【米国株まとめ】9月29日はNYダウ・ナスダックが3指数そろって小幅続落!長期金利が2007年以来の高水準に、FICOはFHFAの一手で急落21%

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

今朝は9月29日(火)の米国市場を振り返ります。
結論から言うと、NYダウ・S&P500・ナスダック総合の3指数そろって小幅に続落しました。ただ、朝方は一時350ドル超下げる場面もあったので、そこから下げ幅を大きく縮めた「踏みとどまった1日」という印象です。主役は指数そのものより、長期金利の急騰と、個別材料で吹き飛んだファイア・アイザック(FICO、-21.6%)でした。

3指数の動き:小幅続落もナスダックは底堅く

まずは主要3指数の終値です。

指数終値前日比騰落率
NYダウ51,349.92ドル-131.59ドル-0.26%
S&P5007,671前後-12.49-0.16%
ナスダック総合26,797.54-22.84-0.09%

この表から読み取れるのは、下落幅そのものはどの指数も小さく、特にハイテク株中心のナスダック総合がもっとも底堅かったということです。

朝方は消費者信頼感指数の弱さや長期金利の急上昇を受けて、ダウ平均が一時350ドル超下落する場面もありました。そこから終値にかけて下げ幅を大きく縮めたのは、FRB(米連邦準備制度理事会)高官の一部が「利上げを急ぐ必要はない」との趣旨の発言をしたと伝わり、金利上昇への警戒がいったん和らいだためです。一方で別のFRB高官からは追加の利上げを支持するような発言も出ており、金融当局内の見方が割れている様子がうかがえた1日でした(出典:みんかぶFX「NY各市場」、オアンダ証券「NYマーケットダイジェスト」)。

相場を動かした材料:長期金利が2007年以来の高水準

この日いちばんのポイントは、株価そのものより米長期金利(10年債利回り)の動きだったとひろきちは見ています。10年債利回りは終値ベースでは5.23%とほぼ横ばいでしたが、朝方は一時5.29%台まで上昇し、2007年6月以来の高水準をつけました(出典:Benzinga)。8月末時点では4.76%だったので、わずか1カ月ほどで0.5%近く跳ね上がった計算です。

金利上昇の背景には、コンファレンスボードが発表した消費者信頼感指数が81.9(市場予想89.2)と12年ぶりの低水準まで落ち込んだことや、JOLT求人件数の弱さがあります(出典:zaikei.co.jp)。景気減速を示す指標が出たにもかかわらず金利が上がるというのは一見ねじれた動きですが、FRB高官から追加利上げを支持する発言が出たことがきっかけになったと報じられています。

株式市場にとって金利5%台というのは軽視できない水準です。国債を持っているだけで年5%超の利回りが得られるとなると、配当株や高配当ETFの相対的な魅力が薄れてしまうためです。VYMやHDV、SPYDのような高配当ETFに投資している読者は、この金利動向をしばらく意識しておいたほうがよさそうです。

なお、原油(WTI先物)はサウジアラビアのパイプライン修復や米国が戦略石油備蓄から4000万バレルを放出すると発表したことを受けて89.38ドル(-3.22ドル、-3.48%)まで下落しました。米国とイランの間で接触があり、ホルムズ海峡をめぐる緊張緩和への期待も相場を下押しする材料になったと報じられています(出典:TheStreet、オアンダ証券)。金(ゴールド)は4,179.70ドル(+11.30ドル、+0.27%)とわずかに上昇し、金利上昇局面でも安全資産としての需要が一定あったことがうかがえます。

話題になった銘柄:FICOがFHFAの一手で急落21%

話題銘柄の騰落率比較(2026年9月29日)

この図から分かる通り、下落率トップは圧倒的にファイア・アイザック(FICO)で、逆に上昇率トップはカーニバル(CCL)でした。

ファイア・アイザック(FICO):-21.6%、FHFAが「モノポリー崩し」

もっとも大きく動いたのがファイア・アイザック(FICO)です。同社の看板商品であるFICOスコアは、米国の住宅ローン審査でほぼ独占的に使われてきた信用スコアです。ところが米連邦住宅金融局(FHFA)が、政府系住宅金融機関のファニーメイとフレディマックが使う価格表(プライシンググリッド)を一本化し、これまで別建てだったFICOスコアと競合スコア「バンテージスコア」を同じ土俵で扱う方針を発表しました。FHFAのビル・プルト長官は従来の仕組みについて「まったく理にかなっていない」と述べたと報じられています(出典:Yahoo Finance)。

なぜここまで株価が急落したのか。理由はシンプルで、住宅ローンを扱う金融機関が今後FICOスコアを使わずにバンテージスコアだけで審査を完結できるようになれば、FICOが1件ごとに得ていた信用照会の手数料収入がまるごと失われかねないためです。「独占が崩れるかもしれない」という将来の収益不安が、一気に株価に織り込まれた形です。前日(9月28日)の時間外取引ですでに8%下落しており、29日の通常取引でさらに売りが加速しました。

カーニバル(CCL):+11.65%、決算が市場予想を上回る

クルーズ大手のカーニバルは、第3四半期決算が市場予想を上回ったことを好感されて11.65%上昇しました。旅行・レジャー消費が根強いことを示す内容で、金利上昇や消費者心理の悪化が伝えられる中でも個別の好材料が素直に買われた格好です。



メタ・プラットフォームズ(META):+3.23%、AIエージェント「Muse」への期待

メタは証券会社モンネス・クレスピ・アンド・ハートが目標株価を730ドルから830ドルに引き上げたことを受けて3.23%上昇しました。背景にあるのは、同社のAIエージェント「Muse」を中小企業向けに拡大したことと、新しい「メタ・エンタープライズ・プラットフォーム」の展開です。アナリストは、Facebook・Instagram・Messenger・WhatsAppという巨大な配信網を使えば一気に普及が進む可能性があるとし、サブスクリプションやコマース手数料、AIライセンス供与といった新たな収益源になり得ると評価しています(出典:MarketBeat)。

アップル(AAPL):-2.65%、新体制への不透明感とMuseの脅威

一方でアップルは9ドル安の2.65%下落となりました。背景として報じられているのは、新CEOのジョン・ターナス氏が打ち出した組織改編(エンジニアと経営層の間の管理階層を減らす方針)への不透明感や、恒例の製品発表スケジュールの見直し観測です。さらにバンク・オブ・アメリカは、メタのMuseのようなAIエージェントが台頭すると、アップルは端末の販売自体は維持できても、アプリの発見・送客・購入開始といった場面でのやり取りが奪われかねないと指摘しています(出典:Invezz)。皮肉にも、メタの上昇とアップルの下落が同じ「AIエージェント」というテーマの表と裏になっていたのが、この日のひろきち的には一番興味深い点でした。

エクイファックス(EFX):-2.65%、FICOショックの余波

信用情報大手のエクイファックスも2.65%下落しました。直接の材料はゴールドマン・サックスによる目標株価引き下げですが、背景にはFICOと同様に信用スコア関連ビジネスの先行きに対する警戒があったとみられます。

米国の高配当ETFであるVYM・HDV・SPYDについては、この日単体の値動きを裏取りできる数値は見つけられませんでしたが、長期金利が5%台に乗せる中では相対的に売られやすい地合いだったと考えられます。この点は推測にとどめておきます。



セクター・ETFの動き:9月の月間ではハイテクが独走

日々のセクター別騰落率までは裏取りできませんでしたが、9月の月間ベースで見ると、テクノロジーセクターが+4.4%とセクター中で最も強く、逆に金融・REIT・一般消費財・素材といったセクターは軒並み-6%超の下落となっています(出典:Investrade「Market Review」)。ヘルスケアはほぼ横ばいでした。29日の動きでも、ナスダック総合の下落率がダウ平均より小さかったことから、この「ハイテク優位」の流れが続いていたと読み取れます。



今日の日本株・注目点

29日の米国株はおおむね小幅安で終えましたが、長期金利の急上昇と話題性の大きいFICOショックがあったため、東京市場でも神経質な展開になりやすいと考えられます。ひろきちが注目しているのは次の3点です。

①米長期金利の動向:10年債利回りが5.2%台まで来ているため、金利敏感株(高配当株・REIT・不動産)への影響が続くかどうか。
②今晩発表される米経済指標:日本時間9月30日夜(米国時間9月30日)には、FRBが特に重視するPCE(個人消費支出)価格指数、個人所得・支出、ADP雇用統計、4-6月期GDP改定値、シカゴPMIとイベントが目白押しです(出典:時事通信・zaikei.co.jp)。特にPCE価格指数はインフレ動向を占う上で重要です。
③FICOショックの波及:信用スコア関連ビジネスを持つ他の金融情報会社への売りが続くかどうか。

なお、東京市場の寄り付きの具体的な値動きについては、この記事の執筆時点で裏取りできる確定情報が見つからなかったため、あえて数値は書いていません。実際の寄り付きはご自身でニュースをご確認ください。

今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!

English version is here → https://hirokichiiii.com/投資のいろは/us-market-2026-09-29-en/

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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