どうも、ひろきちです。
本日(10/13)の日本株市場で、カウリス(153A)が一時ストップ高の3,155円まで買われ、年初来高値を更新しました。サイバーセキュリティ関連株の中でも、特に勢いが強かった銘柄のひとつです。
カウリスは2024年に上場したばかりの新しい会社で、名前を初めて聞いたという方も多いかもしれません。この記事では、どんな会社で、業績はどうなのか、そして今後の株価をどう見ればよいかを整理します。
カウリスはどんな会社?
カウリスは、主に銀行や証券会社向けに、不正ログインや口座の乗っ取りを防ぐサービスを提供している会社です。2024年3月28日に東証グロース市場へ上場しました。
主力は「Fraud Alert(フラウド・アラート)」です。口座の乗っ取りや転売に使われた端末の情報を、利用する企業どうしで共有する仕組みです。ある会社で悪用された端末を、ほかの会社でも早く見つけられるようになります。入出金をリアルタイムで監視する機能もあります。
もう1つの柱として育てているのが、2025年9月に始めた本人確認サービス「Grid Data KYC」です。口座を開くときの本人確認や、住所が変わったかどうかの継続チェックに使われます。
収益の特徴は、毎月・毎年入ってくる継続課金(ストック型収益)の割合が93.4%と高いことです(2026年12月期第1四半期)。Fraud Alertの契約社数は48社、ARR(年間経常収益)は15.7億円です(2026年12月期第2四半期の決算資料より)。
株価と投資指標:年初来安値から約3倍
10/13(火)の終値は2,999円で、前日の取引日(10/9)の終値2,651円から348円高(+13.13%)でした。取引時間中は3,155円のストップ高をつけ、年初来高値を更新しています。年初来安値は2026年3月4日の958円なので、そこから約3倍です。
10/8にも前引けで+22%と大きく上昇しており、ここ数日は値動きが激しくなっています。
主な投資指標は次のとおりです(10/13 15:30時点、株探より)。
・時価総額:約196億円
・PER(会社予想):約55.6倍(PERは株価が1株利益の何倍かを示す、割安さの目安)
・PBR(実績):12.51倍(PBRは株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標)
PBRが12倍を超えており、かなり高い評価がついていることが分かります。
業績チェック:営業利益率が3割超の高収益企業
業績の推移は次のとおりです(決算短信より)。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 2023年12月期 | 9.94億円 | 2.95億円 |
| 2024年12月期 | 12.25億円 | 4.12億円 |
| 2025年12月期 | 14.00億円 | 4.08億円 |
| 2026年12月期(会社予想・上方修正後) | 16.47億円 | 5.32億円 |
この表から、売上が毎年伸びている一方、2025年12月期は営業利益が前期とほぼ横ばいだったことが分かります。それが2026年12月期は大きく伸びる計画になっています。
2026年12月期の上期(1〜6月、8/14発表)は次のとおりです。
・売上高:8.16億円(前年同期比+21.8%)
・営業利益:2.83億円(同+27.0%)
・営業利益率:34.7%(前年同期は33.3%)
同日、通期予想も上方修正されました。営業利益は前回予想から29.4%増の5.32億円です。理由として、Fraud Alertの新規獲得やクロスセル(別のサービスも買ってもらうこと)が順調だったことに加え、採用計画の後ずれで人件費などが少なく済んだことも挙げられています。つまり、利益の上振れには一時的な面もあります。
今後の経営方針:Grid Data KYCを第2の柱に
会社が示している成長戦略は3つです。
・Grid Data KYCの拡販(通期で約1億円の売上を達成できれば、単体で黒字になる見込みと説明)
・Fraud Alertの既存顧客への深掘り(クロスセル・アップセル)
・AIの活用と、官民が連携した不正対策の推進
中長期では、売上高30億円、さらに40億円の早期達成を掲げています。Grid Data KYCが広がれば、営業利益率は4割近くまで高まるとの見方も示しています。
資本政策としては、自己株式の取得(上限3億円)を4月初めに終えています。
株価の展望:強気材料と弱気材料
【強気材料】
① 国策テーマの追い風:相次ぐ個人情報漏えいを受け、政府が10/8に関係省庁会議を開きました。金融機関の不正対策やなりすまし対策の需要が高まるとの期待があります。
② 高い収益性:営業利益率が3割を超え、売上の9割超がストック型です。収益が安定しやすい構造です。
③ 上方修正と第2の柱:通期予想を引き上げており、Grid Data KYCが育てば成長の余地は大きいです。
【弱気材料】
① 割高感:PBRが12倍超、PERも約55倍と高く、期待がかなり織り込まれています。時価総額も約196億円と小さく、値動きが荒くなりやすい銘柄です。
② 契約社数が増えていない:Fraud Alertの契約社数は48社で伸び悩んでおり、成長はアップセルやクロスセルに頼っています。会社も、証券会社1社の解約があったことを説明しています。
③ 新事業の遅れと赤字:生成AIに関する金融機関のガイドライン見直しで、Grid Data KYCの商談に遅れが出ています。この事業は現時点では赤字です。
また、今回の上昇は個別の新しい開示ではなく、セキュリティ関連株全体への買いに連れたものと見られます。熱が冷めたときの下落には注意が必要です。
個人的には、利益率の高い良いビジネスだと感じます。ただ、年初来安値から約3倍になった直後なので、短期で追いかけるのは慎重になりたいと考えています。次の決算(11/13)で、契約社数やGrid Data KYCの進み具合を確認したいところです。最終判断はご自身でお願いします。
まとめ
・10/13の終値は2,999円(前日の取引日比+13.13%)、一時ストップ高の3,155円で年初来高値を更新
・上昇の主因は、セキュリティ関連株への買い(同社固有の新しい開示ではない)
・営業利益率は3割超の高収益で、通期予想も上方修正
・PBR12倍超と割高感があり、契約社数の伸び悩みなどの課題も
引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!
【出典】カウリス 決算短信・決算説明資料(2024〜2026年)、株探、松井証券、ログミーファイナンス、各種報道。株価は2026年10月13日の終値(15:30時点)。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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