、日経平均とTOPIXの方向感の違いを生んだ形です。
③前日(9月2日)の米国市場は総じて堅調で、NYダウは前日比295.07ドル高の53,061.95ドル、S&P500は前日比0.46%高の7,666.60と、2カ月ぶりの高値圏で取引を終えています。ただし今日の東京市場では、この米国株高よりも日銀発言による為替の動きの方が材料として強く意識され、指数の方向性を決めた印象です。
今日話題になった銘柄と、その理由
今日は「バークシャー・ハサウェイ」と「自動運転」という2つのキーワードで大きく動いた銘柄がありました。下のグラフは、話題になった4銘柄の騰落率を比較したものです。自動運転関連のティアフォーが突出して大きく買われ、商社2社と銀行株がそれに続く形になっているのが分かります。
| 銘柄(コード) | 終値 | 騰落率 | 注目された理由 |
|---|---|---|---|
| 三菱商事(8058) | 5,099円 | +4.92% | バークシャー・ハサウェイCEOの商社株買い増し発言 |
| 住友商事(8053) | 1,867円 | +4.42% | バークシャー子会社が保有比率を引き上げ |
| 三菱UFJ FG(8306) | 3,754円 | +1.90% | 日銀の利上げ観測で銀行株に買い |
| ティアフォー(593A) | 3,040円前後 | +19.7%前後 | 自動運転ソフト「Autoware」への期待 |
三菱商事(8058)・住友商事(8053)
米投資会社バークシャー・ハサウェイのグレッグ・アベルCEOが9月3日、日本経済新聞のインタビューに応じ、伊藤忠商事・丸紅・三井物産・三菱商事・住友商事の日本の5大商社株について、今後も長期にわたって保有し続ける意向を示したと報じられました。これを受けて三菱商事は前日比239円高の5,099円(+4.92%)、住友商事は同79円高の1,867円(+4.42%)まで買われました。バークシャーはすでに5大商社それぞれの株式を10%超保有しているとされ、「世界的な著名投資家が長期保有を約束している銘柄」という安心感が、値動きの大きさにつながったと考えられます。好業績や増配といった直接的な材料がなくても、著名投資家の発言だけでここまで大きく動くのは、商社株特有の需給構造(バークシャーが保有比率を上げるたびに市場に出回る株数が減る思惑)が背景にあると見られます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
前述の高田審議委員のタカ派発言を受けて、三菱UFJフィナンシャル・グループは前日比70円高の3,754円(+1.90%)まで買われました。銀行株は「金利が上がるほど利ざやが改善して儲かりやすくなる」という分かりやすい構図があるため、利上げ観測が強まるたびに買われやすい業種です。ただし上昇率が商社株ほど大きくなかったのは、9月17〜18日の金融政策決定会合まで実際に利上げが決まるかどうかはまだ不確実で、材料としてはやや織り込み待ちの段階だったためと考えられます。
ティアフォー(593A)
東証グロース市場に上場している自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」開発のティアフォーは、前日比で約20%という大きな上昇率になりました(複数の報道で19.7%〜20.1%程度と伝えられています)。背景には、トヨタ自動車が2028年に「レベル2++」と呼ばれる、ほぼ手放し運転に近い運転支援技術を投入すると報じられたことがあり、自動運転関連の技術需要への期待が投資家の関心を集めたとみられます。上場して間もない銘柄で発行済み株式数が少なく値動きが軽いことも、これだけ大きな上昇率になった一因と考えられます。値がさの大型株と違って、こうした新興銘柄は材料ひとつで株価が数割単位で動くことがある点は覚えておきたいところです。
個人投資家としてどう見るか
積立投資でコツコツ買っている人にとっては、今日のような「指数がねじれる日」は正直あまり気にしなくていいと、ひろきちは思います。日経平均とTOPIXが逆方向に動いたと聞くと相場が荒れているように感じますが、実際の下落幅は0.17%とごく小幅で、長期の資産形成という意味では誤差の範囲です。むしろ「なぜ銀行株が買われて自動車株が売られたのか」という値動きの理由を知っておくと、次に似たような場面が来たときに慌てずに済むというメリットの方が大きいと感じます。
一方、短期での値動きを狙う人にとっては、今回のような「為替が動くと銘柄群ごとに明暗が分かれる」相場は狙い目になり得ます。日銀の利上げ観測が今後も続くようなら、銀行株や保険株といった金融セクター、逆に自動車・電機などの輸出関連株には引き続き注意が必要です。ティアフォーのような新興の値動きの軽い銘柄は上下どちらにも振れやすいので、追いかけて飛び乗るより、材料の中身を理解してから判断することをおすすめします。
明日以降の注目ポイント
①日銀関係者からの追加発言や、9月17〜18日の金融政策決定会合に向けたドル円の動き。円高がさらに進むかどうかは輸出関連株の重しになるかを左右します。
②トヨタ自動車をはじめとする自動車大手の決算発表や、自動運転・生産計画に関する続報。ティアフォーのような関連銘柄への物色が続くか要注目です。
③バークシャー・ハサウェイの日本の商社株への保有比率がさらに切り上がるかどうかの続報。商社株全体への資金流入が続くかを占う材料になりそうです。
引き続き、無理せずコツコツと。明日もよろしくお願いします!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
(本文中の株価・指数は日本経済新聞、共同通信、Bloomberg、松井証券マーケット情報等の報道・データを基にしています)
English version is here → English version
いつも読んでいただきありがとうございます。下のバナーをポチッと応援クリックしていただけると、ひろきちの励みになります!



コメント