どうも、ひろきちです。
今日は9月17日(木)の米国市場を振り返ります。前日にFRB(米連邦準備制度理事会)が3年ぶりの利上げに踏み切って株が売られた反動もあり、この日はNYダウ・S&P500・ナスダック総合の3指数がそろって反発しました。特にナスダックは1.69%高と大きく戻し、長期金利の上昇一服と原油安が支えになった格好です。個別では、アマゾンとの大型契約が発表されたジェネラック(GNRC)が1日で18%を超える急騰を見せました。
3指数そろって反発、ナスダックは1.69%高
まずは主要3指数の動きです。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 51,778.04 | +316.14 | +0.61% |
| S&P500 | 7,637.76 | +85.95 | +1.14% |
| ナスダック総合 | 26,418.30 | +439.87 | +1.69% |
この表を見ると分かる通り、ハイテク株の比率が高いナスダックの戻りが一番大きく、次いでS&P500、NYダウの順でした。恐怖指数と呼ばれるVIX(変動性指数)は15.44まで低下し、前日比で12.82%も下がっています。これは投資家の警戒感がかなり和らいだことを示していて、前日の急落が「行き過ぎ」だったと市場が判断したように見えます。
なぜここまで戻したのか。ひろきちの見立てでは、材料そのものは前日と同じFOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げなのですが、「利上げは決定済みで不透明感が消えた」ことと、「長期金利と原油価格が同時に落ち着いた」ことの2つが効いたと思います。相場は「分からないこと」を一番嫌うので、結果が出た後に買い戻しが入るのはよくあるパターンです。
相場を動かした材料:FOMC利上げ後の一服とオイル安
前日9月16日のFOMCで、FRBは政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%とすることを全会一致で決めました。2023年7月以来、実に3年ぶりの利上げです。ウォーシュFRB議長は「インフレが高すぎる状態があまりに長く続いている」と発言し、年内にもう1回の利上げがあり得るとの姿勢を示しました。この発言を受けて前日は長期金利が急上昇し、10年債利回りは一時5.01%と19年ぶりの高水準まで上昇していました。
この日はその反動が出ました。Investradeの市況データによると、10年債利回りはこの日0.059ポイント下げて4.944%に落ち着き、原油(WTI)も1バレル100.41ドルまで下落しています(前日比2.02ドル安)。中東ではイラン情勢の緊迫とサウジアラビアの東西パイプライン停止が続いており、原油の先高観自体は消えていませんが、この日は米国の在庫増加観測などから一服する形になりました。金利と原油という「インフレを刺激する2つの要因」が同時に落ち着いたことが、株買いの安心材料になったとひろきちは見ています。
為替はドル高・円安が継続し、ニューヨーク市場でドル円は155円34銭まで下落した後、156円11銭まで戻して引けました(出典:財経新聞)。利上げ後もドル買いが優勢という状況です。
経済指標も株式市場にはおおむね好材料でした。週間の新規失業保険申請件数は19万6000件と、前週の20万6000件や市場予想の20万8000件を下回って改善。フィラデルフィア連銀の景況指数は9月に37.8と8月の47.4からは低下したものの、市場予想の30.5は上回りました(出典:Investrade Mid-Morning Look)。一方で8月の住宅着工件数は前月比2.6%減と市場予想を下回っており、住宅ローン金利の上昇が重荷になっている様子もうかがえます。
話題になった銘柄:ジェネラックが18%急騰、コアウィーブは4%安
この日、特に値動きが目立った5銘柄を見ていきます。
| 銘柄 | 終値 | 騰落率 | 材料 |
|---|---|---|---|
| ジェネラック(GNRC) | $207.23 | +18.34% | アマゾンとデータセンター向け発電機で最大80億ドルの供給契約 |
| エヌビディア(NVDA) | $219.34 | +2.54% | 半導体指数(SOX)が3%高、AI関連株の反発をけん引 |
| テスラ(TSLA) | $366.20 | +2.27% | 消費関連・ハイテク株全体高の流れに乗る |
| アマゾン(AMZN) | $251.19 | +2.13% | GNRCとの発電機契約を発表、データセンター電力戦略を評価 |
| コアウィーブ(CRWV) | $79.88 | -4.16% | 30億ドルの転換社債と最大3500万株の増資発表で希薄化懸念 |

この図を見ると、ジェネラックの上昇幅が他の銘柄と比べて突出していることがよく分かります。反対にコアウィーブだけがマイナスになっていて、同じ「AIデータセンター関連」というくくりの中でも明暗が分かれた1日でした。
一番のサプライズはジェネラック(GNRC)です。非常用発電機メーカーのジェネラックは、アマゾンのデータセンター向けに非常用発電機を供給する長期契約を結んだと発表しました。契約総額は最大80億ドルにのぼり、2027〜2028年の初期納入分だけで24億ドル規模になる見込みです。加えてアマゾンはジェネラック株を取得できるワラント(新株予約権)も取得しました。JPモルガンやキャンコードなど複数の証券会社が目標株価を引き上げ、ウェルズ・ファーゴは「アマゾンのディーゼル発電機調達の5割近くを取り込める可能性がある」と評価しています。AIデータセンターは大量の電力を消費するため、その非常用電源を誰が担うかという「AI電力問題」の象徴的なニュースとして受け止められました。
エヌビディア(NVDA)は2.54%高の219.34ドルで終えました。前日の急落から一転、半導体株全体が買われる中で反発し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)はこの日3%高となっています。インテルやアーム、マーベル、マイクロンなど関連銘柄もそろって上昇しており、AI投資への期待が根強いことがうかがえます。
一方でコアウィーブ(CRWV)は4.16%安の79.88ドルと、この日数少ない下落銘柄の一つになりました。理由は30億ドル規模の転換社債発行と、最大3500万株の普通株を追加で売り出す「ATM(アット・ザ・マーケット)」プログラムを発表したことです。AI向けのクラウド基盤を拡大するための資金調達ですが、既存株主にとっては株式の希薄化(1株あたりの価値が薄まること)につながるため、株価は売られました。出来高は直近3カ月平均の176%増と、かなりの商いになっています。同業のネビウス・グループ(NBIS)が4.12%高、アイレン(IREN)が2.02%高だったのとは対照的で、「同じAIインフラ株でも、資金調達の中身次第で評価が分かれる」ことを示した1日でした。
テスラ(TSLA)は2.27%高、アマゾン(AMZN)は2.13%高と、いずれも市場全体の反発に沿って堅調でした。アマゾンについては前述のジェネラックとの契約の「発注側」として、データセンターの電力戦略が評価された面もありそうです。
セクター・ETFの動き:半導体とハイテクが主導、金融とエネルギーは劣後
セクター別では、テクノロジー(XLK)、一般消費財・サービス(XLY)、素材(XLB)が上昇率の上位に入り、半導体株を中心とするSOX指数は3%高でした。反対に金融(XLF)とエネルギー(XLE)は上昇幅が小さく、相対的に見劣りする1日となりました(出典:Investrade Mid-Morning Look)。ゴールドマン・サックスは自社のトレーディング部門の業績見通しがやや軟調になるとコメントし、株価は前日に続いて下落しています。
日本の個人投資家にもなじみのあるETFで見ると、S&P500全体に連動するVOOやVTIはこの日の指数上昇にほぼ沿って上昇したとみられます。一方で高配当ETFのSPYD・HDV・VYMは、構成銘柄に金融・エネルギーの比率が高いため、ナスダック連動のQQQほどの戻りにはならなかった可能性が高い点は覚えておきたいところです。金(ゴールド)はやや上値が重く、4,380.60ドルで前日比0.16%の小幅安でした。
今日の日本株・注目点
最後に、この日の米国市場を受けた日本株への影響を、ひろきちなりに3点に整理しておきます。
①半導体・AI関連への追い風:エヌビディアをはじめ米半導体株がそろって上昇したため、東京市場でも東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株には買いが入りやすい地合いだと考えられます。
②日銀会合の結果に注目:この日の夜(日本時間)には日本銀行の金融政策決定会合の結果が控えており、0.25%の利上げが市場では広く予想されています。米国の利上げ一服と重なるタイミングでの日銀の動きは、ドル円相場や輸出関連株への影響が大きいため要注目です。
③「AI電力」関連は要チェック:ジェネラックの急騰が示すように、AIデータセンターの電力インフラに関わる銘柄は世界的なテーマになっています。日本の発電設備・電力関連企業にも同様の物色が及ぶ可能性があるため、ひろきちも注目していきたいと思います。
なお、この日の数値のうち、原油や10年債利回りについては複数の速報値が出回っており、記事執筆時点で確定値とわずかに異なる可能性がある点はご了承ください。
今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
前営業日の記事はこちら → 【米国株まとめ】9月16日はFOMC後にNYダウ631ドル安!3年ぶり利上げとウォーシュ発言に神経質な反応
この日の日経平均の動きはこちら → 【日経平均まとめ】2026年9月17日は213円高の6万4136円!防衛関連株が急伸、任天堂はゲームショウ効果で4%高
English version is here → [U.S. Market Recap] Sept 17: Nasdaq Jumps 1.69% as All Three Indexes Rebound, Generac Soars 18% on Amazon Deal
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