どうも、ひろきちです。
今回は2026年9月9日(水)の米国市場の振り返りです。
この日はNYダウ・S&P500・ナスダック総合の主要3指数がそろって下落し、3営業日連続の下げとなりました。
中東情勢の緊迫化を受けた原油価格の急伸と、米長期金利の上昇が重荷になった格好です。
一方で個別株では、メタ・プラットフォームズが新しいAIエージェントの発表を受けて6%を超える急騰を見せるなど、明暗がくっきり分かれた1日でした。指数の動きから話題の銘柄まで、順番に振り返っていきます。
前日(9月8日)の米国市場については、前回の米国株まとめ記事もあわせてご覧ください。
3指数そろって3日続落、NYダウは405ドル安
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 52,380.66 | -405.41 | -0.77% |
| S&P500 | 7,636.36 | -37.03 | -0.48% |
| ナスダック総合 | 26,253.34 | -168.07 | -0.64% |
この表から分かる通り、下げ幅が一番大きかったのはNYダウ(-0.77%)でした。NYダウは景気敏感株や工業株を多く含む指数で、金利上昇や通商問題のニュースに反応しやすい構成になっています。CBOEボラティリティ指数(VIX、いわゆる「恐怖指数」)は前日比で5%超上昇しており、投資家心理が慎重になっていたことがうかがえます(出典:Investrade Market Review)。
相場を動かした2つの材料
1つ目は、中東(イラン)情勢の緊迫化です。米軍がイラン革命防衛隊(IRGC)関連のタンカー複数隻を攻撃したと報じられ、イラン側も米海軍艦艇に向けて弾道ミサイルを発射したと伝えられました(出典:CBSニュース、Bloomberg)。ホルムズ海峡を通る原油輸送への懸念が強まったことで、WTI原油(10月限)は前日比3.93%高の1バレル96.69ドルまで上昇。ブレント原油は7月以来はじめて1バレル101ドルを上回りました。原油高はインフレ懸念にもつながるため、株式市場全体には逆風となっています。
2つ目は、米長期金利の上昇です。米財務省が長期国債の買い戻し(バイバック)規模を従来の3倍の60億ドルに拡大すると発表したことで、国債の需給悪化への警戒から10年債利回りは4.857%まで上昇しました。これは2023年11月以来の高水準です(出典:CNBC)。金利が上がると、将来の利益をもとに株価が形成されるハイテク株やグロース株には特に逆風になりやすく、この日もナスダック総合の下げにつながりました。このほか、米国とカナダの通商摩擦が再燃していることも、投資家のリスク回避姿勢を強めた材料として報じられています。
話題になった銘柄
| 銘柄 | 騰落率 | 主な材料 |
|---|---|---|
| メタ・プラットフォームズ(META) | +6.55% | AIエージェント「Muse」発表 |
| アップル(AAPL) | -1%超 | 新CEO初のキーノート、折りたたみiPhone発表 |
| エクソンモービル(XOM) | +2.3% | 原油高の追い風 |
| ロッキード・マーチン(LMT) | +0.7% | UBSが投資判断を格上げ |
この日は原油高と地政学リスクを追い風にしたエネルギー株・防衛株と、AI関連の新発表で買われたメタが対照的な動きを見せました。それぞれ詳しく見ていきます。
メタ・プラットフォームズ(META):AIエージェント「Muse」で6.5%急騰
メタの株価は前日比6.55%高の653.69ドルまで上昇しました。出来高は3,520万株と、直近3カ月平均(1,780万株)の約2倍に達しています。株価を押し上げたのは、個人向けAIエージェント「Muse」の発表です。オンラインショッピングの代行、フライトの予約、カレンダーの管理などをユーザーに代わって自動でこなす機能を持ち、無料版に加えて月額20ドル・100ドルの有料プランも用意されています(出典:Bloomberg、TechCrunch)。モルガン・スタンレーは「AIエージェント市場は将来的に30兆ドル規模になりうる」と指摘し、みずほ証券も「メタにとって大きな成長サイクルの始まりであり、現在の株価にはまだ十分に織り込まれていない」と評価しています。ひろきち個人としては、メタが持つ巨大な利用者基盤とデータをAIエージェントにどう生かすかは今後も要注目のテーマだと感じました。
アップル(AAPL):新CEO初のキーノートも「材料出尽くし」で1%超安
アップルは、8月末にティム・クック氏が会長に退き、9月1日付でジョン・ターナス氏が新CEOに就任してから初めてとなる製品発表イベントを開催しました。折りたたみ式の新型iPhone(1,999ドル)と、2nmチップやSiri(音声アシスタント)機能を強化した「iPhone 18 Pro」を披露しましたが、株価は1%超下落しました。過去24回のiPhone発売日を振り返ると、アップル株は平均0.3%、中央値でも0.6%下落しているというアノマリー(経験則)があり、今回も期待が先行していた分の「材料出尽くし」的な売りが出た格好です(出典:The Motley Fool)。新製品自体の評価は高い一方で、株価は「良いニュースで売る」典型的な展開になったと言えそうです。
エクソンモービル(XOM):原油高の追い風で2.3%高
原油メジャーのエクソンモービルは2.3%高となりました。原油高を受けてエネルギーセクター全体が上昇し、この日のS&P500の中では数少ないプラス圏のセクターとなっています。同社は2026年に入って年初来で約3〜4割の上昇となっており(出典により幅あり)、原油高と好調な業績が追い風になっています。
ロッキード・マーチン(LMT):UBSの格上げと地政学リスクで0.7%高
防衛大手ロッキード・マーチンは0.7%高で取引を終えました。UBSが投資判断を「ニュートラル」から「買い」に格上げし、業績の成長ポテンシャルが市場に十分評価されていないと指摘したことが材料です。中東情勢の緊迫化を背景に、防衛関連株全般に資金が向かいやすい地合いだったことも支援材料になったとみられます。
セクター別・ETFの動き
セクター別では、エネルギーが+0.63%と数少ないプラス圏となった一方、資本財(産業)は-1.01%、一般消費財は-1.05%、生活必需品は-1.11%とそろって下落し、S&P500を構成する11セクターのうち9セクターが値を下げました(出典:Trading Strategy Guides)。VOOやQQQといった主要ETFはそれぞれS&P500・ナスダック総合とほぼ同じ値動きとなった一方、SPYDやVYMのような高配当・バリュー系ETFはエネルギー株の比率が比較的高いため、下げ幅がやや抑えられた可能性があります(個別の騰落率は確認できておらず、この点は参考情報としてご覧ください)。
今日の日本株・注目点
米国株安と原油高を受けて、日本時間9月10日早朝時点のシカゴ日経平均先物は64,360円前後で、前日比900円ほど安く推移していました(-1.37%程度、出典:日本経済新聞)。為替については、ニューヨーク市場でドル円が一時153円09銭まで下落したあと153円80銭で引け、東京市場では152円89銭まで円高が進む場面もありました。日銀の利上げペース加速観測と、ベッセント米財務長官による円安けん制とも取れる発言が背景です(出典:外為どっとコム、財経新聞)。
今日チェックしておきたいポイントは次の3つです。①中東情勢の緊迫化が続くと原油高が一段と進み、資源関連株や商社株への物色が続く可能性があること、②米国で防衛株が買われた流れを受けて、三菱重工業など国内の防衛関連株の値動きにも注目が集まりやすいこと、③米長期金利の上昇が続くようだと、値がさのグロース株・ハイテク株には引き続き逆風になりやすいことです。
いつも読んでいただいている「ひろきちの資産運用実績まとめ」ページでは、こうした相場環境の中でひろきちの資産がどう推移しているかをまとめていますので、あわせてご覧いただけると嬉しいです。
なお、本記事の数字は複数の海外報道をもとに裏取りしていますが、VIXの具体的な水準やETFごとの詳細な騰落率など、一部確認が取れなかった項目については本文中で「確認できていません」と明記し、推測では埋めていません。
今日も無理せずコツコツいきましょう。いってらっしゃい!
English version is here → US Market Recap (English)
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
いつも読んでいただきありがとうございます。下のバナーをポチッと応援クリックしていただけると、ひろきちの励みになります!



コメント