どうも、ひろきちです。
今回は、2026年10月15日にストップ高(1日の値幅制限の上限まで買われること)となったケイブ(3760)を取り上げます。終値は893円、前日比+150円(+20.19%)でした。前日の10月14日に発表された2027年5月期の第1四半期決算で、営業損益が赤字から黒字へ転換したことが材料です。「どんな会社か」「決算は本当に良かったのか」を、数字で確認していきます。
ケイブはどんな会社?ゲーム事業が売上の約92%
ケイブは、スマートフォン向けなどのゲームを開発・運営する会社です。シューティングゲームの老舗として「怒首領蜂(どんぱち)」シリーズで知られています。2026年5月期の売上構成は、ゲームが約110億円(91.8%)、動画配信関連が約10億円(8.2%)でした(株予報の集計)。
2026年10月の第1四半期決算で名前が挙がった主なタイトルは次の4つです。
- 『東方幻想エクリプス』:リリース2.5周年で、復刻キャラクターを中心に堅調
- 『モンスターストライク』:連結子会社のでらゲーが運営。人気IPとのコラボが奏功
- 『キングダム 乱 -天下統一への道-』:外部課金決済の利用率が安定
- 『怒首領蜂大復活』:2026年8月27日にSteamで配信開始
運営型ゲームは、人気IP(キャラクターなどの知的財産)とのコラボで売上が大きく動きやすいのが特徴です。
株価と投資指標:893円、PER4.59倍と低いが理由がある
2026年10月15日の終値は893円(ストップ高)で、年初来高値を更新しました。年初来安値は2026年5月20日の591円です。主な指標は次のとおりです(Yahoo!ファイナンス、10月15日15時30分時点)。
- 時価総額:約61億円(6,107百万円)
- PER(株価が1株利益の何倍かを示す割安さの目安、会社予想):4.59倍
- PBR(株価が1株あたり純資産の何倍かを示す目安、実績):1.72倍
- 自己資本比率(会社の資金のうち返済不要な資金の割合、2026年5月末):27.3%
- 会社予想の1株配当:0円
PER4.59倍は一見とても割安に見えます。ただし、これは2027年5月期の純利益予想12億円(1株利益194.46円)にもとづく数字です。前期は大きな赤字だったため、市場が「その予想は本当に達成できるのか」と半信半疑で見ている面があると思います。
業績チェック:2026年5月期は赤字転落、今期は黒字予想
連結業績は次のとおりです(単位:百万円、決算短信・Yahoo!ファイナンスの業績ページより)。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|
| 2024年5月期 | 12,274 | 1,870 | 1,476 |
| 2025年5月期 | 13,969 | 1,134 | 246 |
| 2026年5月期 | 12,003 | -608 | -2,799 |
| 2027年5月期(会社予想) | 10,500 | 1,450 | 1,200 |
この表から、2年連続で営業利益が減ったあと、2026年5月期に営業赤字へ転落したことが読み取れます。純損失が約28億円と大きいのは、事業ポートフォリオ(事業の組み合わせ)の再構築に伴う減損損失や、子会社譲渡の影響があったとされています。
直近の第1四半期(2026年6〜8月)の結果は、とても良いものでした。
- 売上高:26億8,700万円(前年同期比2.3%増)
- 営業利益:5億5,500万円(前年同期は約5.7億円の赤字)。第1四半期として過去最高
- 経常利益:9億800万円、最終利益:6億5,900万円
- ゲーム事業の売上高は24億4,300万円(同2.6%増)、セグメント利益は5億2,300万円
売上はほぼ横ばいなのに黒字になった理由は、費用の削減です。販管費(営業や管理にかかる費用)が前年同期比29.8%減り、外部課金決済(アプリストアを通さない課金)の拡大で、代金回収手数料も1億4,900万円減りました。なお、経常・最終利益の改善には、保険解約返戻金の計上も寄与したと決算短信の要約にあります。一時的な要素も含まれる点は押さえておきたいところです。
今後の経営方針:コスト構造の改善と外部決済の拡大
会社は、通期の営業利益予想14億5,000万円を据え置きました。第1四半期の営業利益5億5,500万円はその約38%にあたり、想定を上回るペースだと受け止められています。
経営の柱は大きく2つだと見ています。
- 固定費の大幅な削減など、利益が出やすいコスト構造への転換
- 外部課金決済の比率を高めて、手数料負担を減らす(『キングダム 乱』ではWeb Storeの課金額比率が50%超と報じられています)
さらに、『怒首領蜂大復活』のSteam配信で海外ユーザーの獲得も狙っています。
株価の展望:強気材料と弱気材料
強気材料
- (1) 第1四半期の営業利益が過去最高で、通期予想14億5,000万円に対する進捗が早い
- (2) 固定費の削減と外部決済の拡大で、売上が横ばいでも利益が出る体質に変わりつつある
- (3) PER4.59倍(会社予想)と、数字の上では割安水準にある
弱気材料
- (1) 会社の資料では、過去3年間は第1四半期の売上高が年間で最も小さくなる傾向があり、コラボ施策による増収が続くかは不確実
- (2) 2026年5月期は営業赤字・約28億円の純損失で、自己資本比率は2026年5月末で27.3%と高くない(8月末は35.5%に上昇)
- (3) 今期の売上高予想は105億円と前期より減る見通しで、ヒット作に左右されやすい事業構造は変わらない
個人的には、「赤字から黒字化した」というニュースで1日に20%上がった直後なので、次は2027年5月期の第2四半期決算で、利益のペースが保たれるかを見たいと思っています。ストップ高の翌日以降は値動きが大きくなりやすいため、無理のない範囲で見守るのが良さそうです。
まとめ:ケイブは「黒字化の定着」が焦点
ケイブは、怒首領蜂などで知られるゲーム会社で、2026年5月期の赤字からV字回復を目指している段階です。10月15日の終値は893円(ストップ高)でした。割安に見える指標の裏には、前期の大きな赤字と事業の不確実性があります。次の決算で「黒字が続くか」が最大の注目点だと思います。
引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
※本記事の株価は2026年10月15日終値(Yahoo!ファイナンス)です。業績はケイブの決算短信・Yahoo!ファイナンスの業績ページ、第1四半期の内容は同社の決算発表および報道(ゲームビズ、フィスコ等)をもとにしています。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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