【解説】日米協調介入は15年ぶり!2011年の「真逆の介入」との違いと介入後の値動きを振り返る

投資のいろは

どうも、ひろきちです。

2026年7月31日(米東部時間)、日本政府・日銀と米財務省による協調為替介入が実施されました。円買い・ドル売りの協調介入は実に15年ぶり、しかも「円買い」方向の協調介入としては28年ぶりという、かなり異例の出来事です。今回は「何が起きたのか」と「15年前の2011年はどんな状況だったのか」を振り返りながら、介入後の値動きを解説していきます。

何が起きたのか?7月31日の日米協調介入

7月下旬、ドル円相場は1ドル=164円に迫る水準まで円安が進み、約40年ぶりの安値圏に入っていました。この動きを受けて、片山さつき財務相は8月3日、「米東部時間7月31日、米財務省と協調して円買い介入を実施した」と発表しました。日本の財務省・日銀がドル売り・円買いの介入を行うのに合わせて、米財務省もユーロ売り・円買いの介入に踏み切ったとみられています(日本経済新聞)。

一部報道では、財務省はこの介入で約530億ドル相当の円買いを実施したとされています。片山財務相は「更なる協調介入を実施することも躊躇しない」と述べ、追加の介入にも含みを持たせました。

15年前は真逆だった 2011年の協調介入をおさらい

「協調介入」という言葉を聞いて、投資歴の長い方なら2011年3月を思い出すかもしれません。実はこの2011年の協調介入、今回とは方向がまったく逆でした。

2011年3月11日の東日本大震災の直後、保険金支払いなどを見込んだ円買い(本国送金)観測から、投機的な円買いが急速に進みました。3月17日早朝には1ドル=76円25銭という、当時の史上最高値(歴史的な円高水準)を記録しています。行き過ぎた円高は輸出企業の業績や震災復興の妨げになるとして、G7(主要7カ国)は3月18日、協調して「円売り・外貨買い」の介入に踏み切りました(出典:Wikipedia「協調介入」、時事ドットコム)。この結果、相場は80〜83円台のレンジまで戻っています。

つまり、2011年は「行き過ぎた円高を止めるための円売り介入」、2026年は「行き過ぎた円安を止めるための円買い介入」と、目的も方向もちょうど正反対なのです。なお、円買い方向の協調介入としては、1998年のアジア通貨危機を受けた介入以来28年ぶりとなります。

介入後の値動き 164円台から157円台へ

ドル円の動き(2026年7月31日 日米協調介入前後)

7月31日のニューヨーク市場の引けは1ドル=160円20〜21銭でした。週明け8月3日の東京市場では、朝9時時点で157円58〜59銭まで下落し、前週末の引けから2円62銭の円高となりました。早朝のオセアニア時間には一時157円10銭台まで値を下げる場面もあったようです(時事通信、みんかぶ)。

この図から、7月中旬の164円台から見て、わずか2週間ほどで7円近く円高方向に動いたことが分かります。介入発表の直後に相場が大きく動き、その後も円高方向を維持していることが読み取れます。

なぜ今回は「協調」という異例の形になったのか

単独介入ではなく協調介入になった背景には、円安の進行スピードが速く、投機的な動きやキャリートレード(低金利の円を借りて高金利通貨で運用する取引)の巻き戻しリスクが警戒されていたことがあります。ベッセント米財務長官も協調介入に前向きな姿勢を示しており、日米双方が「過度で無秩序な変動」への対応で足並みを揃えた形です(Al Jazeera、CNBC)。

単独介入に比べて協調介入は市場へのインパクトが大きく、投機筋への牽制効果も強いとされています。だからこそ、円売り方向では15年、円買い方向では28年というブランクを経てもなお、今回のような一致した動きが実現したと言えそうです。為替の変動が私たちの資産にどう影響しているか気になる方は、総資産公開まとめもあわせてどうぞ。

今後の見通し・注目しておきたい3つのポイント

今後のドル円相場を見るうえで、ひろきちが注目しているポイントは次の3つです。

①追加の協調介入があるか:片山財務相は追加介入を「躊躇しない」と明言しており、投機的な円売りが再燃すれば再び介入が入る可能性があります。
②日米の金利差の動向:円安の根本要因は依然として日米の金利差です。米国の利下げペースや日銀の利上げ観測次第で、介入の効果が持続するかが変わってきます。
③市場のボラティリティ:介入直後は値動きが荒くなりやすく、しばらくは神経質な展開が続きそうです。

引き続き、無理せずコツコツと。次回もお楽しみに!

English version is here → Japan-US Joint Intervention, First in 15 Years

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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