どうも、ひろきちです。
今週最初の取引日となった10月5日の米国市場は、NYダウ・S&P500・ナスダックの主要3指数がそろって上昇しました。なかでもナスダック総合は1.05%高と大きく伸びて最高値を更新しています。
この日一番目を引いたのは、産業用ソフトウェア企業PTCが34%も急騰したこと。
シュナイダーエレクトリックによる大型買収が発表されたためです。一方で、同じM&A関連でもC.H.ロビンソンは11%近く下落するなど、明暗がくっきり分かれた一日でした。
今日はこのあたりを中心に振り返っていきます。
NYダウ・S&P500・ナスダック、3指数そろって上昇
まずは主要3指数の終値からおさらいします。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 51,267.90 | +90.94 | +0.18% |
| S&P500 | 7,773.95 | +51.23 | +0.66% |
| ナスダック総合 | 27,477.31 | +286.45 | +1.05% |
NYダウは小幅な上昇にとどまりましたが、ナスダックは1%超の上昇で最高値を更新しました(情報源:株探、財経新聞)。NYダウの上昇率が相対的に小さかったのは、後述するナイキの格下げなど、個別の下げ材料も混じっていたためです。
序盤こそ売りが先行する場面もありましたが、取引が進むにつれてハイテク株を中心に買いが優勢になり、ナスダックは終日プラス圏を維持しました。一方で気になるのが、米10年債利回りが5.315%まで上昇し、52週ぶりの高水準を付けたことです。株価は上がっているのに長期金利も同時に上がるという、やや珍しい組み合わせになりました。
相場を動かした材料:弱い雇用統計とFOMC据え置き観測
今回の株高の背景には、先週末(10月2日)に発表された9月の雇用統計があります。非農業部門雇用者数は2万9000人増と市場予想を大きく下回り、失業率も4.2%へ上昇しました(情報源:OANDA証券)。労働市場の軟化がはっきりしたことで、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを急ぐ必要はないとの見方が強まり、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatchツールでは、10月のFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置く確率が8割前後まで上昇しています。この「利上げが遠のいた」という安心感が、ハイテク株を中心とした買いにつながったとみられます。
ただし、その一方で長期金利は逆に上昇するというねじれも起きました。市場では「ハイテクの大型株は利上げ観測の後退で買われ、長期債は別の需給要因で売られる(利回りは上昇する)」という二極化が指摘されています(情報源:The Street)。この日はISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況指数などサービス業関連の経済指標も発表されましたが、具体的な結果は裏取りできなかったため、ここでは空欄にしています。
話題になった銘柄:M&Aが相場を動かした一日
PTC(PTC):シュナイダーエレクトリックが226億ドルで買収、+34%
この日もっとも大きく動いたのが、工業用ソフトウェア大手のPTC(PTC)です。株価は34%急騰しました。仏シュナイダーエレクトリックが、PTCを226億ドル(約3.4兆円)の全額現金で買収すると発表したことが材料です(情報源:株探)。買収価格には市場の事前予想を上回るプレミアムが乗ったとみられ、買収が発表された銘柄ではよくあることですが、「このまま取引が成立すれば提示価格で株を売れる」という思惑から、株価は提示価格に近づく形で一気に跳ね上がりました。
RXO(RXO)とC.H.ロビンソン(CHRW):同じM&Aで明暗が分かれた理由
運送仲介(フレートブローカー)を手がけるRXO(RXO)も22.5%高と大きく買われました。理由は、同業大手のC.H.ロビンソン(CHRW)がRXOを58億ドルで買収すると10月5日に発表したためです。提示額は1株30.25ドルで、RXOの10月2日終値に対して約29%のプレミアムがついています(情報源:CCJ Digital、MDM)。
ここで面白いのが、買収される側のRXOが急騰した一方、買収する側のC.H.ロビンソンは10.9%も下落したことです。「なぜその値動きになったのか」というと、買収される会社の株主は提示価格という目安が付くため株価が提示価格に近づく形で上がりやすいのに対し、買収する会社は多額の資金(現金と株式の組み合わせ)を払って相手を取り込むため、統合コストや資金負担への警戒から株価が下がりやすい、というM&Aのときによくあるパターンです。両社は北米のトラック輸送・管理輸送事業を統合し、2年以内に年間3億ドルのコスト削減を見込むとしています。クロージング(取引完了)は2027年上半期の予定です。
セレブラス(CBRS):AI半導体の新興勢、OpenAIとの関係で+9.1%
2026年に新規上場したばかりのAI向け半導体企業、セレブラス・システムズ(CBRS)も9.1%上昇しました。OpenAI最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマン氏の発言をきっかけに、同社とOpenAIとの提携関係にあらためて注目が集まったことに加え、クラウド事業の収益が急速に伸びていることも材料視されたようです。エヌビディア一強とみられていたAI半導体市場で、セレブラスが有力な対抗馬になり得るかが投資家の関心を集めています。
ナイキ(NKE):S&P格下げで-2.9%、関税コストが重荷に
逆に下落したのがスポーツ用品大手のナイキ(NKE)で、2.9%安となりました。格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが、ナイキの信用格付けを「A+」から「A」へ1段階引き下げたことが直接の材料です(情報源:The Street)。ナイキはこれまでも関税コストの増加(年間で約10億ドルと見積もられています)や、値引き販売による利益率の低下を理由に格下げを受けてきており、今回はその流れが続いた形です。収益性の回復には複数年かかるとの見方が多く、格下げのたびに「立て直しにはまだ時間がかかりそうだ」という警戒感が株価に出やすくなっています。
セクター・ETFへの影響
ナスダックが最高値を更新したことから、QQQなどハイテク株中心のETFは堅調だったとみられます。一方で、VYMやHDV、SPYDといった高配当ETFにはナイキのような個別の下げ材料も組み入れられているため、ハイテクほどの勢いはなかった可能性があります。ただし、この日のセクター別の詳細な騰落データ(業種ごとの上昇率・下落率)は裏取りできなかったため、ここでは個別銘柄の動きからの推測にとどめ、断定は避けておきます。

上のグラフは、今回取り上げた5銘柄の騰落率を比較したものです。PTCとRXOの急騰、C.H.ロビンソンの下落という「買収する側とされる側」の明暗が一目で分かります。
今日の日本株・注目点
米国市場の上昇を受けて、今日の日本株も底堅いスタートが期待できそうです。注目しておきたいポイントは次の3つです。
①ナスダックの最高値更新を受け、国内でも半導体・AI関連株に資金が向かいやすい地合いが続くか
②長期金利の上昇(5.315%)が続くようだと、グロース株には逆風となる可能性がある点
③PTC・RXOのような大型M&Aのニュースが相次いでおり、国内でも関連する物流・ソフトウェア銘柄の値動きに波及がないか
なお、本日のドル円やVIX指数、日経平均先物の具体的な水準については裏取りできなかったため、この記事では触れていません。
今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
前回(10月2日)の米国株まとめはこちら→【米国株まとめ】10月2日(金)はナスダック1.19%高!弱い雇用統計で利上げ観測が後退、エヌビディアが最高値更新
米国ETFの資産状況はこちら→【資産公開】米国ETF 2026年9月結果!評価額2,912,209円、金利上昇で前月比-6.1%も分配金は年初来56,003円に
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