どうも、ひろきちです。9月10日(木)の東京株式市場は、朝の大きな下げから一転、日経平均は前日比128円17銭高の65,270円95銭で取引を終えました。寄り付き直後から950円近く下げる場面もあったのですが、終わってみれば3営業日ぶりの反発。しかも1日の値動きの中で一番高い値段で取引を終える「高値引け」という強い形になりました。何が相場を動かしたのか、今日話題になった銘柄と合わせて振り返ります。
今日の指数の動き
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 65,270.95円 | +128.17円 | +0.20% |
| TOPIX | 4,054.58 | +7.94 | +0.20% |
| グロース250 | 772.16 | +0.83 | +0.11% |
| ドル円 | 153円40銭台 | (前日NY終値153円80銭からやや円高) | – |
この表から読み取れるのは、3指数とも小幅ながらプラスで終えているのに、東証プライム市場の値上がり銘柄数(723)が値下がり銘柄数(784)を下回っているという、一見ちぐはぐな結果です(出典:日本証券新聞)。これは「多くの銘柄は下げたけれど、値がさ株(株価が高く指数への影響が大きい銘柄)中心に大きく買われた銘柄があったため、指数全体はプラスになった」ことを意味しています。出来高は21億6,817万株、売買代金は8兆3,803億円でした。
なぜ動いた?相場を動かした材料
①前日の米国株安と原油高でインフレ懸念が再燃
9日のNY株式市場ではダウ平均が405円41セント安の52,380.66ドル、ナスダック総合も168.07ポイント安の26,253.34と3日続落しました(出典:財経新聞)。米国とイランの軍事的な緊張が高まったことを受けてWTI原油先物が前日比+3.85%の96.61ドルまで上昇し、約3ヶ月半ぶりの高値をつけたことがきっかけです。原油高は物価上昇(インフレ)につながりやすいため米長期金利が上昇し、これを嫌気した売りが東京市場にも波及。日経平均は寄り付きから374円安でスタートし、前引けにかけて一時950円超安まで下げ幅を拡大しました。
②トランプ大統領の「1人5000ドル配当」発言で下げ渋り
後場に入り、トランプ大統領が「中間選挙で共和党が上下両院を制したら、米国の成人1人あたり5000ドル(約76万円)を支給する」と表明したと伝わりました。この構想は早速「トランプ配当」と呼ばれ、バンス副大統領は関税収入を財源にする可能性を示唆しています(出典:日本証券新聞)。政策として実現するかどうかはまだ不透明ですが、市場はこうした景気刺激的な話題に敏感に反応するもの。日経平均は終値にかけて急速に下げ幅を縮めて、最終的にプラスに転じました。
③TSMCの月次売上高発表を控えた半導体の先回り買い
台湾TSMCが月次売上高を発表するタイミングが近づいていたこともあり、東京市場では半導体関連株に先回りの買いが入りました。この動きがアドバンテストなど一部の値がさ株を押し上げ、指数全体の反発を後押ししたと見られます。
今日話題になった銘柄と、その理由
| 銘柄(コード) | 終値 | 騰落率 | 注目された理由 |
|---|---|---|---|
| 東京エレクトロン(8035) | 52,810円 | -1.66% | 日経平均の値下がり寄与トップ。半導体関連だが、朝の全面安の影響を受けて終日上値が重く、前日比890円安で終えた |
| アドバンテスト(6857) | 33,900円 | +3.23% | 日経平均の値上がり寄与トップ(大引け寄与度+255.84)。TSMC月次売上高発表を控えた先回り買いでAI・半導体関連が物色された |
| エアトリ(6191) | ストップ高(買い気配) | 制限値幅上限 | 2026年9月期〜2028年9月期の3期間で総額100億円超の株主還元を発表。年間配当160円の計画は前日終値ベースで利回り20%超。営業利益予想も15億円→30億円に上方修正 |
※東京エレクトロン・アドバンテストとも、大引け後に日本経済新聞・松井証券の株価ページで裏取りし、確定値に更新しました。
3社の値動きにはそれぞれ理由がありますが、共通しているのは「事前の期待値との差」です。東京エレクトロンは値がさ株ゆえに指数への影響が大きく、朝の全体安の影響をまともに受け、終値は前日比-1.66%で終えました。アドバンテストは同じ半導体でも「TSMCの決算を先取りする買い」という前向きな思惑が入ったことで明暗が分かれ、終値は前日比+3.23%まで買われました。エアトリに至っては、通期の利益予想を2倍に引き上げ、かつ配当利回りが20%を超える水準まで増配したことで、買いが殺到してストップ高になったとみられます。
このほか、地銀株やニデック(6594)、シャープ(6753)といった「それまで出遅れていた銘柄」にも買いが入りました。一方で、金利上昇を警戒して防衛関連株や建設株には売りが出ています。業種別では証券・サービス・銀行・保険・鉄鋼が上昇率上位、非鉄金属・その他製品・建設・機械・ガラス土石が下落率上位でした(出典:日本証券新聞)。
個人投資家としてどう見るか
今日のような「朝は大きく下げたのに、終わってみればプラス」という値動きは、正直なところプロでも読みにくいものです。特に新NISAなどで長期の積立投資をしている方にとっては、1日の値動きに一喜一憂する必要はないというのが、ひろきちの基本的なスタンスです。むしろ今日の一番のポイントは、「トランプ配当」という政治的な発言1つで、実体経済に変化がなくても株価が数百円単位で動いたという事実だと思います。短期で売買している方は、こうした政治・地政学リスクに振らされやすい相場が続いていることを念頭に置いておくとよさそうです。
エアトリのように、業績と株主還元の両方を大きく上方修正した銘柄がストップ高になるのは分かりやすい値動きですが、こうした急騰銘柄を後追いで買うのはリスクが高いことも忘れずにいたいところです。
明日以降の注目ポイント
①TSMCの月次売上高発表:今日買われた半導体株の勢いが続くかどうかの試金石になりそうです。
②米長期金利と原油価格の動向:中東情勢の緊迫が続く限り、原油高からのインフレ懸念・金利上昇シナリオは相場の重しになり続ける可能性があります。
③「トランプ配当」構想の続報:具体的な財源や実現可能性についての追加情報が出てくれば、相場のボラティリティ(値動きの荒さ)が高まりそうです。
引き続き、無理せずコツコツと。明日もよろしくお願いします!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
English version is here → Nikkei Recap (English)
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