どうも、ひろきちです。
2026年10月8日、ユニクロを展開するファーストリテイリング(9983)が2026年8月期の決算を発表しました。
売上収益は3兆9633億円、前の期より16.6%増えて5期連続で過去最高を更新しています。この数字で、スウェーデンのH&Mを上回り、アパレル企業として売上高で世界2位に浮上する形になったと報じられています。
日本の会社がここまで来たのかと、素直に驚いた決算でした。そこで今回は、決算の中身、今後の経営戦略、そして気になる株価の展望まで、できるだけ平易にまとめます。
ファーストリテイリングはどんな会社?ユニクロだけではない稼ぎ方
ファーストリテイリングは、ユニクロ、GU(ジーユー)などを運営する衣料品の会社です。創業者の柳井正氏が率いています。日本では「ユニクロの会社」として知られていますが、いまの稼ぎ頭は日本ではなく海外のユニクロです。
2026年8月期の事業別の売上は次のとおりです(会社IR資料より)。
- ユニクロ海外:2兆4111億円(前期比+26.2%)
- ユニクロ日本:1兆848億円(同+5.7%)
- GU:3367億円(同+1.8%)
- グローバルブランド:1285億円(同-2.3%)
売上全体の約6割を海外ユニクロが占めています。ここ数年で「日本の会社」から「世界で戦う会社」へ、中身が変わってきました。
アパレル世界2位とは?H&Mとの差とインディテックスとの距離
世界のアパレルでは、ZARAを運営するスペインのインディテックスが首位です。会社の公開ランキングでは、売上高は約7.3兆円規模とされています。2位がこれまでH&M、3位がファーストリテイリングでした。
今回の売上3兆9633億円に対し、H&Mは今期(11月期)の売上高を2227億スウェーデンクローナ(約223億ドル)とするアナリスト予想があり、ファーストリテイリングがこれを上回る見通しと報じられています。
ここで一つだけ補足します。H&Mの決算期は11月で、確定した数字はまだ出ていません。また為替の影響で円換算の順位は動きます。ですので、正式な確定は来年のH&M決算を待つことになります。ただ、成長の勢いを見るとこの流れは変わりにくいと個人的には思います。首位のインディテックスとの差は、まだ約3.3兆円と大きく開いています。
2026年8月期決算をチェック:海外ユニクロが利益を牽引
まず全体の数字です(出典:ファーストリテイリング IR「2026年8月期 決算サマリー」)。
- 売上収益:3兆9633億円(+16.6%)
- 事業利益:7184億円(+30.4%)
- 親会社の所有者に帰属する当期利益:5425億円(+25.3%)
事業利益とは、本業で稼いだ利益のことで、会社が経営の物差しとして重視している指標です。売上が1割台後半で伸びているのに、利益は3割も伸びています。売れた分だけ儲けが増えやすい体質になっている点がポイントです。
地域別の海外ユニクロを見ると、成長の中心がよく分かります。
| 地域 | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|
| 大中華圏 | 7240億円(+11.3%) | 1120億円(+24.6%) |
| 韓国・東南アジア・インド・豪州 | 8094億円(+30.7%) | 1683億円(+44.0%) |
| 北米 | 3649億円(+34.6%) | 679億円(+53.3%) |
| 欧州 | 5126億円(+38.7%) | 917億円(+69.0%) |
この表から、北米と欧州の合計売上が、はじめて大中華圏を上回ったことが分かります。中国一本足と言われた時代から、欧米に広がった形です。欧州は事業利益率が17.9%まで上がっており、「売れるだけでなく、しっかり儲かる」段階に入ってきました。
一方で気になる点もあります。国内ユニクロの第4四半期は既存店売上が前年を4.0%下回りました。GUも第4四半期は売上が落ち込み、事業損失になっています。欧州も秋冬物が気温の高さで苦戦したと説明されています。好調な通期の数字の裏に、足元の弱さも見えています。
今後の経営戦略:目指すは世界一とアジア・欧米の出店拡大
2027年8月期の会社予想は次のとおりです。
- 売上収益:4兆4500億円(+12.3%)
- 事業利益:8300億円(+15.5%)
- 親会社の所有者に帰属する当期利益:5600億円(+3.2%)
- 年間配当:900円(今期は850円)
注目したいのは、当期利益の伸びが+3.2%と控えめな点です。事業利益は伸びるのに当期利益が伸びにくいのは、今期に為替など金融面の利益が大きかった反動と考えられます。ここは数字の見かたに注意が必要だと思います。
戦略の柱は3つあります。
- 海外出店の加速:2027年8月期末の総店舗数を3545店とする計画で、うちユニクロ海外は1752店です。東南アジアでは年間売上50億円超の店が60店あり、これを200店に増やす目標です。
- 欧米での成長:北米・欧州の高い成長率を維持し、世界一を狙う基盤にします。柳井氏は「世界一になるための挑戦は新しいステージに入る」と述べています。
- 人材への投資と経営体制:優秀な人材には高い報酬が必要という考えのもと、200人の経営幹部候補を選ぶなど、チームで経営する体制づくりを進めています。
またGUについては、クリエイティブディレクターにフランチェスコ・リッソ氏を迎えて商品を刷新する方針で、柳井氏は「ユニクロを超える可能性がある」と語っています。ただ、足元は苦戦中なので、ここは結果を見て判断したいところです。
株価と投資指標:PERは40倍台と高め
株価は、10月9日朝(9時18分時点)で7万3950円と、前日比-1.14%の水準で始まっています(Yahoo!ファイナンス等で確認。終値ではなく日中の値です)。年初来高値は7月8日の8万8690円で、そこからは調整している形です。
指標は、10月6日時点でPERが46.07倍、PBRが8.75倍でした(出典:マネックス証券 銘柄スカウター)。PER(株価が1株利益の何倍かを示す割安さの目安)が高いほど、将来の成長が期待されていることを意味します。日本の大型株の中でも、かなり高い評価を受けている水準です。
配当は、年間850円(中間320円+期末530円)で、前期の500円から大幅に増えました。今の株価で計算すると配当利回りは約1.1%です。配当目当てで買う銘柄ではなく、成長に期待して持つ銘柄だと思います。
株価の展望:強気材料と弱気材料
ここからは、今後の株価に影響しそうな材料を整理します。強気と弱気の両方を挙げます。
強気材料
- 海外ユニクロの高成長が続いている:売上+26.2%、事業利益+44.1%と、規模が大きくなっても勢いが落ちていません。
- 2027年8月期も増収増益の予想:売上4.45兆円、事業利益8300億円と、増益が続く計画です。
- 株主還元が強まっている:年間配当は850円から900円へ増える計画です。
弱気材料
- PER40倍台の高い期待値:好決算でも株価が素直に上がらないことがあります。実際、決算翌朝は下落して始まりました。
- 足元の弱さ:国内ユニクロの第4四半期既存店売上は-4.0%、GUは第4四半期が赤字でした。気温などの天候要因にも左右されます。
- 為替と地政学の影響:会社の来期予想は1ドル156.2円、1ユーロ181.8円が前提です。円高に振れると円換算の利益は目減りします。大中華圏も現地通貨ベースでは売上+3%程度にとどまります。
個人的には、事業の勢いは本物だと見ています。ただ、すでに高い期待が株価に織り込まれているため、短期の値動きは読みにくいと思います。買うなら一括ではなく、時期を分けて少しずつ、というスタンスが無難ではないでしょうか。もちろん、これはあくまで個人の見方です。
まとめ:世界2位は通過点。ただし株価は期待との勝負
今回のポイントを整理します。
- 売上収益は3兆9633億円(+16.6%)で5期連続の過去最高。H&Mを上回り、アパレル世界2位に浮上する形になった(確定は来年のH&M決算待ち)
- 牽引役は海外ユニクロ。北米・欧州の合計が、はじめて大中華圏を上回った
- 来期は売上4.45兆円、事業利益8300億円を予想。配当は900円へ増配予定
- PERは40倍台と高く、期待値が大きい分、株価は期待との勝負になる
引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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