どうも、ひろきちです。
本日(10/13)の日本株市場で、HEROZ(4382)が前日比+27.09%の1,398円まで買われ、年初来高値を更新しました。7月13日につけた年初来安値の690円から、ほぼ2倍の水準です。
ただ、今回の上昇について、HEROZ自身が出した新しい材料は確認できませんでした。そこで今回は、どんな会社で、業績はどうなのか、そして今後の株価をどう見るかを整理していきます。
HEROZはどんな会社?
HEROZは、将棋AIで知られる「AI(人工知能)」の会社です。現在は、大きく2つの事業で稼いでいます。
・AIX事業:AIを使ったアプリやサービスの事業です。個人向け(BtoC)と企業向け(BtoB)があります。企業向けでは、AIアシスタント「HEROZ ASK」が成長しています。
・AI Security事業:子会社のバリオセキュアが手がける、企業のネットワークを守るセキュリティの事業です。
「HEROZ ASK」は、2026年4月末にARR(年間経常収益)が2億円を超え、契約顧客は約430社です。月次では貢献利益ベースの黒字になった、と会社は説明しています。
バリオセキュアは、株式交換によってHEROZの完全子会社になりました。つまり、HEROZは「AI」と「サイバーセキュリティ」の両方の顔を持つ会社です。今回、セキュリティ関連株が注目されている流れに乗った可能性はありますが、会社が理由を開示したわけではないため、あくまで推測です。
株価と投資指標:年初来安値から約2倍
10/13(火)の終値は1,398円で、前日比+298円(+27.09%)でした。前日の終値は1,100円です。年初来高値は本日更新した1,398円、年初来安値は2026年7月13日の690円です。
主な投資指標は次のとおりです(10/13 15:30時点、株探より)。
・時価総額:約250億円
・PER(会社予想):約75倍(PERは株価が1株利益の何倍かを示す、割安さの目安)
・PBR(実績):4.32倍(PBRは株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標)
・配当利回り:0%(無配)
PERは約75倍と高めで、利益の成長を先取りしている水準です。配当は出ていないため、株価の値上がりが主な魅力になる銘柄です。
なお、6月にも、子会社株式の売却益で最終利益予想を大きく上方修正した際に、一時ストップ高まで買われた経緯があります。値動きの大きい銘柄だと分かります。
業績チェック:利益が回復基調
業績は、売上が着実に伸びる中で、利益が回復してきています。決算短信などをもとにまとめました。
| 決算期(4月期) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 2024年4月期 | 48.41億円 | 4.51億円 |
| 2025年4月期 | 59.29億円 | 3.06億円 |
| 2026年4月期 | 64.24億円 | 5.23億円 |
| 2027年4月期(会社予想) | 68.00億円 | 8.00億円 |
この表から、2025年4月期は新しいサービスへの先行投資で営業利益が減ったものの、2026年4月期に+70.7%と大きく回復し、2027年4月期はさらに8億円を見込んでいることが読み取れます。
2026年4月期の最終利益は3.76億円の黒字でした(前期は1.77億円の赤字)。ただし、この中には子会社株式の売却益約3.11億円が含まれています。本業だけで稼いだ利益ではない点に注意が必要です。
2027年4月期の最終利益予想は3億円で、前期より20.2%減る見通しです。会社は、売却益を除いた実質ベースでは82.2%の増益になると説明しています。
直近の2027年4月期第1四半期(5〜7月、9/11発表)は、売上高16.43億円(前年同期比+8.5%)、営業利益1.80億円(同+52.8%)でした。利益が大きく伸びています。
今後の経営方針:「AI BPaaS」で非連続な成長を狙う
会社が掲げる方向性は、次の3つです。
・「HEROZ ASK Cowork」を軸にした「AI BPaaS」という新しいカテゴリーの創出(AIが業務そのものを代行するサービスのイメージです)
・バリオセキュアを、AIがセキュリティ対応を支援する「AI Securityエージェント」へ進化させる
・M&A(買収)と自力の成長の両輪で、連続的ではない成長を狙う
2027年4月期の計画には、バリオセキュアの完全子会社化やAKMコンサルティングの連結開始などが前提として含まれています。具体的な中期の数値目標は、今回確認した資料には見当たりませんでした。
株価の展望:強気材料と弱気材料
【強気材料】
① 利益の回復:2027年4月期の営業利益予想は8億円(前期比+52.9%)で、第1四半期もその流れに乗っています。
② 成長中の新サービス:「HEROZ ASK」は契約約430社に広がり、ARRは2億円を突破しました。ここが伸びれば、利益率の改善が期待できます。
③ セキュリティ関連としての注目度:バリオセキュアを通じてAI Securityを持つため、セキュリティを国策テーマとする相場の恩恵を受ける可能性があります。
【弱気材料】
① 割高感:PERが約75倍と高く、期待が先行しています。1日で27%上がった後だけに、値動きが荒くなりやすい水準です。
② 上昇理由がはっきりしない:今回の急騰は、会社の新しい開示によるものではないと見られます。テーマ性や需給で動く株は、熱が冷めると元の水準に戻ることがあります。
③ 最終利益の質:2026年4月期の最終黒字は売却益に支えられており、2027年4月期の最終利益予想は減益です。本業の利益をどこまで積み上げられるかが問われます。
個人的には、「AI」と「セキュリティ」という2つのテーマを持つ点は魅力だと思います。一方で、今回の急騰は材料が不明確なので、追いかけて買うのは慎重になりたい、というのが私の見方です。次の決算で、本業の利益が計画どおり伸びているかを確認したいところです。最終判断はご自身でお願いします。
まとめ
・10/13の終値は1,398円(前日比+27.09%)で、7月の安値690円から約2倍
・上昇理由について、会社の新しい開示は確認できず、セキュリティ関連株への買いに連れた可能性がある(推測)
・業績は2026年4月期に営業利益が+70.7%と回復し、2027年4月期は8億円を計画
・PERは約75倍と高く、期待先行の水準に注意
引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
【出典】HEROZ 決算短信・決算説明資料(2025〜2026年)、株探、ゲームビズ、ログミーファイナンス、各種報道。株価は2026年10月13日の終値(15:30時点)。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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