どうも、ひろきちです。ChatGPTのような生成AIサービスが便利に使えるようになった裏側で、実は世界中で「データセンター」の建設ラッシュが起きているのをご存知でしょうか。今日は、なぜデータセンターがこれほど重要視されているのか、そして関連する日本・米国の注目上場企業を8社まとめて紹介したいと思います。
なぜ「データセンター」がここまで重要視されているのか
データセンターとは、大量のサーバー(コンピューター)を集めて設置し、クラウドサービスやAIの計算処理を行う施設のことです。GoogleやMicrosoft、Amazonといった米国の巨大IT企業(通称「マグニフィセント・セブン」)は、2026年度だけでAI・データセンター関連の設備投資に5,270億ドル(約80兆円超)を投じる見通しで、当初の想定より620億ドルも上振れしています。日本でも経済安全保障の観点から国内でのデータセンター立地が後押しされており、市場は急拡大しています。

この図から分かる通り、総務省「令和6年版 情報通信白書」(出典:IDC Japan調べ)によると、国内のデータセンターサービス市場は2022年の2兆938億円から2027年には4兆1,862億円へと、5年でほぼ倍増する見通しです。AI需要の高まりを受けて、この成長ペースはさらに加速する可能性もあると思います。
データセンターを支える3つの投資テーマ
データセンター関連株と一口に言っても、実はビジネスの中身はさまざまです。ひろきちは大きく3つのテーマに分けて見るようにしています。
1つ目は「頭脳」にあたる半導体です。AIの計算処理にはGPU(画像処理用に開発された演算装置で、AI計算にも使われる)と呼ばれる高性能チップが欠かせません。2つ目は「熱と電気」を管理する冷却・電源設備です。GPUをぎっしり詰め込んだサーバーは大量の熱を発するため、冷却技術と安定した電力供給が事業のカギを握ります。3つ目は「データを運ぶ」通信インフラです。データセンター同士やユーザーとの間で大量のデータをやり取りするための光ファイバーやネットワーク機器も欠かせません。さらに、データセンターの建物自体を保有し企業に貸し出す不動産投資信託(REIT)という切り口もあります。
日本株:データセンター関連の注目4社
まずは日本の上場企業から、ひろきちが注目している4社を紹介します。
さくらインターネット(3778)
国内でクラウドサービスとデータセンターを運営する企業です。2026年3月期は売上高353.01億円(前年比12.4%増)を記録した一方、人材投資や減価償却費の増加で営業損失4.03億円となりました。ただし翌期は売上高450億円(前年比27.5%増)、営業利益15億円への回復を見込んでいます。経済産業省から約565億円の補助金を受け、2028年までに1,000億円規模を投じてGPUを1万基整備する計画も発表しており、再生可能エネルギー100%運用のAI向けデータセンターも稼働しています。2026年4月には米マイクロソフトとの協業報道を受けて株価が1日で53.4%急騰し、年初来高値4,025円をつけましたが、その後は反落し6月上旬には2,900円台まで売られるなど、値動きの荒さも特徴です。
フジクラ(5803)
データセンター向け光ファイバーを製造・販売する電線メーカーです。生成AIの普及に伴う需要拡大を追い風に、2026年3月期は売上高1兆1,824億円(前年比20.7%増)、営業利益1,887億円(同39.2%増)と大幅増収増益を達成しました。情報通信事業の営業利益は152.7億円と前年の1.7倍に伸び、全社営業利益の8割以上を占めるまでになっています。株価は2026年4月に終値ベースの時価総額が初めて10兆円を突破し、5月には株式分割後の上場来高値7,933円をつけました。米国では最大2,600億円を投じて光ファイバーの増産に踏み切る計画も発表しています。
高砂熱学工業(1969)
データセンター向けの空調・冷却設備を得意とする設備工事会社です。AIサーバーが発する膨大な熱を効率的に処理する「グリーンエアーIDC」というサービスを展開しています。2026年3月期は売上高4,239億円(前期比11.1%増)、営業利益477億円(同47.3%増)と過去最高を更新し、営業利益率11.3%は同業他社を大きく引き離す水準です。
NEC(6701)
ITサービス大手で、AIデータセンターに必要な電力・冷却・ネットワーク・セキュリティを幅広くカバーしています。2026年3月期は売上収益3兆5,827億円(前年比4.7%増)、営業利益3,599億円(同40.3%増)と過去最高益を記録しました。生成AIの普及とAIデータセンター建設の増加が、業績と株価評価の両方の追い風になっています。
米国株:データセンター関連の注目4社
続いて米国の上場企業から4社を紹介します。
NVIDIA(NVDA)
データセンター向けGPUで圧倒的なシェアを持つ半導体企業です。2026年1月期(FY2026)の年間売上高は2,159億ドルと前年比65%増を記録し、データセンター部門の売上高は1,940億ドルとFY2023から13倍に拡大しました。続く2027年1月期第1四半期(2026年4月期)も売上高816億ドル(前年比85%増)、データセンター売上高752億ドル(同92%増)と記録的な水準が続いています。
ブロードコム(AVGO)
データセンター向けのネットワークスイッチ用半導体(ASIC)で高いシェアを持つ半導体企業です。「Tomahawk 6」と呼ばれるスイッチングチップは大規模AIデータセンターのサーバー同士をつなぐ役割を担っており、OpenAIとの協業によるカスタムAIチップの開発も進めています。2026年7月時点の株価は370ドル前後、時価総額は1兆7,600億ドルに達しています。
Vertiv(VRT)
データセンター向けの電源・冷却設備を手がける企業です。売上の約8割がデータセンター関連で占められており、高密度AIサーバー向けの液体冷却技術に強みを持ちます。2026年第1四半期は売上高26.5億ドル(前年比30.1%増)と好調で、受注残高は約150億ドル(前年比2倍以上)に達しています。株価は2026年に入り約86〜90%上昇しました。
デジタル・リアルティ・トラスト(DLR)
データセンターに特化した不動産投資信託(REIT)です。世界55以上の国・地域、300以上の拠点でデータセンターを運営し、企業やクラウド事業者にサーバースペースや電力、冷却設備を貸し出しています。2026年7月時点の株価は176〜180ドル台で推移し、配当利回りは2.7%程度です。
投資する前に知っておきたいリスクと注意点
ここまで紹介した銘柄はどれも魅力的に見えますが、値動きが荒い点には注意が必要だと思います。実際、さくらインターネットは提携報道で株価が1日で50%以上急騰した後、1カ月ほどで3割近く下落しました。フジクラも過去最高益を発表した決算発表当日にストップ安となる場面があり、好業績がそのまま株価上昇につながるとは限りません。
また、AI向けデータセンターの拡大には大量の電力が必要になるため、電力インフラの制約が今後の成長の壁になる可能性も指摘されています。すでに株価が大きく上昇した銘柄も多く、割高感を指摘する声や「AI投資バブル」を懸念する声があるのも事実です。特定の1社に集中投資するのではなく、分散を意識しながら少しずつ様子を見て投資するのが無難だと、ひろきちは考えています。
今後注目したいポイントを整理すると、次の3つだと思います。①各社がどれだけ安定的に電力・用地を確保できるか、②日米政府による補助金・支援策が今後も続くか、③決算発表のたびに株価が乱高下しやすい点をふまえ、短期的な期待先行の動きに振り回されないこと。
引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
なお、データセンターと関係が深い「フィジカルAI」についても以前記事にまとめていますので、興味のある方はあわせてご覧ください。→エヌビディアが日本に期待する「フィジカルAI」とは?関連する日本の上場企業もまとめて紹介
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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