どうも、ひろきちです。
今日は9月16日(水)の東京株式市場を振り返ります。結論から言うと、日経平均株価は前日比439円高の63,923円と反発し、しかも1日の高値で取引を終える「高値引け」でした。ただし内容を見ると一枚岩の上昇ではなく、半導体製造装置株が主役に躍り出た一方で、グロース(新興)市場は大きく売られるなど、値動きの中身は結構まだら模様でした。今日もその理由を掘り下げていきます。
今日の指数の動き
まずは主要指数の終値をまとめておきます。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 63,923.00円 | +438.90円 | +0.69% |
| TOPIX | 4,061.72 | +24.56 | +0.61% |
| グロース250 | 771.30 | -17.90 | -2.27% |
| ドル円 | 155円前後 | ほぼ横ばい | (終盤にやや円高) |
この表から読み取れるのは、日経平均・TOPIXという大型株中心の指数がしっかり上昇した一方、グロース250は逆に2%を超えて下落しているという「ねじれ」です。東証プライム市場では値上がり銘柄が67.4%、値下がり銘柄が29.0%と、全体としては買いが優勢でした。売買代金は6兆7,075億円、売買高は17億6,909万株と、いつもより商いは膨らんでいます。

直近5営業日を見ると、日経平均は9月10日の65,270円台から9月15日の63,484円台まで4営業日続落したあと、今日ようやく下げ止まって反発した形です。この図からも、今日の439円高がここ1週間の下落基調の中での「一息」だったことが読み取れます。
日経平均株価は寄り付きこそ188円高の63,672円でスタートしたものの、その後すぐに伸び悩み、午前10時56分には63,209円まで値を下げる場面もありました。ところが午後に入ると買い戻しが広がり、大引けにかけてじりじりと上げ幅を拡大。結局この日の最高値である63,923円で取引を終えました。前場は方向感の乏しい展開だったのに、後場に入ってから強くなる、いわゆる「後場高」の1日でした。
なぜ動いた?相場を動かした材料
今日の値動きを理解するカギは、大きく3つあります。
①前日(15日)の米国株式市場が続落したこと。NYダウは前日比328.09ドル安の52,093.11ドルで取引を終えました。原油価格の上昇が続いていることに加え、人工知能(AI)開発の減速懸念が根強く売り圧力となり、さらに9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が強まったことで、米長期金利(10年債利回り)が2007年以来の高水準に達したことも投資家心理の重荷になりました。
②AI関連株のマネーフローに変化が生じていること。米新興AI企業アンソロピックが10月中下旬にもナスダック市場への上場を計画していると見られており、その思惑から投資資金の流れが変わり始めています。きっかけは同社のダリオ・アモデイCEOが週末(12日)に自身のブログで「AI開発を減速させる必要がある」という趣旨のコメントを発信したこと。これにオープンAIのサム・アルトマンCEOや、テスラなどを率いるイーロン・マスク氏も同調する形になり、週明け14日の米国市場では半導体関連の銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が5.85%安と急落しました。この流れを受けて、今朝の東京市場でも東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体製造装置の大手が、いったんは売り気配で寄り付く展開となりました。
③ただし、後場から国内で買い戻しの動きが広がったこと。前日までの4営業日続落で株価水準が下がっていたところに、韓国総合株価指数の上昇も支えとなり、値ごろ感からの押し目買いが入りました。これが冒頭で触れた「後場高」の背景です。業種別では石油・石炭製品(+4.62%)や鉱業(+3.15%)、繊維製品(+2.02%)といった資源・素材関連が値上がり率上位に並んだ一方、医薬品(-0.90%)や情報・通信業(-0.80%)、空運業(-0.70%)は値下がり率上位となりました。
今日話題になった銘柄と、その理由
値動きの大きかった銘柄を4つ取り上げて、何が起きたのか、なぜそうなったのかを見ていきます。
| 銘柄(コード) | 終値 | 騰落率 | 注目された理由 |
|---|---|---|---|
| 東京エレクトロン(8035) | 51,690円 | +2.05% | 半導体製造装置株の反発をけん引 |
| アドバンテスト(6857) | 30,700円 | +1.79% | 日経平均への押し上げ寄与度トップ |
| ソフトバンクグループ(9984) | 6,183円 | -1.53% | 日経平均への押し下げ寄与度トップ |
| メルカリ(4385) | 3,621円 | -6.36% | ポケカ関連商品の出品禁止を嫌気 |

この図を見ると、半導体製造装置の2社がプラス圏、ソフトバンクグループとメルカリがマイナス圏という対照的な結果になっているのが一目で分かります。
東京エレクトロン(8035)・アドバンテスト(6857):半導体製造装置株が反発
半導体テスト装置で世界シェア5割超を握るアドバンテストは、日経平均への押し上げ寄与度が225銘柄中トップの+130.33ポイント。東京エレクトロンも寄与度2位の+104.59ポイントと、今日の日経平均上昇の主役でした。ただし今朝の値動きだけを見ると、ここまで強い展開になるとは予想しにくいものでした。前述の通り、前日の米国市場でSOX指数が5.85%安と急落した影響を引き継ぎ、今朝の東京市場では両銘柄とも売り気配でスタートしていたからです。それがなぜこれだけ切り返したのか。ここ4営業日で株価がまとまって下がっていたことに加え、AI関連の設備投資需要そのものが失われたわけではないという受け止めから、値ごろ感を意識した押し目買いが入ったとみられます。半導体株はここ最近、値動きの荒さが目立っており、今日のような「開けてびっくり、閉めてびっくり」の反発は今後も起こりやすい局面だと思います。
ソフトバンクグループ(9984):AI関連銘柄への警戒感を引きずる
ソフトバンクグループは日経平均への押し下げ寄与度が225銘柄中最大の-77.23ポイントでした。先週14日に米オープンAIのサム・アルトマンCEOが「年内の上場を否定した」と伝わったことをきっかけに大幅安となった流れを、まだ引きずっている格好です。この日は25日移動平均線を支持線にリバウンドを試みる場面もありましたが、戻りきれずに終値では下落。同社はAI関連企業への投資比率が高いだけに、AIセクター全体のセンチメントに株価が左右されやすい銘柄と言えます。
メルカリ(4385):ポケカ出品禁止のニュースで急落
今日最も値下がり率が大きかったのがメルカリで、終値は前日比6.36%安でした。きっかけは15日に発表されたニュースです。同社はポケモンカードゲームの「30th CELEBRATION」関連商品について、16日から一定期間、出品を禁止すると発表しました。トラブル発生などでマーケットプレイス内の安心・安全が損なわれる可能性があると判断したためとされています。フリマアプリにとって人気カテゴリーの出品制限は取引額に直結しかねないだけに、業績への影響を懸念する見方から売りが膨らんだ形です。1つのカテゴリーの運営判断がここまで株価に響くというのは、フリマアプリという事業モデルの特性をあらためて感じさせる出来事でした。
個人投資家としてどう見るか
積立投資をコツコツ続けている人にとっては、今日1日の439円高・439円安に一喜一憂する必要はないというのが基本スタンスです。日経平均は直近5営業日で見ればまだ63,000円台での一進一退が続いており、方向感が完全に定まったわけではありません。むしろ今日の動きで印象的だったのは、同じ「値上がり」でも中身がまったく違ったという点です。半導体製造装置株は前日の急落からの反発、TOPIXの上昇は資源・素材株への資金シフトが支えており、一方でグロース250は2%超の下落と、テーマや時価総額規模によって明暗がくっきり分かれました。短期で個別株を売買している人は、指数全体の方向よりも、自分が持っている銘柄がどのテーマ・どのセクターに属しているかを意識したほうが今の相場には合っていると思います。
明日以降の注目ポイント
①アンソロピックの上場観測を巡るAI関連株のマネーフローの変化が続くかどうか。半導体製造装置株のような「ツルハシ銘柄」から、AIソリューション系の銘柄への資金シフトが一時的なものか、それとも本格的なテーマ転換になるのか見極めが必要です。②米FOMCの結果発表と、その後の記者会見の内容。長期金利の動向次第で、為替や値がさハイテク株への影響が続く可能性があります。③グロース市場の戻りのタイミング。今日大きく売られた分、値ごろ感からの反発があるかどうかも注目しておきたいところです。
引き続き、無理せずコツコツと。明日もよろしくお願いします!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
前営業日の振り返りはこちらの9月15日の日次まとめ記事もあわせてご覧ください。
English version is here → https://hirokichiiii.com/投資のいろは/nikkei-daily-2026-09-16-en/
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